平成猿蟹合戦図 の商品レビュー
最後が良いと☆を増やす傾向にあるが、今回は逆に減らす事に。 吉田修一にしては読後感の余韻がない!! という不満大。 出だしでは夫に捨てられた若いシングルマザーの暗い話なのかと想像したが、全く違って明るく爽やかな内容。横道世之助系(あっちの方が私は断然評価高かったけど)。本作も各...
最後が良いと☆を増やす傾向にあるが、今回は逆に減らす事に。 吉田修一にしては読後感の余韻がない!! という不満大。 出だしでは夫に捨てられた若いシングルマザーの暗い話なのかと想像したが、全く違って明るく爽やかな内容。横道世之助系(あっちの方が私は断然評価高かったけど)。本作も各キャラクターは魅力的だしそれぞれのセリフ、また今回は方言が重要なテーマのようだったが、五島、大館、大阪の方言のつぶやきも良く文章はとても良かった。そして各キャラクターが次第に近づいて最後は一つのグループにまとまってしまうのはなんとも爽快だし、うまく作った話だなー、とも思った。 しかし・・・吉田修一に期待する深みがない。余韻がない(再)。これでは私の中ではただの娯楽本の部類になってしまった。
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いろんな事が怒涛に起きて、 全部、なんとなく解決したな。 完全に解決するわけじゃなくて、 なんとなく流して、でもうまくいったならそれでいいかな、と思う。 若干、すっきりしない感じは残るけど、 これはこれでよいかな。 秋田弁解読が難しい。
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とにかく長かった。 ドラマになるように書いてるのか?と思うほど、情景が細やか。カット割りのようにシーンが変わる。 登場人物も多い群像ドラマなんだけど、どのキャラクターをとっても外堀を埋めるようなやり方で手を抜かず書かれていて、そこが逆にやりすぎでちょっと息が詰まった。 丁寧なのは...
とにかく長かった。 ドラマになるように書いてるのか?と思うほど、情景が細やか。カット割りのようにシーンが変わる。 登場人物も多い群像ドラマなんだけど、どのキャラクターをとっても外堀を埋めるようなやり方で手を抜かず書かれていて、そこが逆にやりすぎでちょっと息が詰まった。 丁寧なのはわかるんだけど…、最後のスカっとする感じに水を差すぐらい長い。 ドラマ化されたら映像でもう一度見たいです。
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吉田修一初読破。 初めのどーなるんだろ♪っていう気持ちからはちょっと期待ハズレかな。 ラストの登場人物勢揃いのとこがモチッすかっとしたら良かったような。
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「悪人」以来、苦手意識が薄れて、読むようになりました。また方言出てくる(笑) テンポ感も良いし、中心人物の温度変化がなんだか面白い。わかりやすい終わり方なので、物足りない人もいるかも。スッキリ読み切りたい人にはオススメ。 2012/1/28読了
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作者の策に(まんまと)はめられた感はあるし、主人公のうちの数名が歌舞伎町で働いていることもあって、やくざがでてきたりと、物語を進める設定になんだかなぁと思う気持ちがないでもない。 ただ、主人公のひとりでもある、秋田県に住むおばあちゃんサワさんの狂言回しっぷりがこの小説のキモだと思...
作者の策に(まんまと)はめられた感はあるし、主人公のうちの数名が歌舞伎町で働いていることもあって、やくざがでてきたりと、物語を進める設定になんだかなぁと思う気持ちがないでもない。 ただ、主人公のひとりでもある、秋田県に住むおばあちゃんサワさんの狂言回しっぷりがこの小説のキモだと思う。まぁそこにも作者の策がはりめぐらされているのが見え隠れ(見え見え?)はしているけれど、素直にサワおばあちゃんは魅力的! タイトルの「平成猿蟹合戦図」の意味は、だいたいは途中でわかったし、まぁ現代の“御伽噺”なんだから、やくざが出てきても、ちょっとしたシンデレラストーリーがあっても、OKだな、と納得はしていたが。 ラストまで読んで、これはほんとに「平成のおとぎ話」だと納得! サワおばあちゃんも日本のおばあちゃんの原風景です! おとぎ話が好きな人、おばあちゃんが好きな人には、第三幕あたりからは人前で読むのはおすすめしません。登場人物がみんな駆け足のようにがんばるので、泣けてしまうから。 万人受けするとは思わないけれど、私は好きな1冊。
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- ネタバレ
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読後感がよく、すかっとしました。 最初がちょっと暗い感じだったので、悪人系かなあって思ってたんだけど 途中からひきつけられました。 やっぱり若い人たちが頑張る話っていいよね。
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わざとだろうけど、エンターテインメントの常道をちょっとずらして展開する(「関節はずし」と呼びたい)お話が妙に心にしみた。この作者の小説にはどこかぴったり来ないものを感じてきたが、これはよかった。 ほとんどの登場人物には「内面」というものがない。「自分探し」なんぞということとはお...
わざとだろうけど、エンターテインメントの常道をちょっとずらして展開する(「関節はずし」と呼びたい)お話が妙に心にしみた。この作者の小説にはどこかぴったり来ないものを感じてきたが、これはよかった。 ほとんどの登場人物には「内面」というものがない。「自分探し」なんぞということとはおよそ無縁である。そこがいい。自分について考える、ということがあるにしても、そこに葛藤がない。何だかすがすがしい気さえする。 挿入される独白が面白い。やれ小説の一人称だの神の視点だの言うけど、こういうスタイルがあったのか!と目ウロコだった。もちろん他にもこういう形のはあるだろう。それが本作ではすごく効果的に思えたということ。 この語りは誰かを思いださせるなあとずっと考えていて、あ!と思いついたのが金井美恵子さん。まったく作風は違うけど(本当に全然違う)共通点があるように思えて仕方がない。もう少し考えてみよう。
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前半なかなか読み進まなかったけど後半から爽快な展開で楽しめました。最近スタイリッシュな小説より犯罪や泥臭い小説が多い気がしますが、この本もかなり泥臭い感じでした。でも青春小説とも言える内容で読後は元気が出ました。
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少しくらい間違ってても、自分が正しい!と言い切れ、最終的にその通りにしてしまう人ってすごい。 なんだか人生うまくいかない人達が葛藤しながらもそれぞれの幸せを探している。 前半少しだらだらしているように感じたのは登場人物のせい?
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