最後の証人 の商品レビュー
今回初めて作家の小説を読みましたが 私がバカなのか判りませんが被告人と被害者とを取り違えてました。物語の終盤になって気付きました。内容も面白かったです。他の作品も読みたくなりました!
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『佐方貞人』シリーズ第1作。柚月裕子氏らしい硬派の法廷ミステリー。 主人公・佐方貞人は本作では検事を辞し弁護士として活動している。 * * * * * 警察・検察も含め権力者側の横暴と不正が物語の底流にあり、ヤメ検弁護士・佐方貞人がそれらと対峙する...
『佐方貞人』シリーズ第1作。柚月裕子氏らしい硬派の法廷ミステリー。 主人公・佐方貞人は本作では検事を辞し弁護士として活動している。 * * * * * 警察・検察も含め権力者側の横暴と不正が物語の底流にあり、ヤメ検弁護士・佐方貞人がそれらと対峙するという構図になっています。 「 ( 公的 ) 組織の権威を守ることが大局的に見れば正しい」「『大人』の判断を」等、現実にある ( に違いない ) 狡知と打算にまみれた「常識」。 誰もが世知として ( ある程度 ) 受け容れて生活しているけれど、その「常識」が自分に牙を向けてくるとき……。 我々が心の底では感じている不安をうまく作品に織り込んでいました。なかなかいいミステリーだと思います。
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つらい、、ひたすらつらい。 なんかあるなんかあると思いながら読んでても驚かされる結末。 苦しいけど読んでよかった。
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2021年6月27日読了。 弁護士になった佐方貞人、今回の事件は思い出の街米崎市の殺人事件。 早い段階で「もしかして、こういう展開?」と思うと、不思議とそのとおりの展開になり、事件と裁判は淡々と進んでいく。 が、最終章「判決」で、期待はものの見事に裏切られ、そしてなぜか涙が...
2021年6月27日読了。 弁護士になった佐方貞人、今回の事件は思い出の街米崎市の殺人事件。 早い段階で「もしかして、こういう展開?」と思うと、不思議とそのとおりの展開になり、事件と裁判は淡々と進んでいく。 が、最終章「判決」で、期待はものの見事に裏切られ、そしてなぜか涙が出る。 いい、とてもいい。読後感もいい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
久々の柚月裕子さんの作品、期待以上の内容で大満足でした。 物語の主人公は元検察官で刑事事件専門の弁護士・佐方貞人。 すなわち、法廷ミステリーとして本作は構成され、幕をあけます。 そんな佐方のもとに飛び込んできたのは、殺人事件の被告人からの自らの無実を勝ち取る弁護依頼。 ホテルの一室でおこった殺人事件の真実を解き明かすミステリー作品であればここまで惹き込まれることはなかったのかも知れません。 視点がかわり、そこに描かれるのは最愛の息子である卓を交通事故で失った高瀬光治と美津子夫婦の苦悩。 唯一の事故の目撃者である卓の友人は赤信号をムシして車が突っ込んで来たと言い、運転手は酒に酔っていたと言う。 しかし事故を起こした加害者(島津)は不起訴となり、警察からは卓が信号をムシした為に起こった事故だと告げられた。 理不尽な警察に対する何故?を胸に抱えたまま卓の7回忌当日に偶然に加害者である島津と再会した光治は島津が発した言葉により事故の真実を知る。 時を同じく美津子を襲う病との連鎖により高瀬夫婦は卓の無念を晴らすことを決意。 そう、それがホテルで起こった密室殺人事件。 物的証拠に状況証拠も含めてその場を立ち去った島津による犯行かと思われた。 公判3日目の検察からの求刑の後、弁護側の最終弁論を促された際に弁護士の佐方が求めたのは「証人をひとり、この場に立たせていただきたいのです」 。 「最後の証人」により証言された7年前の真実。 その後、言い渡された島津への判決「被告人は無罪」。 明かされた今回の密室殺人は文字通り命をかけた美津子の自作自演。 しかし、裁判官は島津に「今の時点において、被告人は無罪ですが、これから本事件に深く関わっていると思われる七年前の事故の再調査がはじまると思われます」。 そして判決の最後をこう結ぶ。 「この事件は、まだ終わっていません。新たな局面に移っただけです。被告人はそのことを、心に深く刻み忘れないように」「判決は以上です」。 人の心理をここまで見事に描ききった作品にはそうそう出会えない。 