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さよなら、愛しい人 の商品レビュー

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67件のお客様レビュー

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2021/04/11

前作よりも更にマーロウが好きなった。 相変わらず個性的な人たちの中で、よく殴られ、よく酒を飲み、そして何だかんだで真相に辿り着く。 この本の醍醐味って、きっと謎解きとかじゃなくて、マーロウがあーだこーだしてるところとか、その雰囲気を楽しむものなんだろうと、改めて感じた。 私は村上...

前作よりも更にマーロウが好きなった。 相変わらず個性的な人たちの中で、よく殴られ、よく酒を飲み、そして何だかんだで真相に辿り着く。 この本の醍醐味って、きっと謎解きとかじゃなくて、マーロウがあーだこーだしてるところとか、その雰囲気を楽しむものなんだろうと、改めて感じた。 私は村上春樹訳しか読んだことがないが、気障でちょっと皮肉っぽいマーロウにぴったりだと思った。

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2021/02/11

はじめてのレイモンド.チャンドラー  私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ第2弾 村上春樹新訳版 「タフでなければ生きて行けない。」 「優しくなれなければ生きている資格がない」 「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」 1940年に書かれたハードボイルドの世界観は 女性蔑視、人種...

はじめてのレイモンド.チャンドラー  私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ第2弾 村上春樹新訳版 「タフでなければ生きて行けない。」 「優しくなれなければ生きている資格がない」 「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」 1940年に書かれたハードボイルドの世界観は 女性蔑視、人種差別表現満載で、今日発表したら 炎上間違いなしかも。

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2020/12/09

チャンドラーが残した七冊の長編小説のうち、これで三作を読んだわけだけれど、村上春樹氏の翻訳がいよいよこなれて来て、とても読みやすくなっているように感じた。 「ロング・グッドバイ」も「大いなる眠り」も、やや村上氏にもチャンドラーを翻訳するということへの愛があふれるゆえ気負うところ...

チャンドラーが残した七冊の長編小説のうち、これで三作を読んだわけだけれど、村上春樹氏の翻訳がいよいよこなれて来て、とても読みやすくなっているように感じた。 「ロング・グッドバイ」も「大いなる眠り」も、やや村上氏にもチャンドラーを翻訳するということへの愛があふれるゆえ気負うところがあったような、僅かなぎこちなさみたいなものを感じたのだけれど、そういうサイドブレーキを引いたまま運転しているような印象が綺麗サッパリなくなっていてとても愉快にこのタフでいかした私立探偵との旅を感じて読み進めることが出来たように思える。 もちろんそれは、この作品そのもののもつクオリティやパワーが他の作品に比べてもやはり高いこともあるのだろうけど。

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2020/10/26

マーロウはかっこいいですね、シェイクスピアの言い回しがかっこいいです(シェイクスピア読んだことないんですが)。 今回は伏線がたくさんあり、ミステリアスな内容です。気合入れて読まないと、伏線回収で付いていけなくなります(私です)。

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2020/01/28

村上春樹が翻訳したレイモンド・チャンドラーの名作「さよなら、愛しい人(Farewell,My Lovely)」を読みました。 「The Long Goodbye」「Big Sleep」に引き続き3作品目。 フィリップ・マーロウは相変わらず頭が切れて、率直で、男くさくて、女...

村上春樹が翻訳したレイモンド・チャンドラーの名作「さよなら、愛しい人(Farewell,My Lovely)」を読みました。 「The Long Goodbye」「Big Sleep」に引き続き3作品目。 フィリップ・マーロウは相変わらず頭が切れて、率直で、男くさくて、女性に対してシビアで、へこたれず、強く、そして孤独です。 そこに首を突っ込むの?という点が普通と違ってドキドキの連続で、案の定痛い目に何度も会います。今回は半殺しのヤク漬けにされかかるなど、ちょっと程々にしておきなよと忠告したくなるぐらい。 あと言葉尻がいちいち面倒くさい。相手に食ってかかるし、皮肉っぽいし。あと、まるで○○のようだと比喩するのは村上春樹が訳しているから?そのせいもあって、そのうちフィリップ・マーロウが「やれやれ」とか言いそうな雰囲気。そういや村上春樹作品の主人公もフィリップ・マーロウ的な人が多い気もします。 そういったぶぶんも全部ひっくるめて、フィリップ・マーロウ作品群の最大の魅力だと思います。 登場人物も多彩。 へらじかマロイ、美女たち、警察の方々、クセの強いおばちゃんたち、臆病なスケコマシ、占い師、脱法医者、暗黒街のドン、などなど。皆ビビットに表現されており、頭の中で絵が浮かんでくるようです。 一番印象に残っているのは、のちに無残な姿となるアル中のおばちゃんですかね。お酒とラジオだけが私の心の拠り所、同情したくなる境遇の彼女の印象は深く残ってます。 前作Big Sleepでも思ったけど、名推理!と言うのはないです。 フィリップ・マーロウの行動が事件の解決に繋がっていくという流れ。 ストーリーの展開のされ方から、こうなりそうだな、と言う推測はつきますが、後の種明かしで、はあ、なるほどねとなります。読んでるだけではよく推理できないある種の名探偵コナン的な種明かし。まあ推理小説らしいですけどね。 物語では「愛しい人」は死んでしまい、「愛した人」も同じ道を歩んでしまいました。 愛しい人がどうであれ、 愛しい人に何をされようが、 貫く愛というのは素晴らしいものですね。

