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空が青いから白をえらんだのです の商品レビュー

4.4

78件のお客様レビュー

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    37

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2022/08/06

詩は美しく琴線にふれる 共感や自己肯定がなく罪のために刑務所に収監された子供たち みんな逃げ場がなかった、純粋とありますが刑務所のなかは決められたルーチンです 社会の荒波にまた巻き込まれないとも限りません、確かにやり直す権利は必要です  薬物ではなく傷害で収監された人もいるはずで...

詩は美しく琴線にふれる 共感や自己肯定がなく罪のために刑務所に収監された子供たち みんな逃げ場がなかった、純粋とありますが刑務所のなかは決められたルーチンです 社会の荒波にまた巻き込まれないとも限りません、確かにやり直す権利は必要です  薬物ではなく傷害で収監された人もいるはずです 死に至らしめた罪状の子供もいるはず。その方や家族の痛みは治りません。その痛みを忘れずに読む必要があります

Posted byブクログ

2022/05/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了。 読書仲間として仲良くさせて頂いている年配の方にお勧めしてもらい、読んでみた。 奈良少年刑務所に収監されている、受刑者たちによる詩集。 (入所時の年齢は17〜26歳未満)    強盗、殺人、レイプといった重罪を犯した人達とは思えないほど 感受性豊かで 変に飾ろうとして余計な言葉を使っていない為か 真っすぐで純粋な詩ばかりだった。 受刑者に対する自分の先入観も浮き彫りになった。 〝おかん〟 という詩が心に残った。 ※一部抜粋させて頂きます 〝それが愛情のつもりか   強くするために  あえて子どもを突き放すこと  それが正しい愛情のつもりか〟 〝「あたしの育て方が 悪かったんやろか」  「おれの育ち方が 悪かっただけやろ」  それでも おかんが笑ろてると  おれもうれしくなる  あんだけ大嫌いやったはずなのに〟 育て方と育ち方。 どちらも主語が異なるが、どちらも本当に個人だけの責任にしていいのだろうか。 しかも、年齢を重ねていくうちに育ち方にだけ責任が追求されている気がする。 生まれ育った環境によって、人の一生は大きく左右されてしまう。 その人の背景を知ろうとせず 社会はつい自己責任と切り捨ててしまう。 皆んな同じ人間であって 罪を犯してしまうかどうかは ほんの紙一重の違いのような気がした。 どんなに憎くても、母親は特別な存在なのかな。 映画「すばらしき世界」に感じたような 社会の不条理と人間の心の素晴らしさが同居したような本だった。 〝空が青いから白をえらんだ〟という言葉は いろんな解釈ができる。 #空が青いから白をえらんだのです #寮美千子 #奈良少年刑務所詩集

Posted byブクログ

2022/03/04

自分の想像以上に、その人の外見や肩書きなど目につきやすいものだけで、その人がどのような人なのか決めつけてしまっていることが多いのかもしれないと感じました。 関わらなければわからないことがあるということを常に忘れず、目の前に人と真摯に向き合っていきたいと思いました。

Posted byブクログ

2022/02/28

20220228011 文学のアール・ブリュット。タイトルにもなっている「空が青いから白をえらんだのです」が心に響く。

Posted byブクログ

2022/01/31

奈良少年刑務所の少年受刑者達の作品集。 編者である童話作家の寮美千子さんが、「社会性涵養プログラム」の一環を依頼され、手探りながら、彼らに寄り添い、刑務所内で「物語の教室」を担当している。硬く閉ざされた心を耕し、水を与え続ける。それが、地下水となるまで。(これを涵養というそうだ...

奈良少年刑務所の少年受刑者達の作品集。 編者である童話作家の寮美千子さんが、「社会性涵養プログラム」の一環を依頼され、手探りながら、彼らに寄り添い、刑務所内で「物語の教室」を担当している。硬く閉ざされた心を耕し、水を与え続ける。それが、地下水となるまで。(これを涵養というそうだ。)その中で生まれた、まっすぐで、心を抉る様な、詩集。 母親についての詩には、涙を我慢できない。「クリスマス・プレゼント」は、特に印象的だった。 少年犯罪が、凶悪化していくニュースなどを見ると、少年法は現況に見合っているのだろうかと思っていた。ましてや、自分や家族が被害者であった時、未成年ということで、許せるだろうかという事は、誰しも考えているのではないでしょうか。 寮美千子さんも、講師を引き受けるまでの葛藤を、正直に綴っていた。しかし、受刑者には、育児放棄、学校での落ちこぼれ、福祉の手が届かなかった子らが多いという。その家庭を、学校システムの欠陥を、行政の過失を許している社会は、彼らへの加害者となっていると気がつく。 寮美千子さんの授業は、大きな成果をあげている。今も福祉の隙間にいる子供達の為、学校教育にこのプログラムを導入して欲しい。消えない罪を犯す前に。

Posted byブクログ

2021/12/11

少年矯正施設のあり方がよくわかる、社会に向けた啓発書。加害者たる彼らは社会からの被害者かもしれない。腫物に触るような接し方がさらに心を閉じさせる。再犯が多い事実をもっと考えなければいけない。2021.12.11

