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絶望の国の幸福な若者たち
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/09/07 |
JAN | 9784062170659 |
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絶望の国の幸福な若者たち
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商品レビュー
3.7
304件のお客様レビュー
10年以上前の本ですが、現代とのギャップはなく、 すっと読めました。 過去の日本での若者の定義から始まり、 過去と現代の若者の違い、その変化の経緯を垣間見れて面白かったです。 なんやかんや、日本は平和で幸せなんですね。 楽観視しすぎてはいけませんが。 自分も今の若者に茶々を...
10年以上前の本ですが、現代とのギャップはなく、 すっと読めました。 過去の日本での若者の定義から始まり、 過去と現代の若者の違い、その変化の経緯を垣間見れて面白かったです。 なんやかんや、日本は平和で幸せなんですね。 楽観視しすぎてはいけませんが。 自分も今の若者に茶々を入れるくらいしか世論を話せない大人にはならないよう相手の理解に努めようと感じました。
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2011年の作品。東日本大震災後、民主党時代の作品。意外にも、若者は過去よりも最も幸せを感じているらしい。その一つの説明は、将来より良い未来を描けないために、現在に満足し、社会を変えようとも思わない、というものだ。感情論ではなく、データで現代の若者の実像を切り取ろうとする試みは興...
2011年の作品。東日本大震災後、民主党時代の作品。意外にも、若者は過去よりも最も幸せを感じているらしい。その一つの説明は、将来より良い未来を描けないために、現在に満足し、社会を変えようとも思わない、というものだ。感情論ではなく、データで現代の若者の実像を切り取ろうとする試みは興味深かった。本書の随所に、高齢の既得権益者の穿った若者観に憤りを感じている記述が散見され、かなり大胆に批判しているが、同時に安易な世代間格差の問題を高齢者になすりつけずに、正確に冷静に事実を観察しようとする姿勢は好感が持てた。同世代だが、20代でこれだけの著作が書けることに感嘆、尊敬する。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
テレビではニヒルな態度で存在感を放つ古市氏。 インテリ系タレントの印象が強いですね。でも本作を読むと、どうしてどうして、実にドライブ感あふれる『若者論』を展開してゆきます。 ・・・ あらすじを述べれば、先ずそもそも若者とは何かと問い、これまでの若者論のあり方を過去にさかのぼります。端折って述べれば、そもそも日本には全体的で均質な世代としての「若者」などなかった(当然ながら農村に育つ「若者」と都市の「若者」には金銭的にも教育的にも大きな隔たりがあった)。それを、戦前・戦中の時の為政者が金太郎飴的な「若者」像を作成し、国民動員のために利用したという線が濃厚。 また戦後にも「若者」論は多く書かれたものの、今度は上位世代による『時代に追いつけません』という敗北宣言とでも言おうか、どちらかというと正しくない分析(思い込み)に基づく逆ギレ若者論であることを、過去の主張とデータとを照らし合わせて示しています。この点で、日本の若者論はこの数十年全く進歩していないと喝破。 ・・・ さらに今、若者はおろか老人ですら、均質化されたイメージは持ちづらい。同時に社会では個別の生き方を認める中で、良くも悪くも紋切り型の「若者」「老人」という括りすら正しくない、とします。言ってしまえば一億総中流はもはや幻想で、同世代の格差も大きく、趣味や趣向、そしてライフスタイルについても「普通」という表現はしづらい。ここに若者論の死を見ることが出来ます。 そのなかで、20代・30代の、非正規雇用をあえて選び、親の自宅から離れず、同質の友人とSNSらを介してツルみ、やや遠めの将来をイメージせずに暮らす若者たち。彼らは特定の「島宇宙」の中に安住している限り「ほどほどに幸せ」ということになります。ただしニュースでも社会情勢の不安(日本の債務残高、年金不安)等が報道され、自分の将来には何となく不安は感じる。そしていざとなれば他人を助けるのを厭わない素直さ。結局これが『絶望の国の幸福な若者たち』の彼なりの結論、ということになるでしょうか。 ・・・ ということで古市氏の作品でした。 基本的には社会学の本でして、データに基づいて、ある論拠が正しかどうかを都度都度見極める姿勢が通底しています。また、彼一流のシニカルな物言いが随所に見られ、これがまた面白い(何の議論だっけ?と筋を失いがちにもなりますが)。裏の帯に上野千鶴子さんや小熊英二さんがコメントしていることからも、学者としても嘱望されていることが良く分かります。なお、小熊氏によれば『今後修行を怠らなければ有望株』とあります笑 若者論を超えて戦後日本論ともいえる本作、宮台真司氏の著作などがちょっと難しかったと感じる方、日本の若者論に興味がある方、日本ってなんだか息苦しいと感じる方には面白く読んでもらえると思います。なお巻末には佐藤健との対談も掲載されています。なんでも佐藤氏と古市氏は同じ高校出身だそうです。
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