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絶望の国の幸福な若者たち の商品レビュー

3.7

304件のお客様レビュー

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    37

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2015/10/21
  • ネタバレ

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 若手社会学者、古市 憲寿氏の著書を読むのは、これで3冊目。 『絶望の国の幸福な若者たち』は古市氏の代表作といわれている。  内容は「若者」の歴史から始まる。 特に戦後から今までの「若者」の意識や変化。 ワールドカップの観戦をしたり、デモストレーションに集まる若者たち。 実際に、取材した若者の意見がうかがえる。  淡々と若者を社会学的に記述がされている。 「若者」以外にも焦点が当てられていたように感じられるテーマがあった。 それは「ナショナリズム」 日本人が日本というくくりで生きるとは。  最終章には俳優・佐藤健氏との対談。 「生まれ変わるなら、幕末より今の方がいいと」言う佐藤氏。 対談は生い立ちから始まり、ワールドカップ、戦争の話など。

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2015/09/04

Happiness studiesをかじってるけど、日本の若者の幸福度が高いのはびっくりした。 じゃあ、幸福度と他人に関心がなさそうな行動(心の貧しさのようなもの)は全く別なのか? 印象に残ったことは、西野カナの曲がヒットした理由と、仲間がいると目標が冷却される話。

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2015/07/29

テレビで見る古市さんの本が読みたかった。どれから読んでいいか分からかったけど、とりあえずこれから読んでみました。 実は、このタイトルだけはよく目にしていましたが、著者と古市さんが一致していなかったです。 読んだ第一印象は、テレビのイメージと違ってかなり分かりやすく書いてあり、き...

テレビで見る古市さんの本が読みたかった。どれから読んでいいか分からかったけど、とりあえずこれから読んでみました。 実は、このタイトルだけはよく目にしていましたが、著者と古市さんが一致していなかったです。 読んだ第一印象は、テレビのイメージと違ってかなり分かりやすく書いてあり、きちんと研究もされている人だとうけました。 テレビのイメージだと研究者というイメージではないんですけどね。 自分のイメージは、若いコメンテーターというイメージでした。 しかし、かなりの本を読み、フィールドワークもしていたり、プロフィールを読むと珍しい経験をしているのが分かり、苦労や経験が顔や態度に出ないタイプの人なんだと印象が変わりました。 読後感もいろいろ考えさせられるいい本でした。 もちろん、社会学の用語も出ているので、分からなかった用語を調べるだけで、勉強にもなります。 きちんとやっていたりするのに、年上にはちゃんとやれみたいな印象を持たれていたり、年下には、うまいことやってるな、みたいな印象を持たれていそうな古市さんがみてとれました。 厚さのわりには、スルスル読めました。

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2015/08/29

2010年、格差社会や世代間格差と言われながら、日本の若者の7割が今の生活に満足している。他の世代より、どんな過去よりも高い。豊かな社会インフラの中、一泊二日で友だちと千葉にバーベキューに行く幸せ。 幸せで、大きな不満も問題もなければ、とりあえず現状維持。引用の名前に、居住地と...

2010年、格差社会や世代間格差と言われながら、日本の若者の7割が今の生活に満足している。他の世代より、どんな過去よりも高い。豊かな社会インフラの中、一泊二日で友だちと千葉にバーベキューに行く幸せ。 幸せで、大きな不満も問題もなければ、とりあえず現状維持。引用の名前に、居住地と年齢が書かれているのが新鮮でした。

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2015/06/29
  • ネタバレ

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 なんとなく使ってる言葉でも、よく考えたら不思議。  「若者」って何なん?という章があった。何歳から何歳までかも決まってないし、学生も社会人もいるし、都市と田舎じゃ感覚も違いすぎるし、ひとくくりにできるのか?と。なるほどな。  「日本」もそう。「このままでは日本がやばいと思って」というフレーズが出てくるけれど、その人が「やばい」と思ってることは、限られたコミュニティだけで出回る情報であったり。  自分の知りたいことしか知らなくても過ごせる今、同じような人たちで群れていれば、誰かを羨むこともない物ねだりもしなくていい。そういうしあわせもあるよね。社会学っておもしろいかもしれない。  

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2015/06/27
  • ネタバレ

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あとがきにて、「研究」の楽しさを説いている。 「しかも『研究』は楽しい。どこにでもあるデータで『常識』を疑うこともできるし、数冊の本を読むだけで、今まで信じていた世界ががらっと変わってしまうこともある。」(p298)

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2015/06/27

「若者」という概念に社会学という視点で「若者」が立ち向かう。 もはや「若者論」は、垣根が消え、国勢を代弁するほどの奥深さを持つ。 「貧困」と「承認」は、「絶望」と「幸福」へと繋がるのか?!

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2015/05/29

【年寄りの思い込み】 意外という言い方はよくないですが、おもしろかったです。 今の若い人は幸せ度が高いというのも意外な結果でした。 景気が上向いて将来に明るい未来が見ている時代の方が幸福感は少なく、将来が下り坂に見えている時代の方が、現状に幸せを感じるというのは「なるほど!」で...

【年寄りの思い込み】 意外という言い方はよくないですが、おもしろかったです。 今の若い人は幸せ度が高いというのも意外な結果でした。 景気が上向いて将来に明るい未来が見ている時代の方が幸福感は少なく、将来が下り坂に見えている時代の方が、現状に幸せを感じるというのは「なるほど!」です。 日本人のいいところは年長者を敬います。 個々人を見れば年長者でもとんでもない人もいれば、若者でもできた人はいます。 しかし、「いまの若者は・・・」と、ひとくくりにし簡単な一言で表現できれば、いかにもそれらしく聞こえます。 評論家によくあるパターンで数値的なもので示すわけではなく、イメージで表現するパターンです。 よく調べてみると違った結果になることがあります。 今やビックデータの時代、うまくソートすれば統計的な指標は簡単にできてしまいそうです。(←こわ!)

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2015/07/09
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現代日本でも「若者」の定義は揺れている。「若者」という言葉が広がったのもそんな昔ではない。だいたい1960年代後半から、70年代のことだという。

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2015/04/26

今の世の中はこんなもので、それで充分じゃないかとの主張に思える。 しかし、漠然とした不安を持つ若者としては賛成できない。 確かに若者は幸せかもしれないし、保守的なおじいちゃんの言うこともわけがわからないかもしれない。いや、しれない、ではなく断定できる。 他方で著者自身や著者の引...

今の世の中はこんなもので、それで充分じゃないかとの主張に思える。 しかし、漠然とした不安を持つ若者としては賛成できない。 確かに若者は幸せかもしれないし、保守的なおじいちゃんの言うこともわけがわからないかもしれない。いや、しれない、ではなく断定できる。 他方で著者自身や著者の引用する方の指摘する通り、将来への不安は間違いなくある。今の若者は不幸だ、という議論が短絡的であることは著作からも納得できるがこれからも幸せであり続けるかというとそんなことはないと思う。現在の幸せが戦後日本の遺産の食い潰しによって成り立っているのだから。 そうすると、やはり今の世の中で充分という気概で生きていたら不十分ではないか。今を生きる若者は今現在は十分と感じるだろうし、だから社会運動にもつながりはしないだろう。だからこそ将来を見通せる知識人学者が先導していくべきではないだろうか。その方法は私には考え出せないが、少なくとも若者を煽るという方法は取られない。他人任せではあるが、しかしその方法を創り出していくことこそが学問学者の存在意義だと思う。

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