草子ブックガイド(1) の商品レビュー
モーニングでチラ読みしてたが。改めて。「本」漫画が充実していて嬉しい流れ。金魚屋古書店しかり、草子ブックガイドしかり。 敬遠していた名作たちをざっくりと噛み砕き、なおかつ草子の感想をプラスすることで、新しい読み方の視点に気づく。 この世の中には埋もれるほど書籍があり、なおかつ...
モーニングでチラ読みしてたが。改めて。「本」漫画が充実していて嬉しい流れ。金魚屋古書店しかり、草子ブックガイドしかり。 敬遠していた名作たちをざっくりと噛み砕き、なおかつ草子の感想をプラスすることで、新しい読み方の視点に気づく。 この世の中には埋もれるほど書籍があり、なおかつ娯楽があふれているけど。草子のように本を食べて、小さな幸せをつんできたい。
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古本屋に出入りする少女の物語。古書店の主人と読み放題の替わりにブックガイドを書き続ける約束をする。 飲んだくれの父。彼女と夫を捨てて版画家として成功している母。 彼女のブックガイドも自身の境遇に踏み込んだ内容になっている。それなりに長いガイドを漫画として読ませるのは、漫画家の技量...
古本屋に出入りする少女の物語。古書店の主人と読み放題の替わりにブックガイドを書き続ける約束をする。 飲んだくれの父。彼女と夫を捨てて版画家として成功している母。 彼女のブックガイドも自身の境遇に踏み込んだ内容になっている。それなりに長いガイドを漫画として読ませるのは、漫画家の技量なんでしょうね。 漫画の描き方に詳しい訳ではないが、スクリーントーンを使ってないんではないか。独特の画風。 店主の作る西行の棚にぞくっとした。 とりあえず山家集を探そうかな。
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こんな深い読み方ができるなんて羨ましい… 絵も、細かく書き込んであるしすごく丁寧な話だなと感じました
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草子ちゃんが書いたブックガイドだけを集めた本を出して欲しい。 そして私はしおり猫が好きだ。頭に乗せたい、冬の間だけ。
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多くの方々のレビューで書かれているとおり、この作品は本好きにとっては、高評価に値するものかもしれない。蔵書をめぐる様々な事柄や問題、そして、主人公をはじめ、各登場人物の読書に対する思いも十分に感じ取れるので、物語としては良い出来であるといえる。 しかし、どこか急ぎすぎというか、...
多くの方々のレビューで書かれているとおり、この作品は本好きにとっては、高評価に値するものかもしれない。蔵書をめぐる様々な事柄や問題、そして、主人公をはじめ、各登場人物の読書に対する思いも十分に感じ取れるので、物語としては良い出来であるといえる。 しかし、どこか急ぎすぎというか、欲張ってしまったようにも思われる。ブックレビュー、司書教諭問題、ブックトーク、蔵書票、本棚づくり……様々な事柄・問題が書かれていながら、説明がなされただけで、無理矢理区切りを付けているように感じられた(個人的には本棚づくり(西行棚のところ)に感心した)。取り上げる問題・材料がよいので、じっくりと時間をかけてそれぞれの話が大きな物語へとつながっていけば、より良くなるのではないだろうか。たとえば、草子がブックレビューを書くが、こういう読み方もあるのかぁと思う一方で、読書に親しんでいない人が、手にとって読んでみようと思うかは疑問だった。「作者の思いが、ある読者を通じて他の読者へと伝わっていく」という考え方はよいのだが、最初からブックガイドの出来に「甘さ」や「隙」があまりないので、話が進んでも草子の成長が感じられないのだ。全体的に論点を整理・明確化し、十分に時間をかければもっと良い作品になると思うとつくづく残念である。 期待の高さから減点3(①論点の整理・明確化、②本好き以外が本を手に取るとは思えないこと、③大きな物語になっていかないところ)としたが、「帯」「ブックカバーの紙質」「本体表紙の色遣い」の相乗効果が素晴らしいので、加点1とした。本好きならば装丁についても評価すべきだろう。
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本にまつわる漫画。 古書店の本を無断で持って帰り、読んでは返すを繰り返している草子。返す時には必ずブックガイド(感想文)を挟んで返す。ある時、自分の本棚の本を父親に無断で売られてしまう。その中には古書店の本もあったのに…。 とても読み応えのある漫画でした。『ティファニーで朝食を』...
