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デフ・ヴォイス の商品レビュー

4.1

71件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    13

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2015/07/05

ろう者の思い、ろう者のなかで育つ聴者の思い、 中途失聴者の思い、聴者の思い、 手話の種類。初めて知ることが多かった。 ミステリーの中にさまざまなことが盛り込まれていて とても読みやすく、 そして心を揺さぶられる作品だった。 人は、大切な人にあなたが大切だと、 伝えながら生きて...

ろう者の思い、ろう者のなかで育つ聴者の思い、 中途失聴者の思い、聴者の思い、 手話の種類。初めて知ることが多かった。 ミステリーの中にさまざまなことが盛り込まれていて とても読みやすく、 そして心を揺さぶられる作品だった。 人は、大切な人にあなたが大切だと、 伝えながら生きている。 それはきっと全身で。

Posted byブクログ

2015/07/02

なかなか重く、考えさせられる作品でした。知らない世界を垣間見た、ただ作品を通して垣間見た…それだけなのに、どっぷりとミステリーとろう者が抱える現実にはまった気分です。元警察官(事務方)、元結婚不適合者(多分)、それもまたこの作品にあっては重要なエッセンスでした。コーダの苦悩は分か...

なかなか重く、考えさせられる作品でした。知らない世界を垣間見た、ただ作品を通して垣間見た…それだけなのに、どっぷりとミステリーとろう者が抱える現実にはまった気分です。元警察官(事務方)、元結婚不適合者(多分)、それもまたこの作品にあっては重要なエッセンスでした。コーダの苦悩は分かるわけもないけど、ずしんと心に重いです。手話にも種類があることも初めて知りました。昔「君の手がささやいている」という漫画&ドラマにはまったけど、手話ってきっと理解できればとても賑やかで、美しい言葉なんだろうな…と思います。

Posted byブクログ

2015/05/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とても良かったです。面白かった、というと不謹慎な気持ちになるのですが、読み易く、先への興味もそそられ、一気に読んでしまいました。“デフ”という言葉も“コーダ”という言葉も、手話に種類があることも初めて知りました。私が初めて読んだ“ろう者”の話は『白球を叩け』で、その時、耳が聴こえなくなるということを具体的に想像してみました。もう随分昔のことですが、その時と今とでは取り巻く環境も違っているのでしょうね。主人公の荒井がつきつけられる、お前はどちら側なのだ、という視線と、疎外感に胸が痛くなりました。 弱者が理不尽な暴力、扱いを受けることがない社会であってほしいと思います。その為には、まずは私たちが理解を深め、意識を変えないといけないのかもしれません。

Posted byブクログ

2015/05/05

成り行きで手話通訳士になった40代男性が主人公のミステリー。 ミステリーの展開は意表をつくものではなかったものの、ろう者を取り巻く環境について知るきっかけになる作品だと思う。主人公自身のアイデンティティーを確立するまでの苦悩や葛藤も伝わってきて心揺さぶられた。 ラストもとても良か...

成り行きで手話通訳士になった40代男性が主人公のミステリー。 ミステリーの展開は意表をつくものではなかったものの、ろう者を取り巻く環境について知るきっかけになる作品だと思う。主人公自身のアイデンティティーを確立するまでの苦悩や葛藤も伝わってきて心揺さぶられた。 ラストもとても良かった。じんわり余韻が残る良作でした。

Posted byブクログ

2015/04/11

この本を読むまで考えもしなかったことが多くありました。手話には日本手話と日本語対応手話があること。ろう者にとっての母国語は日本手話で、日本語や日本語と同じ文法を持つ日本語対応手話は、第二言語に過ぎないこと。ろう者を両親に持つ、聞こえる子どもはコーダと呼ばれ、日本語より先に日本手話...

