1,800円以上の注文で送料無料

デンデラ の商品レビュー

3.4

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    5

レビューを投稿

2023/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

70歳で小娘扱いの婆シスターフッド熊バトル小説。好きです。これを映画化しよう……8割方、熊と闘っていよう。。 デンデラ創立者の、村への復讐に燃えるメイちゃん(唯一の年齢三桁)を筆頭にタフな婆様がたくさん。口調が丁寧語(ホノちゃん)・ほぼ現代語(マルちゃん)・男前(この2人以外)なので、百合目線が一切無い学園ものみたいに思えてきます。「私」「お前」「貴様」「貴女」だからな…でも婆らしく体力が無かったりするので混乱してくる。 やっぱりマサリちゃんとヒカリちゃん格好良いなぁ。映画版もこのふたりが好きでした。眼帯倍賞美津子さまウットリ。 ソウちゃんが檻の中のカユちゃんと話しに来るシーンとか、イツルちゃんとキュウちゃんが道で言い合ってた後の展開でホノちゃんへの「殺してやる!」とか、ちょいちょい良いシーン挟んできてグッときます。良いシーンか? カユちゃん70年間ものを考えずに生きてきてて周りにびっくりされてて本人もびっくりしてたけど、これがあるのでちょっと達観してるのかなと思ったりしました。人とか獣とかそういう垣根すらなく思考していく…最期には人を超えていく。 本当に、これを映像化しましょう。2時間じゃ足りないしグロいし女優さんたちを熊と闘わせるの危ないから、アニメで良いからさ。これ羆っぽいので尚更大きくて危ない。 「やはり、私がいなければ駄目だったな」…ヒカリちゃん。。 登場人物たちをちゃん呼びしても全く違和感ない。 そうした怠慢をつづけていては下品な恥知らずになってしまうと斎藤カユは思っていました。生者が面白くないという理由だけで死者について考えるのは逃避だと、それでは下品な恥知らずと同じことをしていると思い至りまして、自分自身への失望を高めるのでした。 …等々、この調子の地の文も好きでした。

Posted byブクログ

2022/08/14

逃げるのか?留まるのか?諦めるのか?抗うのか? そう、戦わなければ、明日はない。 五十人の老婆が、コミュニティを形成する現在の姥捨て山「デンデラ」 ある者は自分を捨てた村を恨み、ある者は生き永らえたことを喜び、ある者は穏やかな死を願う。様々な感情が渦巻く隠れ里は、一匹の巨大羆の...

逃げるのか?留まるのか?諦めるのか?抗うのか? そう、戦わなければ、明日はない。 五十人の老婆が、コミュニティを形成する現在の姥捨て山「デンデラ」 ある者は自分を捨てた村を恨み、ある者は生き永らえたことを喜び、ある者は穏やかな死を願う。様々な感情が渦巻く隠れ里は、一匹の巨大羆の襲来により、修羅場と化した。 --------- 姥捨てと羆の来襲。題材としては面白そうだと思ったが、その設定が生かしきれなかった。文体がそぐわない。 また、老婆の名前がいちいち羅列されるのもどうかと思った。

Posted byブクログ

2022/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

終始、登場人物をおばあちゃんに脳内再生するのがむつかしかった。 というのも、おばあちゃんってこんなに動けるものかな?という疑問が最後までぬぐえなかった。 粗末な食事で睡眠もまともに取れず、こんなに日々動けるものか? 場面のリアリティがあるだけに違和感が常にある状態だった。 ラストも、想像させるやり方で終了、主人公生き残らないパターンか。

Posted byブクログ

2022/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

せっかくの秀逸な設定が台無し。熊と戦うんじゃなくて、村や男社会と戦ってほしかった。 村のイヤな爺さんを拉致してきて目を潰して働かせるといったような、ムラへの復讐を描けば面白くなるのに。 文体もまるで小中学生のように稚拙で、重ね重ねせっかくの設定がもったいない。

Posted byブクログ

2021/02/06

姥捨て山に捨てられたはずの老婆達が生き残り、集まり、一つの共同体を作る。閉鎖された世界、派閥と微妙に異なる主義主張となかなか面白い世界観。唯月裕子「最後の証人」今回はトリック気づけた。ラストの持って行き方が良かった。そこでこの人出すのね!って感じで。

Posted byブクログ

2020/03/14

姥捨て山のその後という話。「地獄絵図」という言葉だけでは足りないような、凄まじい世界。 しぶとく生きる、呆気なく死ぬ、その両方がいる。熊が強い。

Posted byブクログ

2020/03/05

クマもの好きとしては気になってた本ですが、なんとなく佐藤友哉さんの本て、とっつきにくそうで敬遠してました。 読んでみたらこれはとても読みやすかったです。 姥捨山に羆をプラスさせるなんてなかなか。 出てくるのはみんな老婆ばかりなのですが、私の脳内ではどうしても若い女性に変換されてま...

クマもの好きとしては気になってた本ですが、なんとなく佐藤友哉さんの本て、とっつきにくそうで敬遠してました。 読んでみたらこれはとても読みやすかったです。 姥捨山に羆をプラスさせるなんてなかなか。 出てくるのはみんな老婆ばかりなのですが、私の脳内ではどうしても若い女性に変換されてました。 「羆嵐」を事前に読んでおいた方がおもしろさがより際立つと思います。

Posted byブクログ

2018/10/26

書割の上を動く書割の登場人物たち。筆者も書割であることを隠すことなく、「これは書割です」と開き直っている節がある。その徹底ぶりは称賛に値するし、物語もまずまず面白い。人物造形は幾分物足りないが、書割を批判できるほど今の私たちは厚みある存在でもあるまい。 解説によれば、深沢七郎の『...

書割の上を動く書割の登場人物たち。筆者も書割であることを隠すことなく、「これは書割です」と開き直っている節がある。その徹底ぶりは称賛に値するし、物語もまずまず面白い。人物造形は幾分物足りないが、書割を批判できるほど今の私たちは厚みある存在でもあるまい。 解説によれば、深沢七郎の『楢山節考』と吉村昭『羆嵐』にインスパイアを受けているらしい。佐藤友哉のツイッターで今村昌平監督の「楢山節考」を観たときの顛末が語られている。

Posted byブクログ

2018/07/10

古い小説かと思ったら、案外と新しかったのでちょっとビックリでした。姥捨て山と熊嵐の合体したような設定でしたが、面白かったです。

Posted byブクログ

2022/09/01

再読。 荒唐無稽な内容で読む人をかなり選びそうなこの作品、自分は結構好き。デンデラの老婆たちの老いてなおギラギラ燃えたぎる凄まじい生命力やぶつかり合う各々の死生観に、自分の中に眠っていた生きる本能のような熱い何かが呼び起こされる。羆との生存競争だけでなく、デンデラの過去の秘密に迫...

再読。 荒唐無稽な内容で読む人をかなり選びそうなこの作品、自分は結構好き。デンデラの老婆たちの老いてなおギラギラ燃えたぎる凄まじい生命力やぶつかり合う各々の死生観に、自分の中に眠っていた生きる本能のような熱い何かが呼び起こされる。羆との生存競争だけでなく、デンデラの過去の秘密に迫っていくミステリー性も意外な醍醐味。 定めた大目標に向かって走り続ける70歳のカユの姿もさる事ながら「誇りとは自分で勝ち取るもの」そう言い切る100歳もカッコよくて仕方ない。

Posted byブクログ