さよなら、愛しい人 の商品レビュー
固茹 「君に好意をもっているんだよ」「良い子だ。私の趣味ではないが」「良い子は気に入らんのか?」、彼は新しい煙草に火をつけた。そして手を振って、その煙を顔の前から払った。「私はもっと練れた、派手な女が好きだ。卵でいえば固茹で、たっぷりと罪が詰まったタイプが」「そういう女には尻の毛...
固茹 「君に好意をもっているんだよ」「良い子だ。私の趣味ではないが」「良い子は気に入らんのか?」、彼は新しい煙草に火をつけた。そして手を振って、その煙を顔の前から払った。「私はもっと練れた、派手な女が好きだ。卵でいえば固茹で、たっぷりと罪が詰まったタイプが」「そういう女には尻の毛までむしられるぜ」とランドールはどうでも良さそうに言った。(本書より)たっぷりと罪が詰まったタイプ、か。フィリップ・マーロウのセリフは実に格好いいの一言に尽きるよ。
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大鹿マロイのはなし。マーロウは今度はマロイに友情というかシンパシーを感じる。そうして自分を痛めつけながら色々と無理を通す。はなしの構成という意味でよくできている。
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チャンドラーの持ち味である雰囲気たっぷりの描写や会話は村上春樹の翻訳と相性が良いいようで、お洒落で気の利いたやり取りが文体として存分に味わえ豊かな気分になる。加えて今作は、フィリップ・マーロウシリーズの二作目にあたり、『ロング・グッドバイ』に比べるとどことなくマーロウのやんちゃ度...
チャンドラーの持ち味である雰囲気たっぷりの描写や会話は村上春樹の翻訳と相性が良いいようで、お洒落で気の利いたやり取りが文体として存分に味わえ豊かな気分になる。加えて今作は、フィリップ・マーロウシリーズの二作目にあたり、『ロング・グッドバイ』に比べるとどことなくマーロウのやんちゃ度が高く、無鉄砲さやアウトロー感むんむんな若きハードボイルド探偵の活躍が眩しく、比べてみるとより乙だ。ただ話の展開はちょっと無理やりというか「そうはならんやろ」と思う部分があり、端的に言えば荒い。その荒さを良さと取るかどうかで評価は変わりそうだが、個人的には『ロング・グッドバイ』の老獪な雰囲気により愛着が湧く。マーロウだけで無く作品の構成もやんちゃな本作ももちろん好きだけど。
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チャンドラー氏が生み出した名キャラクター「フィリップ・マーロウ」の第二弾。アメリカ的なタフガイの世界観で、良質なハードボイルド・ミステリー。登場人物一人ひとりの個性や独特で洒落た描写が光る。プロットも緩急豊か。 村上春樹氏の訳を読んでいると、チャンドラーから強く影響を受けた結果か...
チャンドラー氏が生み出した名キャラクター「フィリップ・マーロウ」の第二弾。アメリカ的なタフガイの世界観で、良質なハードボイルド・ミステリー。登場人物一人ひとりの個性や独特で洒落た描写が光る。プロットも緩急豊か。 村上春樹氏の訳を読んでいると、チャンドラーから強く影響を受けた結果か村上氏訳だからか、少し回りくどい比喩(誉め言葉)が非常に村上春樹的。
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またしてもどこまでもキザなハードボイルド小説。 私立探偵フィリップ・マーロウのシリーズ。 刑務所から出所したばかりのムース・マロイが かつての恋人ヴェルマを探してロスのバーを訪れる。 しかしバーは黒人専用店に変わっており、 情報が得られず逆上したマロイは店主を殺害して逃亡。 偶...
またしてもどこまでもキザなハードボイルド小説。 私立探偵フィリップ・マーロウのシリーズ。 刑務所から出所したばかりのムース・マロイが かつての恋人ヴェルマを探してロスのバーを訪れる。 しかしバーは黒人専用店に変わっており、 情報が得られず逆上したマロイは店主を殺害して逃亡。 偶然現場に居合わせ、事件に巻き込まれたマーロウは 警察の依頼でヴェルマの行方を追うことに。 それと同時に舞い込んでくる翡翠のネックレスを巡る謎の依頼。 複雑な人間関係と謎が絡み合う、そんなストーリー。 『ロング・グッドバイ』とはまた違った渋さ。 だが勿論のこと、そのキャラクター性と物語の内容は 今回もコッテリと味が濃い。一筋縄ではいかないのだ。 個人的には村上春樹の翻訳がけっこう自分好みであることに驚いた。 恐らくこの村上春樹の翻訳がハードボイルドさを増しているのは明らか。 今回もマーロウの冷静な観察力と皮肉な語り口に酔いしれることとなった。
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多くのシーンが映像的に、顔を突き合わせて声を交わしたかのように鮮明に思い浮かべることができる ふとした時に反芻するほど心に残る台詞がある チャンドラーの本の読後感はいつも、映画を観た後のような浮遊感と少しの感傷に浸れる。染み込んでくる。そんな気持ちで閉じることができて嬉しい。
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▼(本文より)私には酒が必要だった。高額の保険が必要だった。休暇が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだった。だからそれらを身にまとい、部屋を出た。 ▼言い回しの次元でしかないとも言えますが、思わずにやりとしてしまいます。...