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2021/01/13

一作目で挫折しないで大正解。何故なら、正にこんなハードボイルドが読みたかったから。タフガイだけれど、決して完全無欠ではないマーロウ。自身の恐怖心を鼓舞する人間らしさも魅力的。皮肉たっぷりの台詞回しには思わず笑みが溢れてしまう。表現が比喩的過ぎたり、説明が省略され過ぎていて、状況が...

一作目で挫折しないで大正解。何故なら、正にこんなハードボイルドが読みたかったから。タフガイだけれど、決して完全無欠ではないマーロウ。自身の恐怖心を鼓舞する人間らしさも魅力的。皮肉たっぷりの台詞回しには思わず笑みが溢れてしまう。表現が比喩的過ぎたり、説明が省略され過ぎていて、状況が把握出来ない場面も幾らかあるが、深く考えるのはそれこそ野暮なのか。組織の腐敗は現代の警察小説にも通じており、古典でルーツを探るのもまた一興。邦題を「愛しき女」から「愛しい人」に改題したのは【二人それぞれの愛情】を表すためですかね。

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2019/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

刑務所から出所した大男マロイ。彼は逮捕前に別れてしまったヴェルマを探す。しかし見つからず、行き違いで殺人を犯してしまう。現場にいたフィリップ・マーロウはマロイを追うことになる…という内容。印象に残っているのは、マーロウが捕まって薬を打たれ、体がボロボロなのに自力で回復するタフな場面。なんちゅうタフさだ…

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2019/06/23

展開が全く読めない マーロウなんでそっち行くん?なんでそんなことするん?って思いながらずっと読み進めてました ドントシンクフィールって感じですね 素晴らしい

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2019/05/25

村上春樹訳のハードボイルドミステリであるフィリップ・マーロウものの2作目。旧訳のほうは荒々しく削り出した巌を撫でて温度を感じるようのな無駄のない文体だが、今作の新訳のほうは、岩の成分を一つ一つ手で探ってフィリップ・マーロウというキャラクターを浮かび上がらせるような作りになっている...

村上春樹訳のハードボイルドミステリであるフィリップ・マーロウものの2作目。旧訳のほうは荒々しく削り出した巌を撫でて温度を感じるようのな無駄のない文体だが、今作の新訳のほうは、岩の成分を一つ一つ手で探ってフィリップ・マーロウというキャラクターを浮かび上がらせるような作りになっている。ハードボイルド、という単語から連想するような気取った感じはなく「こういう生き方しかできない」どこまでも不器用でたった一つの美学のみで突き進んでいくマーロウには男として憧れるものを感じる。事件の流れから最後で明かされた真相の読後感もさることながら、マーロウの身に起こる一つ一つの出来事に対してのレスポンスが一番の魅力だろう。ヒーローでもアンチヒーローでもなく、無力で繊細だが、その不屈の美学と飾らなさには凄く共感を覚える。ある種の損な生き方というのは、時に得がたいものなのだ。

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2018/08/04

仕事で訪れた酒場で事件に巻き込まれ、これをきっかけに、様々な人々の思惑の繋がりの中に絡め取られていく。主人公はその中を緩急つけながらもがき進んでいくことになります。いったい俺は何を探しているんだろうという疑問を持つ暇もないままに。 行間にある登場人物から発せられるサインと、同じく...

仕事で訪れた酒場で事件に巻き込まれ、これをきっかけに、様々な人々の思惑の繋がりの中に絡め取られていく。主人公はその中を緩急つけながらもがき進んでいくことになります。いったい俺は何を探しているんだろうという疑問を持つ暇もないままに。 行間にある登場人物から発せられるサインと、同じく行間にある主人公の直感とが、事件の真相に向かって読者を進ませてくれます。説明できないけれども分かる必然性が、読者を虜にするのではないかと思います。それだけ登場人物が魅力的に生き生きと描かれていて、目の前で映画を見ているかのようにはっきりと場面が浮かび、感動します。魅力的なセリフの数々。読後にこの世界の余韻に浸るひと時に幸せを感じます。

Posted byブクログ