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空が青いから白をえらんだのです の商品レビュー

4.4

78件のお客様レビュー

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2020/09/20

当たり前だけど、罪を犯してしまった子もそれが彼らの人格すべてではなくて、半分は良心や優しい心を持っているのだと改めて気付いた。 被害者の立場であったらそうも言ってられないだろうが… 更生してぜひ次は幸せな人生を歩んで欲しいと純粋に応援したい気持ちになった。

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2020/09/06

詞の持つ力、言葉の持つ力、人間の持つ力、そのどれも尊く、美しく、豊かな心を感じさせてくれる。 人には人とのそれぞれの人生がある。良し悪しではなく、社会が寛容であれば救われる豊かな心に触れることができ、今後の社会の方向性を示してくれるような本。

Posted byブクログ

2020/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつか、教文館ナルニア国HPで寮さんの講演会のお知らせを見て、誰だろう、へぇ、とそのまま。 2020年、新潮文庫の100冊で目にして、心のはしっこを掴まれて購入。 奈良少年刑務所の「社会性涵養プログラム」でうまれた詩。 【奈良少年刑務所】 ・入所者は700名あまり、入所時の年齢は17歳以上26歳未満の若い世代。 ・「明治五大監獄」のそのまま残存している唯一の煉瓦造りの建物。 【社会性涵養プログラム】 ・対象は、刑務所のなかでもみんなと歩調を合わせるのがむずかしく、いじめの対象にもなりかねない、極端に内気だったり、動作がゆっくりだったり、虐待された記憶があって心を閉ざしがちな人々。 ・プログラムは、SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)、絵画、童話と詩。 それぞれ月一回、一時間半の授業があり、月三回の授業を六ヶ月、合計十八回行うという。 ・受講生は十人前後。 とにかく読んでみてください。 触れてみてください。 そう言える、夏のフェアに入っている意義のある本です。 本のなかで、この刑務所に入っている人が、一度も耕されたことのない荒れ地、というように繰り返し表現されています。 以前、『刑務所しか居場所のない人たち』という本のなかで、刑務所が福祉施設化していると知ったけれど、少年刑務所にも福祉のネットワークから零れてしまった人がいるといいます。 心身が傷ついて子どもらしい子どもとして育つことができず、ひとりだった。 お母さんを題材にした詩がいくつも載っていて、受刑者の立場を想像して、たぶんかなしくなります。 みんなの詩や寮さんの解説をよんでいると、教育と環境が大切で、たしかに、だれもが被害者であり加害者でもあると感じます。 みんなはじめはあかちゃんで、自分を認めてほしいし、自分自身が自分を認めて信じたい。 それが「童話と詩」の授業で実現するそうです。 社会は、ひとりひとりでできています。

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2020/08/02

寂しさを、愛しさを、哀しさを、心を、ことばにして。 美しい歴史的建築で有名な奈良少年刑務所の受刑者を対象におこなったプログラムから生まれた詩集。こう言ってはあまりに単純すぎるのだけれど、傷ついた心をようやくことばにできた彼らに、彼らの剥き出しの心に、じんわりと涙が浮かぶ。彼らの...

寂しさを、愛しさを、哀しさを、心を、ことばにして。 美しい歴史的建築で有名な奈良少年刑務所の受刑者を対象におこなったプログラムから生まれた詩集。こう言ってはあまりに単純すぎるのだけれど、傷ついた心をようやくことばにできた彼らに、彼らの剥き出しの心に、じんわりと涙が浮かぶ。彼らの思いを静かに受け止めていきたい。彼らは罪を償わなければならない、けれど、その先を閉ざさないように。

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2020/10/07

夢中になって一気に読み終えた。 子をもつ親なら、涙なくしては読めないだろう。自分がこれまで試行錯誤してやってきた育児を振り返り、反省する機会になる。

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2020/07/25

表紙の空の写真が綺麗で、手にとってみたけれども期待以上だった。 詩人でも無い彼らの詩集は、繰り返して読みたくなる。 孤独な背中と気怠さと、この詩も素敵。 アンガーマネジメントにも、興味を持った。 少年刑務所の建物の写真も、美しい。

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2020/07/21

初っ端の詩と説明の見開き2ページで、もう込み上げてきました。思いを紡ぎ出した言葉が周囲に伝わって影響を与えあい場の人間の関係性が階梯をひとつ上がる場面。 この本にはそういう場面がたくさん出てきます。 詩の力、文化の力が人間の心を豊かにすることの証左。それを疎かにしてきたこの国の来...

初っ端の詩と説明の見開き2ページで、もう込み上げてきました。思いを紡ぎ出した言葉が周囲に伝わって影響を与えあい場の人間の関係性が階梯をひとつ上がる場面。 この本にはそういう場面がたくさん出てきます。 詩の力、文化の力が人間の心を豊かにすることの証左。それを疎かにしてきたこの国の来し方の罪深さを思いました。 少年刑務所だけでなく、全ての刑務所で取り組まれたらいいのに、と思いました。

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2020/07/01

気付いたら涙が出ていました。 社会性涵養プログラムにより少しずつ心を開いていくことができた彼らにとって、出所後の社会が、少しでも明るいものであってほしいと強く思った。 編者の寮美千子さんを含め、少年達の更生に関わっている方々の姿が心から格好良いと素直に感じた。

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2020/06/10

この詩集の作者は奈良少年刑務所の受刑者(少年)達です。少年刑務所の更生教育「社会性涵養(かんよう)プログラム」に編者の寮美千子が関わり、詩を書くことで不幸な犯罪者となってしまった少年達の心の扉を少しずつ開きます。タイトルの「空が青いから……」は一行詩で題名が「くも」です。「つらい...

この詩集の作者は奈良少年刑務所の受刑者(少年)達です。少年刑務所の更生教育「社会性涵養(かんよう)プログラム」に編者の寮美千子が関わり、詩を書くことで不幸な犯罪者となってしまった少年達の心の扉を少しずつ開きます。タイトルの「空が青いから……」は一行詩で題名が「くも」です。「つらいことがあったら,空を見て。そこにわたしがいるから」は作者である少年の母親が病院で亡くなった時の最期の言葉だったと綴られています。この一編だけをとっても、少年達を取り巻く家庭や学校や社会の環境を深く考えさせられます。少年達の更生を祈らずにはいられない心に沁みる詩集です。 (H.T.)

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2020/06/08

子どもたちのストレートな言葉に、ただ、ただ、考えさせられ、涙する。 「生きることは、活きること」 サラリと触れているだけだが、奈良少年刑務所の子どもを囲む大人達が子どもたちに向ける愛の熱量にも、頭が下がる。

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