本にまつわる漫画。 古書店の本を無断で持って帰り、読んでは返すを繰り返している草子。返す時には必ずブックガイド(感想文)を挟んで返す。ある時、自分の本棚の本を父親に無断で売られてしまう。その中には古書店の本もあったのに…。 とても読み応えのある漫画でした。『ティファニーで朝食を』の回で映画も観たいし原作も読みたいという気持ちになりました。学校司書の苦悩も少し分かります。中学校だしね。でもやらないで悶々するよりは、やった方が成果は少なからずある、と思いたい。 「本の旅」という言葉がとても響きました。あと蔵書票、私も作りたいなあって思いました。素敵です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分のブログの記事、 http://hibiki.cocolog-nifty.com/blogger/2012/01/1-0971.html に書いた書評の再録です。 二昔前の子供を持つ親の常套句に「またこの子は本ばかり読んで閉じこもって!もっと外で遊びなさい!」というのがありましたが、この本に登場する草子ちゃんは、まさにその常套句が当てはまる中学生です。 物語の最初では閉塞した現実の世界での居場所を失い、専ら本の世界という空想に翼をはためかせていた草子ちゃんが、古書店青永遠屋(おとわや)との出会いを1つのきっかけとして、「ロビンソン漂流記」「ダイヤのギター」「山月記」「名人伝」「山家集」と古典を中心に読み解いて手作りのブックガイドを綴りながら、徐々に世界と繋がり、かつ人と人、あるいは人と本とを繋げていくという展開が魅力的です。 お勧めのエピソードは、本当はライブラリアンとしては「2冊目」(この漫画においては章番号が「2冊目 その1」等で示されます)の「ブックトーク」のエピソードと言うのが筋なのかも知れません。もちろんこのエピソードも、本や学校図書室という場を媒介にした、人同士の素朴な繋がりの誕生をテーマにしていて含蓄が深かったのですが、自分としては「3冊目」の「蔵書票」のエピソードを一押しします。 余談ながら、学術情報データベースやシステムを扱うベンダーに「Ex Libris」社というのがありますが、この作品から「Ex Libris」が「蔵書票」という意味であると今更知った自分……。穴を掘って入りたい気分でした。 このお話で、草子ちゃんが中島敦の「山月記」「名人伝」を媒介に、両親のエゴや弱さを若いなりに冷静に読み解き、諦観のもとに「自分を愛する親」ではなく自分と同じ1人の人間として理解しようとする姿は何とも健気です。 彼女の母親は、はからずも娘に冷徹な現実を突き付けてしまった後で、娘のそんな心を知り、今度は自身のエゴが娘や前夫にもたらしたものを突き付け返され、この本(山月記)を持つ資格は自分にはない、と嘆きます。そんな母親に対し、青永遠屋店主の青斗さんは「…もう一度…その本(山月記)を読んでみては?」と言葉を掛けるのです。まだ遅くはない、「本はあなたの人生のそばに……いつだっている」と。そして作者も、苦い幕切れでありながら、草子ちゃんと読者の心にひとかけらの希望を残してくれています。物語のキーである蔵書票がどのように使われているかは、読んでからのお楽しみ、です。 「4冊目」も、草子ちゃんの西行の歌の世界を媒介とした外の世界との繋がりが身近な人の内的変化をももたらすという多重構造のお話で、二重三重の面白さがあります。「1冊目」は全ての物語の始まりなので、どういうお話かはあえて記しません。 漫画なのに絵柄について語っていませんでした。銅版画を彷彿とさせる緻密な、それでいてメリハリのある描線が印象に残る絵です。もしかしたらこういう質感の絵柄に馴染めない人もいるかも知れませんが、私は好きです。 公式サイトを見ると月刊連載ではなく連作シリーズのようで、絵柄的にも多作は難しそうですが、続刊が待たれるところです。
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作者の本に対する深い愛情が伝わってきた。古書店の楽しみ方を教えてくれた。本編で紹介されていた本を読んでみたい。
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父子家庭に育ち、本の世界にしか自分の居場所を見つけられない草子。お金が無いので、古本屋から本を借りて(!?)は、ブウクレビューを書いて返していた。そのレビューを楽しみにしていた店主に、古本屋の手伝いをしブックガイドを書くことを条件に、無条件で本を借りていってよいことになる。 ...
父子家庭に育ち、本の世界にしか自分の居場所を見つけられない草子。お金が無いので、古本屋から本を借りて(!?)は、ブウクレビューを書いて返していた。そのレビューを楽しみにしていた店主に、古本屋の手伝いをしブックガイドを書くことを条件に、無条件で本を借りていってよいことになる。 学校でも本ばかり読んでいる草子。その本をきっかけに、少しづつ周囲とかかわりあっていけるようになる。 学校図書館のかかえる問題や、司書教諭の置かれている立場など、古本屋の店主(つまりは作者)は、よくご存じの様子。取り上げられている本も、いろいろなジャンルがあって、再読してみようかなと思わされるものもでてきました。
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本屋、図書館ものの中でもトップクラスの名作。一冊の本との出会い、本が動かす人の心が繊細に描かれている。人や本の描写もきめ細やか!
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