この本を読むまで考えもしなかったことが多くありました。手話には日本手話と日本語対応手話があること。ろう者にとっての母国語は日本手話で、日本語や日本語と同じ文法を持つ日本語対応手話は、第二言語に過ぎないこと。ろう者を両親に持つ、聞こえる子どもはコーダと呼ばれ、日本語より先に日本手話を自然に習得すること。読んで良かったです。

Posted byブクログ

2015/03/05

(15-26) 私は言語に関心があるので、日本の手話には日本手話と日本語対応手話があるとか、英語圏など他の言語の国ではやっぱり手話は違うとか、コーダのこと、題名にもなっているデフ・ヴォイスなど、一通りのことは知っている。多分回りにデフの人がいない環境で、そういう知識がある人はあま...

(15-26) 私は言語に関心があるので、日本の手話には日本手話と日本語対応手話があるとか、英語圏など他の言語の国ではやっぱり手話は違うとか、コーダのこと、題名にもなっているデフ・ヴォイスなど、一通りのことは知っている。多分回りにデフの人がいない環境で、そういう知識がある人はあまりいないのではないだろうか。デフの世界がしっかり分かるように書かれていて、なおかつとても面白く感動する小説である本書は大変貴重だと思う。ぜひ多くの人に読んでもらいたい!

Posted byブクログ

2015/03/04

犯罪捜査より、聾者の現実に焦点を当てた問題作だと思う。手話にも色々あることを知ったし、被疑者になった場合ただでさえ尋問とか大変なのに、声が聞こえないとなると恐ろしいことだ。警察の裏金作りにもさらっと触れていて、こちらも一筋縄ではいかない問題ではあるが。

Posted byブクログ

2024/05/13

 手話の動きを文章で表し、その意味を〈〉で説明、ろう者の話し言葉は「」にひらがな書き、という斬新(?)な表現のミステリ小説です。あとがきで作者が「私は身内にろう者がいるわけでも、手話を学んだことがあるわけでもない」と書いているのに驚きました。手話を勉強し始めたばかりの人には、特に...

 手話の動きを文章で表し、その意味を〈〉で説明、ろう者の話し言葉は「」にひらがな書き、という斬新(?)な表現のミステリ小説です。あとがきで作者が「私は身内にろう者がいるわけでも、手話を学んだことがあるわけでもない」と書いているのに驚きました。手話を勉強し始めたばかりの人には、特に興味の持てる内容だと思います。

Posted byブクログ

2012/11/03

17年前、男性が一人殺害される事件が起きた。今回殺害されたのはその息子だという。疑われているのは17年前に過失致死の容疑で逮捕された「ろう者」の男性。一方、警察の事務係を辞め、手話通訳士として働いている主人公はある男性のアパートに仕事のため赴くと、同じ階に警察に追われている「ろう...

17年前、男性が一人殺害される事件が起きた。今回殺害されたのはその息子だという。疑われているのは17年前に過失致死の容疑で逮捕された「ろう者」の男性。一方、警察の事務係を辞め、手話通訳士として働いている主人公はある男性のアパートに仕事のため赴くと、同じ階に警察に追われている「ろう者」の男性が住んでいた――。 主人公の生い立ちに胸を痛めました。ラストシーンに涙すること必至です。

Posted byブクログ

2012/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

聴覚障害者という言葉より ろう者という言葉を使う方が 彼らにとって良いということを初めてしった 聞こえる親から生まれた子供をコーダということも 何かあれば泣き叫んで親に伝えることが普通だけど そうじゃない、声をだしたって伝わらない世界 子ども心に悲しい思いをたくさんしてきて、 やりきれない気持ちを抱えたまま 就職のために手話通訳士になり、事件を解決していく 聞こえない親から生まれた聞こえる子供 だけど、ろう者と同じ言葉を使えるコーダたちの位置 敵?味方?と子供が聞く部分があって 切ない気持とともに、自分たちの違いを主張することは 同時に誰かを排除することにもなりかねない 仲間意識も権利も大事だけど・・・ 同じ環境に育っても、コーダは別扱いされてる感じに なんだかモヤモヤが残った 事件としては、なんとなーく読める展開ではあったけど 同じ傷を抱えてない私にはまだ深く読み込めなかった

Posted byブクログ