緑の毒 の商品レビュー
この物語に描かれるの は、 嫉妬という暗雲が人の 心をどんより曇らせ、 その仄暗い炎が理性を 焼き尽くし、 いずれ身の破滅へ導く 地獄絵図です。 内からジワリジワリと 蝕んでく様子はまさに 毒の如し。 主人公は表面上は成功 してる開業医。 ブランドファッション に身を...
この物語に描かれるの は、 嫉妬という暗雲が人の 心をどんより曇らせ、 その仄暗い炎が理性を 焼き尽くし、 いずれ身の破滅へ導く 地獄絵図です。 内からジワリジワリと 蝕んでく様子はまさに 毒の如し。 主人公は表面上は成功 してる開業医。 ブランドファッション に身を包み、 セレブリティな生活を 送ってますが、 その内面は妻の不貞に 対する嫉妬に苛まれて ます。 妻に裏切られた主人公 に対して一抹の同情を 感じますが、 裏切られた傷心の埋め 合わせとして、 彼が引き起こす過ちの 重大さと、 その結果に恐怖を感じ ざるを得ません。 なぜならその底知れぬ 闇は私たちのすぐ側に、 あるいは心の内に既に 存在するからです。
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桐生夏生の『緑の毒』 妻への嫉妬心から何故かレイプ魔へと変貌する開業医の旦那。 心の歪みと精神の崩壊と言うのか…。 向ける方向が病んでますw 女性には読み辛い内容かと…。 2014年読破
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レイプ犯を主人公に取り巻く周りの人間模様が描写されているが、一人一人のイメージが出来てくる。 共通は被害者。 被害は同じでも、環境は違う。 肚の中は一括りにはできないけど、 最後は共通に行き着いた気がした。
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いつものように、人間の嫌な面を描き出すのが流石だなぁ、と思った。 自分が可愛いだけの人、欲望のままにしか行動しない人などが出て、きれい事だけの世の中ではないと示す。嫉妬の闇を見せてくれた。 ラストが桐野作品にしてはソフトな感じだった。
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読みやすかったけど、加害者、被害者、周囲の人物、ディテールまで細かく書かれている分、どれも尻切れトンボのような中途半端な終わり方だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初はレイプ犯の川辺を被害者が追い詰めていくのかと思ったけど、登場人物がそれぞれの立場から話が展開して面白かったです。 最後はもっと川辺を追い詰めて欲しかったな、と。
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妻にコンプレックスを感じながら浮気に気付き、昏睡レイプを繰り返す開業医の川辺。様々な人物の視点から各章語られ、ちょっとうまくいきすぎだけど真実に迫っていく。読みやすくて一気読み。
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妻あり、39歳、開業医の川辺、水曜の夜ごと暗い衝動に突き動かされる連続レイプ犯。総合病院に勤務する妻は救命救急医と浮気中。 なんと形容していいか・・・面白かった。 (図書館)
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開業医の川辺康之、妻の不倫に嫉妬し、レイプを重ねることになる。 内容的には、被害者が簡単にSNSでつながり、犯人を特定に至る経緯に、ご都合主義の感じ。 医者にヒエラルキー 研究者、市中病院の部長クラスの医者、最後が開業医。 開業医には、お金と自由時間がある。
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