傍聞き の商品レビュー
面白かったです。4編の短編集で、消防士、刑事などが主人公のミステリーです。それぞれ50ページほどなのに中身がギュッと詰まった感じで無駄のない話の展開です。長々とうんちくを語られたり遠まわしなものよりもずっと好感がもて、読み終わりもスッキリします。 自分が思ってた方向と違う結末にた...
面白かったです。4編の短編集で、消防士、刑事などが主人公のミステリーです。それぞれ50ページほどなのに中身がギュッと詰まった感じで無駄のない話の展開です。長々とうんちくを語られたり遠まわしなものよりもずっと好感がもて、読み終わりもスッキリします。 自分が思ってた方向と違う結末にたどり着いたとしても、そうだったのか、なるほどと思わされます。 ブックレビューではあまり評価がよくないようでしたが、私には久々に出会った”人に薦めたくなる本”です。 表題の「傍聞き(かたえぎき)」が特によかったです。 長岡弘樹さんの他の作品も読みたくなり「教場」も注文しました。
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どこが面白いのか、と言われれば上手く答えることが出来ないが、ページを捲る手が止まらない一冊でした。 いつも読みはじめるときは、物語の中に入れるように気を遣って読むんですが、傍聞きは違いました。 スッと始まって、どんどん話に引き込まれて、最後にはなるほどっ!っと思わされてしまいま...
どこが面白いのか、と言われれば上手く答えることが出来ないが、ページを捲る手が止まらない一冊でした。 いつも読みはじめるときは、物語の中に入れるように気を遣って読むんですが、傍聞きは違いました。 スッと始まって、どんどん話に引き込まれて、最後にはなるほどっ!っと思わされてしまいました。 単純にミステリーを楽しめる一冊です。 娘が小説を読めるようになったら、薦めてみたい。
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長らく読書の友となり、楽しませてくれてた 佐伯泰英の文庫本シリーズ物をほぼ読み終え、 途方に暮れて読書好きがオススメするサイトを探すと 出てきたのがこの本。 これは短編集で、しかもミステリー仕立て。 事件もの、警察もの、などが多いのだが この短編集の特徴は、人間の心の交錯を描...
長らく読書の友となり、楽しませてくれてた 佐伯泰英の文庫本シリーズ物をほぼ読み終え、 途方に暮れて読書好きがオススメするサイトを探すと 出てきたのがこの本。 これは短編集で、しかもミステリー仕立て。 事件もの、警察もの、などが多いのだが この短編集の特徴は、人間の心の交錯を描く なんとも愛情感じる人間ドラマが主軸。 短い文章ながら読み終えると、ホッとするとともに 暖かい感情に委ねられた安心感が。 あっという間に一冊を読み終えられるボリューム感もおすすめ。
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4編からなる短編集でさらりと読めた。 読みやすかったけどなんだかどの登場人物にも共感できなかった。 色々言いたいことがあってでも直接伝えずに遠回しに伝えるってのもあるだろうとは思うけど、それにしても何にも言わなすぎじゃない? こんなに何にも伝えずにいいから黙っていう事聞けみたいな...
4編からなる短編集でさらりと読めた。 読みやすかったけどなんだかどの登場人物にも共感できなかった。 色々言いたいことがあってでも直接伝えずに遠回しに伝えるってのもあるだろうとは思うけど、それにしても何にも言わなすぎじゃない? こんなに何にも伝えずにいいから黙っていう事聞けみたいな感じで振り回されて後から実はこういう事だったんだよ。なんて言われてもなんだか納得いかなくてモヤモヤしたものが残るよね。どんな正しい事しててもこんな人が周りにいたら関わりたくないなぁと思いました。
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双葉文庫のミスフェアで「きっと騙される」っていう触れ込みで売ってあった本作品だが、「騙される」ってほどではなかった。どの話も最後にほっこりする(4作品目はちょっと悲しいけど)。きれいにまとまっていて、甲乙つけがたいが、個人的には『迷走』が一番好きだ。
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2017.9.12 読了 短編集だが基本的に悪人は出てこず、他人を思いやる話ばかりでオチがわかると"なるほど!"となる。作者の"人間の無意識な行動の裏にある心理がわかったとき「なるほど!」と思い、小説にしたくなる"との話に納得。
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日本推理作家協会賞短編部門受賞で、かつ「この20年で最高傑作」的な帯だったので、最初からハードル上がりまくりで読んだので、ん?と思うが、作品としては普通に面白かった。救急隊員の謎の行動が意外な展開になる「迷走」、娘の行動に悩む女性刑事の物語で、表題ともなった「傍聞き」、元受刑者と施設の職員との心温まる物語「迷い箱」、そして子どもを失くした消防士とその先輩職員の物語「899」。やや作り込みすぎの感もなくはないが、いずれもハートフルな内容で、後味すっきりの内容。ただ、事前のハードル上げすぎ。
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*患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編* お見事としか言いようがない。短編なのに、ここまで読ませるとは。ヒューマンドラマの真骨頂を見た気分。さらっと読み進めるよりも、1編1編じっくり味わいながら読むのがお勧め。余韻まで楽しみたい。
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先日、偶然、「傍聞き」のドラマを見て、原作も読んで見たくなりました。 「迷走」「傍聞き」「899」「迷い箱」の4編収録の短編集。 全て、良い意味で、読者の予想を裏切るストーリー。 短編小説で、これができる作家さんって、すごいと思います。
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う、うまい!隙がない!という感じの短編集。 ヒューマンドラマとミステリ、どちらにもがっちり食い込んでいる面白さ! 救急隊員、女性刑事、消防士、更生保護施設の施設長と、それぞれに特殊な仕事場を舞台に、主人公の苦闘と周囲の人々とのドラマが描かれる。 ひとりの人間としての悩みも、職...
う、うまい!隙がない!という感じの短編集。 ヒューマンドラマとミステリ、どちらにもがっちり食い込んでいる面白さ! 救急隊員、女性刑事、消防士、更生保護施設の施設長と、それぞれに特殊な仕事場を舞台に、主人公の苦闘と周囲の人々とのドラマが描かれる。 ひとりの人間としての悩みも、職業上の葛藤も、最後には不思議と澄明な結末につながっていく。 それはたぶん、どの物語の主人公も、もがきながらも人として恥じるところのない自分であろうとし、裏切の苦さを知っていても人を信じる事を選んでいるからだろう。 長岡弘樹の初読は『教場』だったので、人間のダークサイドをえぐる作風かと思っていた。ちょっと修正。 読了後、背すじがぐっと伸びるような気持ち良さ。 ほんわかした物語にも癒されるけれど、こういう物語にふれると、うまくいかない事だらけでも、自分ももうひと頑張り、もう少しだけやってみるか…と思ったりする。
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