傍聞き の商品レビュー

長岡弘樹【著】

2012/02/19

短編ミステリ小説はどうしても物足りない作品になりがちだが、この作品集にはそれを感じさせないくらい一つ一つが濃い。
ミステリに対する作者のポリシーを感じた。

2012/02/19

短編四編。短い中にどれだけ濃い内容が込められるかだが素晴らしい。「迷い箱」が一番良かった。他の長岡作品も読みたくなる。

2012/02/18

表題の傍聞き（かたえぎき）も含めて短編のミステリーが４編収められています。
長岡さんは警察か消防関係のお仕事をされていた方なのでしょうか。登場する人々は、消防士とか刑事さんとか受刑者の更生保護施設の運営をしている人とかいずれも、特殊な環境に身を置いている方々です。
その意味では、非日常的な緊迫した状況の出来事の中に、仕掛けを作り出しているといえます。仕掛けには私の理解力のせいなのか、すぐ呑み込めない部分や合点のいかない部分もあったのですが、どんな場面でもそこには、人間のちょっとしたこころの動きが出来事を左右するのだという印象深いシーンがあり、心理をついた小説といえるでしょう。

2012/02/16

短編集。ミステリーというイメージから得る派手さはないが、悪くない。やや強引な持って行き方と感じるものもあったが、その人の行動の理由は共感・納得できるものが多かった。

2012/02/16

短編ミステリ、4編入り。
一番良かったのはやはり、タイトルにもなってる「傍聞き」。
女性刑事の話です。
主人公の女性刑事の一人娘が、犯人ばかりを追いまわして家に帰ってこない母親に腹を立てて反抗して起こす行動が不可解だったり。
以前逮捕した男が、また別の容疑で留置所に入れられ、留置所から主人公を名指しで話があると呼び出しておきながら、いざ行ってみたらなかなか話そうとしなかったり。
この二人の不可解な行動の謎が解けた時、なるほど～と思いました。

2012/02/16

「おすすめ文庫王国」2012年国内ミステリー部門ダントツの１位！
…なんて帯。こういったランキングとは相性が悪い私ですが、文庫で厚さ１cmほど、文字も小さくはなく短編が４つなのでちょっとつまむには良さそうだと手にとりました。
短編はそれぞれ「救急救命士」「消防士」「刑事」「更正保護施設の施設長」の日常が淡々と語られる。大きな仕掛けや読後の感動・爽快感などはなかった。「ああ、そういう意味だったのね…。ふ～ん。」程度。
最後のほうで種明かしがあったらミステリーの分類に入るのかな？　何気ない日常の話はこれだけコンパクトにまとめているのはスゴイことらしい。テレビで映像化しやすそうではあるかも。

2012/02/15

「だまされたと思って読んでみて下さい」という書店ＰＯＰに目が留まり購入。
最初はその薄さに、最後はその厚みに、びっくり。だまされた。
脂分のない、しなやかな短編集。
ただ、よくもわるくも控えめで質素。
さらっとした読後感は嫌いではないけれど、個人的にはやや物足りなさが。

2012/02/15

すぐ読めました。ちょっと「出来すぎ」感はあるけど、どれも面白かった！中でも表題作が秀逸かと。また読んでみたい作者です。

2012/02/14

書店で平積みされ話題に乗っかって読んでみた。個人的にはイマイチ…特に読み終わった！という達成感はなく、気がついたら終わってた。この作家さんの書き方が苦手なのかも…読みながら感じた。

2012/02/13

これは優秀。
患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」など、警察小説としても家庭小説としても人情小説としても抜群の出来栄え（解説より）。
確かに、本格ミステリのようにハラハラする話もあれば、ほろりとくるものもあり、多彩。他の作品も読んでみたい。