傍聞き の商品レビュー
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4編の短編集。それぞれがひとひねりされた作品で、一つの話で十分長編が書けるのではないかと思いました。 もう少し読みたいなと思わせるくらいで終わらせる潔さもテクなのかなと思ったり・・・。 ミステリーな要素もちりばめられているので、謎を解くような気持ちで読み進めつつ、「迷走」ではまさか増原が倒れていてそれを探すために救急車を走らせ続けていたとは思わずびっくりしましたし、逆に「迷い箱」では途中からテレビで結子を見るために碓井が電気屋や居酒屋を歩き回っているんだろうな、と途中で気づき主人公の鈍さにイライラしました。
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帯がけっこう主張してきたので期待して読んだが、 薄い本にもかかわらず最後まで読み切るのに苦労した。 私には合わなかった。 短編が何話か入っているのだが、 どの話も設定が細かい、複雑。 長編並みの設定の複雑さなのに短編に押し込んでるから物語に入りきる前に強引に終わる感じ。 主人公たちも自分勝手だし、独りよがりな印象を受けたので感情移入など全くできなかった。
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長岡弘樹の初読み。 文句なしに面白かった。 短編ミステリは本来、あまり好きな方ではないが……、本作は、文字通りに傑作短編集と言えよう。 個人的には、最終編「迷い箱」こそ“まあまあ”に留まったけれど、他3編は、間違いない面白さ。 「迷走」で緩んだ涙腺が、表題作「傍聞き」で決壊……(苦笑)。 後味爽やかな「899」の、3本だけで締め括られていたなら、きっと満点をつけただろう。 ★4つ、9ポイント半。 2015.04.25.古。 ……巻末解説者の談「作中の記述のほぼ全てがトリックに関係しているのに、そういう人工性(わざとらしさ)を読者にまったく感じさせない。」に、心から納得。 そういう人工性をひしひしと感じてしまう人気作家を読んで間もないため、余計に感じ入ってしまった。 ※その作家の作品、決してけなしているわけではないです。“手放しでは好きになれない作風”にもかかわらず、なぜかけっこうな数、読んでます。
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「教場」の作者の作品を遡ってみた。4編すべて、ドラマ化も容易に思われる良い出来だと思うが、人間の微妙な心理の動きに焦点を当てており、地味という言い方にもなる。ジェットコースターミステリ好きにはちょっと物足りない。5.5
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社会問題でマニュアル外の事態にどう対処したのかというホワイダニットの短編集。多くの人が言うように、横山秀夫っぽいが、安易な模倣ではなく、オリジナルな着眼点がある。
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今年一年満足に本は読んでなかったのですが、 久しぶりに手にした一冊。 推理物は苦手でしたが、これは別❗️ 読書欲が出てきました。 ハラハラドキドキしながらも、作者の人の見る目の暖かさが伝わる作品です。
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この短篇集三作の特長は読み始めると、 全く状況がわからない、どんな場所でどんな人物なのか。 少しづつ謎解きの単語が現れ、やっと全体のあらましがわかってくる。 勿論この手法は他の多くの小説にもあることですが、 この小説はこの過程を巧みに利用している。 やがてキーになる文節、言葉が...
この短篇集三作の特長は読み始めると、 全く状況がわからない、どんな場所でどんな人物なのか。 少しづつ謎解きの単語が現れ、やっと全体のあらましがわかってくる。 勿論この手法は他の多くの小説にもあることですが、 この小説はこの過程を巧みに利用している。 やがてキーになる文節、言葉が現れ、それに向かって小説は収束していく。 見事な構成だと思います。 でも、私にはもう少し遊び、余韻がほしかったという気がしないでもありません。 これは全く個人的な思いなので、その点ご容赦ください。
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4つの話がそれぞれ骨子がしっかりしているなという点が印象的だった。それぞれの話で物語の表層で進行している出来事と、その裏で起きているもう一つの出来事が交わってきたときにミステリらしい詰まり物が抜ける爽快感のようなものを感じることができた。
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救急救命士、女刑事、消防士、元受刑者・・ それぞれの本当の想いをそっと差し出すような そんなラストに心がほっこり。 ミステリというより、人情ものと言えるかも。
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主人の本棚から拝借。4編の短編小説は、どれも緊迫感を感じられて、職業ミステリー風に展開されていきます。事件性を伴うようなこの手の作品って、人間の心の闇を暴くことが多いような気がするのですが、こちらはその逆。心根の一筋の光を照らしてくれる素敵な作品です。おち(からくり)には気持ちよ...
主人の本棚から拝借。4編の短編小説は、どれも緊迫感を感じられて、職業ミステリー風に展開されていきます。事件性を伴うようなこの手の作品って、人間の心の闇を暴くことが多いような気がするのですが、こちらはその逆。心根の一筋の光を照らしてくれる素敵な作品です。おち(からくり)には気持ちよくされ、心がプチ感動できること必至。とりわけ、表題作「傍聞き」が登場人物も身近に感じられ、発想の面白さにぐっとやられました。面白い!おすすめしたい一冊です。 傍聞き手法、私も実践してみようか?(笑)
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