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絶望の国の幸福な若者たち の商品レビュー

3.7

304件のお客様レビュー

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2017/03/13

・20代の社会学者による若者論。文体は全く硬くないので、裏付けのあるエッセイって感じ。 ・石原慎太郎、尾木ママ、香山リカなどの「老害」をボロクソに言ってるのはウケる。ただ、そこにはデータが無く印象論で返してるのは彼らと同じやり方じゃないか? ・若者批判が始まったのは明治末期である...

・20代の社会学者による若者論。文体は全く硬くないので、裏付けのあるエッセイって感じ。 ・石原慎太郎、尾木ママ、香山リカなどの「老害」をボロクソに言ってるのはウケる。ただ、そこにはデータが無く印象論で返してるのは彼らと同じやり方じゃないか? ・若者批判が始まったのは明治末期である。一方、戦時中は若者期待論が多かった。士気向上してもらわないとこまるから。 ・若者批判を出来なかった時期がある。それは戦後直後。よく使われる「俺が若かった頃は...」の、その頃が敗戦よって全否定されたから。 ・二十代の人口、2001年から20%減。2030年には今からさらに2割減る。結果、祖父母世代と孫世代では1億円損をする。 ・ワールドカップの応援 = 戦争の応援はさすが暴論だと思う。 ・「若者の〇〇離れ」広告代理店が作った若者が買うというフィクションに今、自分が踊らされているだけ。

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2017/01/19
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※このレビューにはネタバレを含みます

2011年刊。一般流布の若者論の誤謬、1973年以降、若者世代の差は時代毎で存在しないと指摘。ただ90年代には若干の差異、将来に夢を持てず否応なく現在の幸福を感じる等の切り口で10年代の「若者」を素描。ただ、どことなく既視感漂う叙述。「居場所・相互承認のための社会運動」「レジャー的社会運動」という観点も、大学紛争時に既出、バブル期を除き、石油ショック以降は将来に夢を託せられない時代が継続、凡百の若者論が総体的な少子化・人口減で説明可能、というのならば既存の論と差を感じにくく、本書列挙の文献こそ読むべきか。 曽野綾子や石原慎太郎など老人保守派への批判も著者指摘のとおりと思うが、今更の感もある。唯一資源動員論は興味深かったが、これも別著者からのインスパイアされたもののようだ。読むのが無駄な書ではないとは思うものの、本著者には申し訳ないが、ここまで周囲が絶賛する理由はわからなかった。

Posted byブクログ

2016/12/20

研究書と読み物の半々くらいの感じで、あとがきにもそう書いてあった。 最後の章だけ読めばいいっていう感もあった。この著者、嫌われてるわりにはまろやかな視線で書いてあるなと思った。結局、若者の部類に入る私は、何をすればいいのかい?と思ったけど、著者のスタンスのように、まわりの人が幸せ...

研究書と読み物の半々くらいの感じで、あとがきにもそう書いてあった。 最後の章だけ読めばいいっていう感もあった。この著者、嫌われてるわりにはまろやかな視線で書いてあるなと思った。結局、若者の部類に入る私は、何をすればいいのかい?と思ったけど、著者のスタンスのように、まわりの人が幸せでいられるように考えるくらいのことはしていくのでいいのかな。

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2016/10/06

タイトルに惹かれて。ボランティアもワールドカップも、どこかお祭りみたいにとらえてしまう不思議な感じ、先のことは不安、でも現状には満足しているという現代の若者たち。いろいろ考えさせられた。この先どんな価値観が生まれてくるのか、見守っていきたい。

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2016/07/11

いま幸せというのは、これ以上幸せになれないと諦めているから。 日本を変える若者たちの活動は、居場所探しである。 若者とは、ある世代を区切る言葉ではないのかも。 身の回りが幸せであればそれで満足という考え方。 佐藤健のインタビューが載ってて、意外とちゃんと考えてる人なんだな...

