ハッピー・リタイアメント の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最後のあたり、「どうしてこんなに早くばれちゃったんだろう」の意味。 最後の最後、泣きながら言いかけた言葉の意味。 ちょっとわからず、なぞのまま放り出された。 できれば、彼らの夢が叶うとよかったな、と思った。
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「ハッピー・リタイアメント」 ハッピーなリタイアメントしたくありませんか? しがない財務官僚・樋口と愚直だけが取り柄の自衛官・大友が突如転属を命じられた全国中小企業振興会、通称JAMSは、天下り組織だった。豪華な部屋(誰もこないから昼寝と読書に使い放題)を与えられ、特にするべ...
「ハッピー・リタイアメント」 ハッピーなリタイアメントしたくありませんか? しがない財務官僚・樋口と愚直だけが取り柄の自衛官・大友が突如転属を命じられた全国中小企業振興会、通称JAMSは、天下り組織だった。豪華な部屋(誰もこないから昼寝と読書に使い放題)を与えられ、特にするべき仕事をしなくてもお金を貰える天国の様な組織(ただし、マッカーサから寵愛を受けたお局がいる)に転属させられたことに戸惑う二人。 「ここは天下りだから仕事はしなくていい(だから納得してくれ)」と必死に教育する教育係の立花は、ある日突然、二人にこう告げる。一緒に仕事をしないか?と。果たしてそのミッションは汚職か横領か善行か? 面白いのは天下りの実態や官僚の自己増殖を面白おかしく描いていること。解説によると正確に書き表されているとのことで、つまりは、フィクションぽく見えて、ノンフィクションな部分も垣間見えてくる。 普通、官僚と天下りのキーワードだったら、天下りなんてぶっ壊せ!と半沢直樹ばりに樋口と大友が、立花や組織のボスである矢島と闘う!みたいな勧善懲悪になりそうだが、そうはなりません。 勧善懲悪と言ったカッコ良いものではなく、たまたま過去の借金を踏み倒した債務者からお金を回収することに成功。トントン拍子に連続で上手くいってしまう。「やったぜ、この三億を山分けする?まだ取り立ててみる?ウッホホホホーーーー⊂((・⊥・))⊃!」となっていくのだ。 しかし、最後にハッピーリタイアメント!と叫ぶ時には儲けてやったぜ!では無く、矜り高き人生を傷つけずに済んだと思って叫ぶ。 あのまま定年してしまうと、仕事ばかりしてきた為、地域にも家庭にも居場所が無く、友人もいない。だからハッピーとはいかなかっただろう。でも、こうして仲間も出来た。自分の人生(無駄に偉い奴らにぺこぺこしてきた)を傷つけることなくリタイア出来たと言う官僚の思いも込められているのかも知れない。 誰だって老後はゆっくり楽しく出来れば、誰かと暮らしたいのだから。だからといって天下りを推奨するわけでは決して無いが。
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定年まであと四年のしがない財務官僚・樋口と愚直だけが取り柄の自衛官・大友。二人が突如転属を命じられたJAMS(全国中小企業振興会)は、元財務官僚の理事・矢島が牛耳る業務実体のない天下り組織。戸惑う彼らに、教育係の立花葵はある日、秘密のミッションを言い渡す。それは汚職か、横領か、そ...
定年まであと四年のしがない財務官僚・樋口と愚直だけが取り柄の自衛官・大友。二人が突如転属を命じられたJAMS(全国中小企業振興会)は、元財務官僚の理事・矢島が牛耳る業務実体のない天下り組織。戸惑う彼らに、教育係の立花葵はある日、秘密のミッションを言い渡す。それは汚職か、横領か、それとも善行か!?痛快娯楽「天下り」小説。
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やっぱり浅田次郎さんのお話は楽しい。 ユーモアたっぷりにどこか世の中を天下りを皮肉る手法たまらない。 真面目に生きてきた登場人物たちの疎さがたまらなく、敵方の堕落さとの対比がしびれる展開。 ヒナさんの行き方も素敵。 ラストまで胸のすく物語。やっぱりこの作家さんは最高!
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ザ浅田次郎ワールド。最後に樋口が言った俺たちはまだ若い。からの一連の話は自分にも染みてきた。毎日仕事に追われているけどまだまだ人生を諦める必要はない!と感じた。
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人生90年のこの時代、60歳で定年退職した後、何を残し、どう生きるかは人生の大きなテーマだ。 官僚として、不器用ながら実直に生きてきた2人の男が60歳を前にして、天下り先を紹介される。そこは今までの給与が支給されたうえ、仕事らしき仕事は何もない。ただ出勤するだけの天下りパラダイ...
人生90年のこの時代、60歳で定年退職した後、何を残し、どう生きるかは人生の大きなテーマだ。 官僚として、不器用ながら実直に生きてきた2人の男が60歳を前にして、天下り先を紹介される。そこは今までの給与が支給されたうえ、仕事らしき仕事は何もない。ただ出勤するだけの天下りパラダイス。そんな幸運を謳歌し、そんな職場を維持してくれるトップを天皇のごとく敬う周囲。しかし、2人は汗をかかない仕事になじめず、辣腕秘書の力を借りて、独自のやり方で売上をあげようとする。 奇想天外な現代のおとぎ話。非現実的すぎる売上の稼ぎ方にツッコミを入れたくなるが、要するに「天下り」のくだらなさと、無意味さを描いたブラックユーモア小説。おそらく、作者の中では天下りを思っきり笑いで批判しているんだろうが、ちょっとわかりにくい。
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2017.03.12 欲張らないこと、何の成果が出なくても良い仕事に就くと恐れなどないという中、無欲の男に人は恐れおののき、また、過去を清算するためにお金を出す•••。面白かった!
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やっぱり面白い… その一言に尽きる 日本語の語彙力の勉強にもなるし、大好きな『にやり』とさせる表現力! 最高です! ドラマ版は石田ゆり子が良かったなぁ~(^o^)
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財務省出身慎ちゃんと自衛隊出身ベンさんがとある先でとある女に出会い、とある仕事をやるお話。 内容そのものは痛快だったり「そんな都合よくいくかい!」と呆れたり、まぁあまり不愉快にはならなくて済むお話ですが、後書きが勝間和代さんで、いわく「天下りの構造についてなかなかどうして正確に...
財務省出身慎ちゃんと自衛隊出身ベンさんがとある先でとある女に出会い、とある仕事をやるお話。 内容そのものは痛快だったり「そんな都合よくいくかい!」と呆れたり、まぁあまり不愉快にはならなくて済むお話ですが、後書きが勝間和代さんで、いわく「天下りの構造についてなかなかどうして正確に描いている」と。 なるほどそう思うと世の中の構造ってけっこうアホなつくりなのだなぁなんて思えたりして、おもしろい。 ただし小説としては一体何を追ったお話なのかつかめなかった。読みやすさはピカイチ。
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最初は、退屈だったなぁ。 なかなか読み進められなくて… ところが、主要人物が出揃ったところから、俄然面白くなってきて、びっくり。 自分の今後の参考にできるかなという目論見は外れましたが、ハワイの空のように、晴れ晴れとした気持ちになりました!
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