さよなら、愛しい人 の商品レビュー
お酒を飲まずにマーロウを読むのは難しい。飲むと話に靄がかかってしまうから、悩ましい。 自ら謎解きをしながら読むタイプではなくさらさら読むのだけど、記憶に残る「ああ、あれか」で、ほほう、となって読み終わりが爽やか。レッド好きだ。好感の持てるヤツは読者にとってもそうなんだな。なぜか...
お酒を飲まずにマーロウを読むのは難しい。飲むと話に靄がかかってしまうから、悩ましい。 自ら謎解きをしながら読むタイプではなくさらさら読むのだけど、記憶に残る「ああ、あれか」で、ほほう、となって読み終わりが爽やか。レッド好きだ。好感の持てるヤツは読者にとってもそうなんだな。なぜかは分からない。やはり瞳の色か。 はー。。。いいスコッチか、マーテル飲みたい(飲んでみたい)。
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マーロウものの二作目に当たる本作はエンタメ度が高く大変に面白い話だ。マーロウが麻薬漬けにされる件や賭博船への潜入シーンなどを含め、起伏に富む展開は最後まで飽きさせない。また、マーロウが真相を追う過程で彼に手を貸す人物が複数登場するのも大きなポイントとなっている。なかでも密航の橋渡...
マーロウものの二作目に当たる本作はエンタメ度が高く大変に面白い話だ。マーロウが麻薬漬けにされる件や賭博船への潜入シーンなどを含め、起伏に富む展開は最後まで飽きさせない。また、マーロウが真相を追う過程で彼に手を貸す人物が複数登場するのも大きなポイントとなっている。なかでも密航の橋渡しをするレッドの存在は特に印象深い。ハードボイルド小説や著者のチャンドラーに対して或る種の固定観念を抱いている方へぜひお勧めしたい、そんな一冊である
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フィリップ・マーロウシリーズ第2長編です。舞台は第二次世界大戦間際のロサンジェルス。人種差別が当たり前に横行し、不愉快な人物が続々と出てきます。マーロウは、刑務所から出所して恋人を探す「へら鹿(ムース)マロイ」に心を寄せているようですね。馬鹿力過ぎて浅はかだけれど、純情な奴だから...
フィリップ・マーロウシリーズ第2長編です。舞台は第二次世界大戦間際のロサンジェルス。人種差別が当たり前に横行し、不愉快な人物が続々と出てきます。マーロウは、刑務所から出所して恋人を探す「へら鹿(ムース)マロイ」に心を寄せているようですね。馬鹿力過ぎて浅はかだけれど、純情な奴だから。彼が愛するヴェルマの消息は、ラスト近くで判明しますが、悲しい結末だなぁ…。
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すっかりこの文体に魅了されてきてしまった。無駄に細かい情景描写や、このシリーズでなければ許せないようなキザな台詞など、楽しめた。中身はミステリー・サスペンスとしては雑に感じるところもあるが、そんなことはどうでもよくなりますね。賭博船に潜入するあたりが、ちょっと頭に入ってこない部分...
すっかりこの文体に魅了されてきてしまった。無駄に細かい情景描写や、このシリーズでなければ許せないようなキザな台詞など、楽しめた。中身はミステリー・サスペンスとしては雑に感じるところもあるが、そんなことはどうでもよくなりますね。賭博船に潜入するあたりが、ちょっと頭に入ってこない部分があったけど、登場人物さえ押さえれば読み易いと感じる。次はどれを読もうかな。
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タイトルにある、"さよなら、愛しい人"と崇められるような、そんないい女、出てきたかな?と一読した時思ってしまったのだけれど。ところが...、 しばらくシーンを反芻しているうちに、いや、彼女そう悪くもないかも?...むしろ、心根のとても優しい人だったのかも?.....
タイトルにある、"さよなら、愛しい人"と崇められるような、そんないい女、出てきたかな?と一読した時思ってしまったのだけれど。ところが...、 しばらくシーンを反芻しているうちに、いや、彼女そう悪くもないかも?...むしろ、心根のとても優しい人だったのかも?...とか、後からじんわりと読後感が変わってきた。 人間の心の機微が何層にも重なって現れる、素晴らしい作品。
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マーロウが時折見せる「弱さ」が意外で、読みどころの一つ。 事件が大詰めとなり、大ボスとの対決を前にあれこれと考えを巡らせ、くじけそうになるマーロウ。 「私には酒が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだ だからそれらを身に...
マーロウが時折見せる「弱さ」が意外で、読みどころの一つ。 事件が大詰めとなり、大ボスとの対決を前にあれこれと考えを巡らせ、くじけそうになるマーロウ。 「私には酒が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだ だからそれらを身にまとい、部屋を出た」(p380) マッチョ一辺倒ではないからこそ、かっこよさがより際立つし、そんなマーロウを応援したくなる。村上春樹作品はチャンドラーを中心にアメリカ文学をうまく掛け合わせたブレンドウイスキー。そして、こちらは原酒。やっぱり原酒にトライしたいところだ。チャンドラー万歳。
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〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第2段。チャンドラー作品は『ロング・グッドバイ』に続き2作目である。相変わらず正義感が強く、かつハードボイルドな主人公マーロウであった。伊坂幸太郎作品に出てくる屈強な殺し屋のような、個性豊かな人物がたくさん出てくるところも読みどころ。マーロ...
〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第2段。チャンドラー作品は『ロング・グッドバイ』に続き2作目である。相変わらず正義感が強く、かつハードボイルドな主人公マーロウであった。伊坂幸太郎作品に出てくる屈強な殺し屋のような、個性豊かな人物がたくさん出てくるところも読みどころ。マーロウは私立探偵なので、どんなに苦境に立たされても人を殺めることは絶対にしない。そこが非常に好感が持てる。そして何より、独特のシニカルな口調が個人的にとても癖になる。彼のような才能があれば、世の中を上手く渡れるかもしれない。
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初レイモンドチャンドラー。 訳者はあの村上さん! ハードボイルドな世界観にめくるめくミステリー。 魅力的なマーロウをはじめとするキャラクター達。 読んでいてプリンが食べたくなってしまった。
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フィリップ・マーロウのシリーズ2作目。 1作目でマーロウの癖の強さに慣れたのか マーロウ節が楽しみになってきました。 この手の「表現の回りくどさ、言い回しのくどさ、長ったらしい文章」は嫌いなんですが、マーロウのキャラクター自体がくどさの極みなので、セリフ以外のくどさも不思議と...
フィリップ・マーロウのシリーズ2作目。 1作目でマーロウの癖の強さに慣れたのか マーロウ節が楽しみになってきました。 この手の「表現の回りくどさ、言い回しのくどさ、長ったらしい文章」は嫌いなんですが、マーロウのキャラクター自体がくどさの極みなので、セリフ以外のくどさも不思議と受け入れられました。 そこは村上春樹氏のうまさなのかな。 ミステリー作品としてはふわっとしていますが、ただただマーロウを堪能するための小説として十分な価値があります。
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今回もやはり途中からよくわからなくなってしまった。 マーロウはなぜあのような暴力を受けなくてはならなかったのか。 なぜ麻薬中毒者の病院に入れられたのか。 最初の方のグレイル夫人とのお酒を飲むシーンが一番印象に残った。。。
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