そんな作品でした。 説明 内容紹介 書店員さんや書評家など、多くの方から絶賛された傑作法廷ミステリーが、待望の文庫化です! 元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。そんな彼のもとに、殺人事件の被告人から弁護依頼が舞い込む。高層ホテルの一室で起きた刺殺事件。男女間の愛憎のもつれの末の犯行であり、物的証拠、状況証拠から有罪確実だとみられている。しかし佐方の本質を見抜く勘が、事件の裏に何かがあると告げていた。有罪必至の弁護を引き受けた佐方の勝算とは何か。やがて裁判は驚くべき展開をみせる! 『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家による、衝撃の話題作! 内容(「BOOK」データベースより) 元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。 著者について 柚月 裕子 (ゆづき ゆうこ) プロフィール 1968年、岩手県生まれ、山形県在住。第7回『このミステリーがすごい !』大賞受賞、2009年、『臨床真理』(宝島社文庫)でデビュー。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 柚月/裕子 1968年、岩手県生まれ。第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞、2009年、『臨床真理』(宝島社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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※このレビューにはネタバレを含みます
『被告人は無罪』と言う判決 この言葉の至るまでのある事件と七年前の事故の真相が描き出されてゆくうちに読者は驚きのうちに大逆転を目の当たりにするのでした。 『証人』の言葉までをも計算し尽くした復讐劇、法廷モノとしての楽しみ方のみならず、そこにはもはや夫婦ではなく、同士と呼ぶべきふたりの思いが凝縮されていた。 検事としての佐方シリーズをまた再読したくなる。
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『秋霜烈日』 (秋の冷たい霜や夏の激しい日差しのような気候の厳しさのことで、 刑罰・権威・志操などが厳しくおごそかであることのたとえ) ストーリーはかなり先の読める構成ですが内容の深い作品だと思いました。 『1度目なら過ちだが、2度目はその人間の生き様だ』これはかなり胸を突く...
『秋霜烈日』 (秋の冷たい霜や夏の激しい日差しのような気候の厳しさのことで、 刑罰・権威・志操などが厳しくおごそかであることのたとえ) ストーリーはかなり先の読める構成ですが内容の深い作品だと思いました。 『1度目なら過ちだが、2度目はその人間の生き様だ』これはかなり胸を突く言葉でした。 良い作品でした。柚月作品はハズレがない
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今回の裁判(被害者による偽装殺人)を無罪にして、その動機となった事件(飲酒運転による轢死)を暴く。やっぱり勧善懲悪じゃなきゃ。 これまで読んだ柚月裕子の四作品の中で「盤上の向日葵」に次いで面白かった。
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久々に隙間時間を見つけてページをめくる感じで一気読みでした。 エピローグはホテルの一室で起きる事件だが始まりは7年前に起きた交通事故。 その交通事故で息子を失った時からの夫婦の描写と、現在進められているホテルでの事件で無罪を主張する被告人の裁判が交互に描かれていき法廷での最後のシ...
久々に隙間時間を見つけてページをめくる感じで一気読みでした。 エピローグはホテルの一室で起きる事件だが始まりは7年前に起きた交通事故。 その交通事故で息子を失った時からの夫婦の描写と、現在進められているホテルでの事件で無罪を主張する被告人の裁判が交互に描かれていき法廷での最後のシーンに集約されます。 結末が望むものであっても悲しい気持ちしか残りません。 登場人物それぞれの立場からストーリーが進みあっという間のラストですが常に穏やかであった弁護士佐方の最後の熱量で全ての登場人物の感情が溢れ出した読後感は重厚でした。
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