いま幸せというのは、これ以上幸せになれないと諦めているから。 日本を変える若者たちの活動は、居場所探しである。 若者とは、ある世代を区切る言葉ではないのかも。 身の回りが幸せであればそれで満足という考え方。 佐藤健のインタビューが載ってて、意外とちゃんと考えてる人なんだなと思った。

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2016/12/15

若者である筆者はものすごく正直なんだと思う。若者目線で見れば確かに日本はたいした苦労をせずとも幸せに暮らしていける。 ただ、親となった自分から見ると子供が暮らさなければならない将来はもても不安である。 先の見えない将来であっても今の若者たちが切り開いていくとの結論でも良いのかもし...

若者である筆者はものすごく正直なんだと思う。若者目線で見れば確かに日本はたいした苦労をせずとも幸せに暮らしていける。 ただ、親となった自分から見ると子供が暮らさなければならない将来はもても不安である。 先の見えない将来であっても今の若者たちが切り開いていくとの結論でも良いのかもしれないが、不安に早く気付き準備をしてもらいたい。

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2016/03/15

112絶望の国の幸福な若者達 戦後の日本風俗史について触れられる ・1930年代後半:大学の大衆化と教養ブーム ・若者は、異質な他者(個人批判ではなく世代批判)か、都合のいい協力者か ・社会志向で、社会貢献をしたいと考えているが、実際にはしていない ・不満はないけど不安がある @...

112絶望の国の幸福な若者達 戦後の日本風俗史について触れられる ・1930年代後半:大学の大衆化と教養ブーム ・若者は、異質な他者(個人批判ではなく世代批判)か、都合のいい協力者か ・社会志向で、社会貢献をしたいと考えているが、実際にはしていない ・不満はないけど不安がある @cpa_1992 ・明治政府が日本と日本人を作った:士農工商→ナショナリズム ・1970年代以前、コンプライアンスもない時代の労働環境劣悪、多くのモーレツ社員や過労死の犠牲の上に日本型経営は成立 ・貧困は未来の問題、承認は現在の問題 ・最後に佐藤健さんとの対談。すごく良い

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2016/02/24
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社会学の知識は全然無かったのですが、そんな読者にもわかりやすく、楽しんで読むことができました。 外からの干渉があって初めて日本を感じることができるというのは、本当にその通りだと思いました。 また、子どもにお金をかけることは未来への投資であるにも関わらず、日本の子どもの福祉は驚くほど進んでいないことには、改めて未来に絶望を感じます。

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2016/02/11

幸福と感じている20代が多いという結果と現在、未来の日本の対比。日本人という言葉の定義の話なども。若者が村むらして内向きになっていく社会についてかかれてあるが、これって当たり前というか当然じゃないて思ったが、過去と比較すると面白い現状だったりするわけね。視点が上手なのと、あらゆる...

幸福と感じている20代が多いという結果と現在、未来の日本の対比。日本人という言葉の定義の話なども。若者が村むらして内向きになっていく社会についてかかれてあるが、これって当たり前というか当然じゃないて思ったが、過去と比較すると面白い現状だったりするわけね。視点が上手なのと、あらゆる文献の引用が世界を広げた

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2016/01/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

 なぜ出会ったことがない人々で構成された集団の試合を必死に応援できるのか。なぜ神奈川県の大学生が、四国で起きた事件に心を痛めるのか。なぜ政治家でも官僚でもないおじさんが、「日本の経済」を憂うのか。それは、彼らには、というか僕らには、ある魔法が掛かっているからである。  一度も出会ったことがない人を「日本人」だと思い、一度も訪れたことのない場所を「日本」だと思ってしまう魔法。「日本」という国家が明治以来140年もの間、掛け続けてきた魔法。その魔法は「ナショナリズム」と呼ばれている。(pp.124-5)  若者が厳しい社会状況に置かれているのは、色々な人が難しそうな顔をしながら語っている通りだ。しかし日本でいくら若者の貧困問題を語ろうとも、どこかリアリティがない。  それは「わかりやすい貧困者」がなかなかいないからだろう。街を歩いても、若者たちは小綺麗な格好をして幸せそうに歩いている。決して安くはないスマートフォンを、芸能人から大学生から道路工事のお兄ちゃんまで持ち歩いている。(p.243)

Posted byブクログ