▼(本文より)私には酒が必要だった。高額の保険が必要だった。休暇が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだった。だからそれらを身にまとい、部屋を出た。 ▼言い回しの次元でしかないとも言えますが、思わずにやりとしてしまいます。小説というのは、物語というのは、結局は言い回しの次元であると言えます。パチパチ。 ▼私立探偵フィリップ・マーロウ長編シリーズ第2作。 ①大いなる眠り(The Big Sleep, 1939年) ②さよなら、愛しい人(Farewell, My Lovely, 1940年) ③高い窓(The High Window, 1942年) ④水底の女(The Lady in the Lake, 1943年) ⑤リトル・シスター(The Little Sister, 1949年) ⑥ロング・グッドバイ(The Long Goodbye, 1953年) ⑦プレイバック(Playback, 1958年) (以下、ネタバレ備忘) ▼マーロウはたまたま、ムース・マロイという乱暴な大男と知り合う。マロイは、「昔たれかに嵌められ」長い獄中生活から出所直後。もともと堅気ではない。ショーガールのヴェルマ、という愛人がいた。獄にいる間、ヴェルマからは音信不通。出獄した今、マロイはヴェルマを探す。ヴェルマを深く愛している。 マーロウは一方で、その直後から。 一見、マロイと無関係に(実は関係が大アリ)依頼された調査が発生。そこから殺人事件に巻き込まれて右往左往する。 結論は、以下。 ・マロイの愛人だったヴェルマが、成り上がるために昔、マロイを嵌めて排除した。 ・ヴェルマはその後、金持ちと結婚して成り上がった。過去を隠した。 ・ヴェルマは出所したマロイが自分を探していることを知る。マロイを再び排除(殺し)たい。 ・マーロウはマロイを知り合ったことから、ヴェルマに狙われた。殺されかけた。 ・最後は全部マーロウが全てあばききる。マロイは最愛の人・ヴェルマに射殺された。ヴェルマは逮捕される。
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大学時代に別訳のを買っていたが、読んでおらず。最近、チャンドラーを春樹訳になったのを気づきそっちを読んでみた。訳者自身が翻訳を楽しんでいるというのもわかるような文章だった。ほかにも訳があるようなので、しばらく読むつもり。
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お酒を飲まずにマーロウを読むのは難しい。飲むと話に靄がかかってしまうから、悩ましい。 自ら謎解きをしながら読むタイプではなくさらさら読むのだけど、記憶に残る「ああ、あれか」で、ほほう、となって読み終わりが爽やか。レッド好きだ。好感の持てるヤツは読者にとってもそうなんだな。なぜか...
お酒を飲まずにマーロウを読むのは難しい。飲むと話に靄がかかってしまうから、悩ましい。 自ら謎解きをしながら読むタイプではなくさらさら読むのだけど、記憶に残る「ああ、あれか」で、ほほう、となって読み終わりが爽やか。レッド好きだ。好感の持てるヤツは読者にとってもそうなんだな。なぜかは分からない。やはり瞳の色か。 はー。。。いいスコッチか、マーテル飲みたい(飲んでみたい)。
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フィリップ・マーロウシリーズ第2長編です。舞台は第二次世界大戦間際のロサンジェルス。人種差別が当たり前に横行し、不愉快な人物が続々と出てきます。マーロウは、刑務所から出所して恋人を探す「へら鹿(ムース)マロイ」に心を寄せているようですね。馬鹿力過ぎて浅はかだけれど、純情な奴だから...
フィリップ・マーロウシリーズ第2長編です。舞台は第二次世界大戦間際のロサンジェルス。人種差別が当たり前に横行し、不愉快な人物が続々と出てきます。マーロウは、刑務所から出所して恋人を探す「へら鹿(ムース)マロイ」に心を寄せているようですね。馬鹿力過ぎて浅はかだけれど、純情な奴だから。彼が愛するヴェルマの消息は、ラスト近くで判明しますが、悲しい結末だなぁ…。
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