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空が青いから白をえらんだのです の商品レビュー

4.4

78件のお客様レビュー

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2021/08/11

犯罪者と聞くと心も荒んだ印象を持ってしまう。 しかし、本書の出てくる詩の一つ一つが心のこもった作品であった。 作品には「色」や「母」など様々なことを題材にしたものがあり、そのどれもがストレートな言葉で表現されていた。 犯罪者一人一人の背景に生まれてきてからの環境が影響しており、生...

犯罪者と聞くと心も荒んだ印象を持ってしまう。 しかし、本書の出てくる詩の一つ一つが心のこもった作品であった。 作品には「色」や「母」など様々なことを題材にしたものがあり、そのどれもがストレートな言葉で表現されていた。 犯罪者一人一人の背景に生まれてきてからの環境が影響しており、生まれたばかりの赤ん坊はどの人も無垢である。環境が人を変えるのだと感じた。 本書の中に「彼らは加害者であり、社会の被害者」とあったが、教育に従事するものの一人としてこの言葉を重く受け止めたいと思った。

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2021/07/31

少年受刑者の書いた詩集 青少年犯罪者の心の中を垣間見るたびに 大人が救えた被害者・加害者がいたのではないかと思う 少年たちの孤独や寂しさそれを埋められるのはやっぱり親なんだろうなって思う

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2021/05/31

寮さんの解説や実際の「物語の教室」の風景、少年青年たちのつむいだ詩、すべてに胸がつまりそうだった。 恥ずかしい話、わたしにはきっと、おかあさんうんでくれてありがとうなんて、詩にこめて心から思いつむぐことはできない。彼らは確かに犯罪者だが、つむがれた詩は尊いと感じたし、もっと社会が...

寮さんの解説や実際の「物語の教室」の風景、少年青年たちのつむいだ詩、すべてに胸がつまりそうだった。 恥ずかしい話、わたしにはきっと、おかあさんうんでくれてありがとうなんて、詩にこめて心から思いつむぐことはできない。彼らは確かに犯罪者だが、つむがれた詩は尊いと感じたし、もっと社会があたたかだったらと思わずにはいられない。 社会性涵養プログラム、その場の大切さ、いいことを知りました。

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2021/05/11

奈良少年刑務所詩集を読んで… 病院の待合室で、少年たちの詩と、寮さんのコメントを読んでたら…涙が止まらなくなりました… 犯した罪の重さと、内面の素朴さの落差よ…! 少年たちの詩からは、「かっこつけよう」、とか、「うまく書こう」という気持ちは微塵も感じられません...

奈良少年刑務所詩集を読んで… 病院の待合室で、少年たちの詩と、寮さんのコメントを読んでたら…涙が止まらなくなりました… 犯した罪の重さと、内面の素朴さの落差よ…! 少年たちの詩からは、「かっこつけよう」、とか、「うまく書こう」という気持ちは微塵も感じられません。だからこの詩集は人をひきつけるのかもしれません。 塀の内と外は紙一重。読む人によって、価値観ががらりと変わる可能性を持つ詩集です。「犯罪者と自分は関係ない」と思う人にも読んでもらいたいな…。 詩集の中から、ひとつ、引用します ↓ 二人のお母さん 「必ず迎えにくるから」と言われ 五歳のとき 施設に預けられた 六歳の誕生日に お母さんからカードが届いた 七歳の誕生日も お母さんからカードが届いた 八歳の誕生日も お母さんからカードが届いた 「お誕生日 おめでとう」 手書きのカードが 何よりうれしかった 一年に一度の楽しみだった 十歳の誕生日 カードは届かなかった 次の年も その次の年も わたしはひとり 部屋で泣いた ずっとずっと 泣いていた すると 先生が来て 無視するわたしを 抱きしめてくれた やさしい声で こういってくれた 「わたしは ここにいるよ ずっとずっと ここにいるよ どこへも 行かないから ずっとずっと 守ってあげるから だから 泣かないで わたしが お母さんになってあげるから 」 二十四歳になったいまでも わたしのお母さんは二人 一人のお母さんとは 十九年 会えてないけど お母さんは二人 いつまでも いつまでも 二人

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2021/03/21

空が青いから白を選んだのです 寮三千子 新潮文庫 何もかもが百点満点すぎることに 違和感があるけれど 手を加えられたとは思えない 詩に託した文章には驚かされた 自らの厳しい体験を咀嚼している 前向きな姿勢がどこから湧き出したのか? 暴力の前に見つけていればと思うのは老婆心...

空が青いから白を選んだのです 寮三千子 新潮文庫 何もかもが百点満点すぎることに 違和感があるけれど 手を加えられたとは思えない 詩に託した文章には驚かされた 自らの厳しい体験を咀嚼している 前向きな姿勢がどこから湧き出したのか? 暴力の前に見つけていればと思うのは老婆心か 重荷を背負えばこその気づきもあるのだろう!

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2022/09/17

奈良少年刑務所の受刑者が書いた詩集。どの詩を読んでも涙が出る。短い言葉の裏に読み取れる、その子の生い立ちや思い出。特に母への想い。 詩のすぐ後に著者の解説があり、それを読むと更に詩の深みが増して涙。 手元に置きたい一冊。

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2021/02/12

幼少期の経験がいかに大切かがわかる。 まるで幼児のようだ。 そして母親の存在の大きさを知る。 大人のなにげない言動がいつまでも刺さることがある。 子供の頃の自分を忘れなければ、子供と仲良くなれると言ったのはフルバの透だったか。

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2021/01/17

ラジオで紹介していて読んでみた本。 思ったよりもとても良く、少年たちの言葉が胸に刺さった。 自分は教育関係の仕事をしているため、普段の子供たちとの関わり方についても色々考えさせられた。 こういった子供たちを教育の場でもっと救うことができたらいいのになぁ。

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2020/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本棚サーフィンしていたときにふと偶然に見つけた本。 社会涵養プログラムとして、SST、絵画とともに童話・詩で構成された更生プログラムの中での作品 寮さんの解説つきで丁寧に紹介されています。 芸術の可能性を垣間見る貴重な時間になりました。 日本の刑務所に収容されている4割が再犯という事実も矯正の難しさを痛感しました。 安心できる場で、感情を言葉で表現すること 苦悩やほんの少しの希望 情緒を耕すことの重要性 グループワークという場の力

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2020/09/22

受刑者だから、壮絶な生い立ちがあるから、なんて先入観は一切抜きにして、一編ずつの詩は素晴らしく美しいものだと感じた。彼らの今の気持ちや、伝えたかった過去への謝罪。大切な人への想いがダイレクトに伝わってくる。巧く書こう、よく魅せよう、なんて自分を取り繕うようなことはせず、というより...

受刑者だから、壮絶な生い立ちがあるから、なんて先入観は一切抜きにして、一編ずつの詩は素晴らしく美しいものだと感じた。彼らの今の気持ちや、伝えたかった過去への謝罪。大切な人への想いがダイレクトに伝わってくる。巧く書こう、よく魅せよう、なんて自分を取り繕うようなことはせず、というよりかは取り繕い方を知らないからこそ、こんなにも純粋な詩が生まれたのだと思う。

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