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2021/11/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少年たちの受刑者の更生プログラムの一環として、行われた詩。 詩を書くには側からは見えづらいその人の心情が込められる。 刑務所に入っている人というのは、野蛮で怖いイメージがどうしてもある。 だが、詩を通じて見えるのは耕されていなかった少年たちの純粋な心が垣間見れる。 特に印象に残った詩は、まほうの消しゴムという詩。 嫌なものを消せる消しゴムがあったらという詩で、罪に向き合ったからこそその罪の重さを知り、迷惑をかけたこと、自分自身を消せる消しゴムがあればなという思いになったのだろうと感じた。 そんな魔法の消しゴムは存在しないけれど、罪を背負って前を向いてまた生きてほしいと感じた。 非情な事件を起こした、けれどその心は家庭環境や社会によって苦しめられていたことが多い。 「加害者であると同時に、この社会の被害者なのかもしれない」 他の本で「どんなに悪者でも救えない悪者はいない。ただ救わないのだ。」といったような文を読んだ。 この更生プログラムは、これらの思いが土台となって、更生プログラムが組まれていると感じた。

Posted byブクログ

2021/10/16

このような感性と、表現と。生半可にはたどり着けない境地だけれども、せめて、想像してみようとする姿勢はもっていたい。決して安易に理解できた気になるものではないかもしれないけれども。

Posted byブクログ

2021/08/21

本屋さんで立ち読みした時、1番最初に紹介されている『くも』の説明文を読んだら、とても悲しくて、優しくて、印象に残ったので購入。 読んでいくうちに、元々は優しい子だったのに、きっと傷ついてしまったり、上手に心が成長できなかったのかなと考えるようになりました。 表現豊かな詩や、創...

本屋さんで立ち読みした時、1番最初に紹介されている『くも』の説明文を読んだら、とても悲しくて、優しくて、印象に残ったので購入。 読んでいくうちに、元々は優しい子だったのに、きっと傷ついてしまったり、上手に心が成長できなかったのかなと考えるようになりました。 表現豊かな詩や、創造性のある詩が多く、また所々にある説明文や写真が、より刑務所の様子や犯罪の背景を理解しやすく補足していて読みやすい構成だと思いました。 ---------- 以下は特に印象に残った詩やメモ書き等 P19の『Bくんの好きな色を2つ聞けてよかった』という意見について。大人でもここまで優しい言葉をかけてあげられる人はめったにいないと思います。 P27-得意なことが一つあればいい。ほめてもらえれば、自信が持てる。 P58-消えた赤い糸 『自分と彼女と 赤い糸で結ばれていたのに 彼女は自殺してしまった 何のために?なぜ? 彼女が嫌いだ でも いまでも好き 赤い糸は どこへ行ってしまったのか? 消えたのか?切れたのか?』 P84-青いイルカの物語 最後の 『青色のイルカは 子どもと泳いだ夢を見ながら てんごくを泳いでいます』の部分が好き。 幸せで、少し悲しい詩だと思いました。 想像力がすごい。 P92-誕生日 一部抜粋 『産んでくれなんて 頼まなかった わたしが自分で あなたを親に選んで 生まれてきたんだよね』 の部分を読んで思わず涙が出ました。 こんな優しい考えをする子が犯罪を犯すなんて思えないなぁ… P102-おかあさん? 一部抜粋 『いちどでいいから かおをみせてよ おかあさん だきしめてよ おかあさん いちどでいいから ぼくのなまえを よんでよ おかあさん』 なんて寂しい詩を書くんだろう… P134-クリスマス・プレゼント 一部抜粋 『サンタさん お願い ふとっちょで怒りん坊の へんちくりんなママでいいから ぼくにちょうだい 世界のどっかに きっとそんなママが余っているでしょう そのママをぼくにちょうだい そしたら ぼく うんと大事にするよ』 寂しかったんだなぁ、愛情に飢えていたんだろうなぁと思いました。

Posted byブクログ

2021/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ストレートな表現の詩が心に響いた。 少年刑務所に入っている子供たちは、冷たくて怖いイメージだったが、普通の子供たちと変わらないと感じた。 むしろ、色々な出来事がきっかけで、心が繊細だったり、敏感に感じている。考えすぎてしまったり、心の中にある複雑な想いをうまく言葉で伝えることができないために犯罪者という結果になったのかと考えた。 普通とはなんだろう?当たり前とはなんだろう?平凡な暮らしってなんだろう? 両親がいること、お金があること、好きな仕事をできていること、好きな人がいること、好きな食べ物を食べること、色々な自分で選択できる自由な生活ができることは当たり前ではない。どれほど幸せなことか考えるきっかけになった。 そして今手にしている幸せを、ずっと感じれるように今行動し、想いを伝え、大切にしていかないといけない。 人の気持ちは環境で変わっていくから、自分が大事にできる人と一緒にいようと感じた。 自分の知っていることが当たり前ではない。 知っているかな?と、まず聞いてみないと相手を傷つけてしまうことがあるということを学んだ。 母を題材に書かれた詩は心にグッときた。 どんな親でもその子供にとってはたった一人のお父さん、お母さん。子供目線でも読んで共感したが、この歳になると親目線になる瞬間があり感慨深かった。 子供たちを見守る、見捨てない社会が必要。

Posted byブクログ