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菜食主義者 の商品レビュー

4.1

64件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

    8

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2022/04/29

 ある日を境に、肉食を拒むようになったヨンヘを取り巻く夫、義兄、姉の目線で語られるお話。  妻がベジタリアンになるまで、私は彼女が変わった女だと思ったことはなかった。という一文から始まります。  ヨンヘが中心のお話ですが、彼女視点で語られることがないので、なぜ肉食を拒むように...

 ある日を境に、肉食を拒むようになったヨンヘを取り巻く夫、義兄、姉の目線で語られるお話。  妻がベジタリアンになるまで、私は彼女が変わった女だと思ったことはなかった。という一文から始まります。  ヨンヘが中心のお話ですが、彼女視点で語られることがないので、なぜ肉食を拒むようになったのかなど、彼女の気持ちや考えは最後まで誰にも分かりません。ゆえに、読む方は惹きつけられ、考えてしまう。    血生臭い匂い…  無気力な絶望…  誰が狂ってるのか…  誰がまともなのか…  タブーを犯す先にあるもの…  本当に死にたかったのは誰…? 著者のあとがきに、この作品を書いていたときのメモにこのような文章が綴られていたとあります。 “慰めや情け容赦もなく、引き裂かれたまま最後まで、目を見開いて底まで降りていきたかった。もうここからは、違う方向に進みたい”  違う方向に進んでいっている著者の作品をまた読みたい。  今まであまり読んだ事のない側面から、生と死について触れた読書になりました。  

Posted byブクログ

2022/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【菜食主義者】 夫や父親から軽んじられた女性が、そのストレスの発散ができず、見た夢をきっかけに、生まれ持った菜食主義の性質を解き放つものの、長年の染み付いた食生活は変えることはできない。その結果、従来の生活とは異なった形になってしまいそうだ。どうすることもできない。 というSFチックなホラーを感じたけれど、大事なところは人がSOSを出している時に気づいて受け止めることだと思った。しかし現代社会に生きる人たちはそんなこと余裕が無さ過ぎて見えてないんだとも思った。私も見えない… 私は植物になりたいと思ったことがないので、サラッと読んでフーン。で済んじゃった。 ただ、残されて生きなければいけない人の辛さをただ感じた。

Posted byブクログ

2022/11/09

コンビニ人間と同じで主人公は変わっていて浮世離れしてるけど周りの人間たちに嫌悪感を抱くような感じ。暴力的で芸術的で男性は独りよがりで支配的。

Posted byブクログ

2022/03/03

評価高いようですがあくまでブクログは個人的な感想なので私的には激苦手な作品だったので星低め。 日本でいうと直木賞より芥川賞な作品なんだろうな。 突然菜食主義者になった妻(女)が主人公で、 その人は正直そうでもなかったけど (でも狂ってるとは思った) そんな狂ってる妻を取り巻く...

評価高いようですがあくまでブクログは個人的な感想なので私的には激苦手な作品だったので星低め。 日本でいうと直木賞より芥川賞な作品なんだろうな。 突然菜食主義者になった妻(女)が主人公で、 その人は正直そうでもなかったけど (でも狂ってるとは思った) そんな狂ってる妻を取り巻く人たちの方が、 私はめちゃくちゃ嫌悪感を感じ、 とことん後味が悪かった、個人的には。 でも、人間ってこうだよね、と妙に納得させられた。 でも超絶気が滅入るから二度と読むことはない。 韓国文学というものの初めての作品がこれだったので、他のハッピーな感じのものも読んでみたい(あるのか?も不明) 何かおすすめありますかね!?

Posted byブクログ

2021/10/30

過去一度でも、植物になりたいと思ったことがある人は、この作品に取り込まれてしまうかもしれない。わたしは大分引きずられた。

Posted byブクログ

2021/10/02

妻が突然ベジタリアンになった事件を契機に、強烈に壊れてゆく日常を3人の視点から描く連作小説。現実と夢、正常と狂気、生と死、思考と感情の起伏、動物と植物、自然、時間、色彩、濃密なイメージを喚起させる描写力とスピード感のある展開に引き込まれる。ほとんど翻訳を感じさせない文章も読みやす...

妻が突然ベジタリアンになった事件を契機に、強烈に壊れてゆく日常を3人の視点から描く連作小説。現実と夢、正常と狂気、生と死、思考と感情の起伏、動物と植物、自然、時間、色彩、濃密なイメージを喚起させる描写力とスピード感のある展開に引き込まれる。ほとんど翻訳を感じさせない文章も読みやすい。この人の小説は他も読んでみたい。

Posted byブクログ

2021/09/10

確かに強烈な印象が残る。 人間の内面を掘って掘って掘りまくって 底の底まで到達しようとする まるで繰り返す自傷行為のような小説。 生理的にこの類の小説は苦手だ。 暴力的な欲望や心の傷といったものを むやみに想像力を働かせて わかった気になるのも嫌だ。 だから、なのか、でも、な...

確かに強烈な印象が残る。 人間の内面を掘って掘って掘りまくって 底の底まで到達しようとする まるで繰り返す自傷行為のような小説。 生理的にこの類の小説は苦手だ。 暴力的な欲望や心の傷といったものを むやみに想像力を働かせて わかった気になるのも嫌だ。 だから、なのか、でも、なのか こういう作品は文学賞を取る。

Posted byブクログ

2021/09/12

『菜食主義者』読了。 美しい文体なのに容赦ない暴力要素が詰まった内容だった。 各章で登場する彼女の身内たちが語るそれはエゴの塊ともいえる言い訳。つらつら語っているようで、読んでいて気分悪くなりそうになった。 彼女の自由は誰が守るんだろうと思うも物語は彼女を救急搬送するシーンで終わ...

『菜食主義者』読了。 美しい文体なのに容赦ない暴力要素が詰まった内容だった。 各章で登場する彼女の身内たちが語るそれはエゴの塊ともいえる言い訳。つらつら語っているようで、読んでいて気分悪くなりそうになった。 彼女の自由は誰が守るんだろうと思うも物語は彼女を救急搬送するシーンで終わる。 なんかすごいものを読んでしまったな…後味はそこまで悪くなく、清々しいくらい。 何故、人は他人の自由や意思を拘束したがるんだろうな。それが普通ではないことであっても本人にとっては普通なのだから。いいじゃん、本人がそれを望んでるならって思うけど。 彼女の周りにいる人たちは彼女に対し「生かさなきゃいけない責任」が付き纏う。 自分の仕事に知らず知らずのうちに直結してしまいがちなんだけど、考えてしまうな。 生きるとは何?みたいな。本人が拒否してるのに無理して治す必要はあるのか?とか。 彼女の「…なぜ、死んではいけないの?」が印象的だった。 2021.6.30(1回目)

Posted byブクログ

2021/06/26

ハン・ガンの小説は「すべての、白いものたちの」を読んだのが初めてだった。あのような繊細な物語かと思って読んだら…全くテイストが違い衝撃的だった。ある事件を視点を変えて語っていくリレー形式の物語。どの章も色彩がガラッと変わり、ただただ圧倒された。圧巻。

Posted byブクログ

2021/03/16

ものすごい閉塞感、暗い。でも、一線を越えられない”凡人”である私たちは、お姉さんのようになんとか生き続けていくしかない。 作家が、この作品を書いた数年後に「底まで降りてみた。今は違うところに向かっている」みたいなことを書いていて、少し安心した。

Posted byブクログ