デンデラ の商品レビュー
お婆さんしか出て来ない話。それもたくさん出て来る。ただし、ほのぼの要素は皆無である。 ある意味タイムリーかもしれない。
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姥捨て山に捨てられた老婆達と山の主、熊の闘い。 壮絶で血みどろな感じに賛否両論ありそうな描写。 老婆の心情がいまいちつかみきれないあやふやな文章に、なかなか感情移入できず。 全体としては読まなくてもいい部類かな。
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姥捨て山をモチーフにし、リアルなようでいてある種ファンタジー。 ですます調の柔らかな文体だけど、硬質な文章。 思想、ロジック、肉体的に現実離れした老婆達。 解説を読んで納得。確かにラノベ的。 そう思って読めば違和感も無く。 自分たちを捨てたムラ社会から隔絶した理想郷を作ろうとす...
姥捨て山をモチーフにし、リアルなようでいてある種ファンタジー。 ですます調の柔らかな文体だけど、硬質な文章。 思想、ロジック、肉体的に現実離れした老婆達。 解説を読んで納得。確かにラノベ的。 そう思って読めば違和感も無く。 自分たちを捨てたムラ社会から隔絶した理想郷を作ろうとする穏健派と、 その村に対して復讐の執念を燃やす襲撃派の対立的構造から、 物語が進むにつれて赤背との対決に焦点が絞られて行く― この赤背との対決シーンは手に汗握る展開で引き込まれた。 赤背との邂逅によって大目標を見出したカユの行動… ラストシーンは映画的で、ハッピーエンドではないものの読後感はすっきり。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『1000の小説とバックベアード』でむせび泣いた直後に読んで衝撃を受けるも、仕事風呂睡眠以外の読書時間を使って一気に読了。久しぶりに「中断したくない」本に出会った。 潔く死んで極楽浄土に行くはずだったのに、過去の「お山参り(=姥捨て)」の生存者達に助けられてしまったがために、極楽浄土には行けなくなるわ老婆だけの隠れ里には食料がないわゴツい羆は出るわでもう大変なことに。 しかし死なない以上は生きねばならず、生きるためには思想が、指針が、大目標が必要。そんなの今まで考えたことない。でも考えねばならぬ。どうする斎藤カユ。 全員老婆。しかも世間的には死んだ事になっている人間ばかり。 「ですます」調の地の文とは対照的にシャキシャキ喋る老婆達の口調が、アナザーワールド感を倍増させててイイ!「~なのじゃー」とか言われたら逆に違和感あると思うんですが。どんなもんでしょう。 解説読んでから解説の通りの読み方をしてみると、1冊で2度おいしくて大変にお得な感じ。
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生涯忘れることが出来ない小説を読んでしまった。強烈な作品。 福寿草を踏み駆ける斎藤カユの姿は老婆ではなく、春の訪れに歓喜のあまり思わず疾走する少女のようだ。 映画も見てみたいが、壮大なプロデュースをするなら、AKB48を起用して今から撮影を始めて、50年後、デンデラの舞台を撮るっ...
生涯忘れることが出来ない小説を読んでしまった。強烈な作品。 福寿草を踏み駆ける斎藤カユの姿は老婆ではなく、春の訪れに歓喜のあまり思わず疾走する少女のようだ。 映画も見てみたいが、壮大なプロデュースをするなら、AKB48を起用して今から撮影を始めて、50年後、デンデラの舞台を撮るっていうのはどうだろう。
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◎もともとは、『デンデラ』が映画化になり、その撮影が地元で行われていたのがきっかけで、原作に手を出してみる。 でも、それ以前に、私の地元には、古くから姥捨て山というものが存在していたということを、祖母から聞いていたのもきっかけで、すぐに読みたい!と思い、書店へ。 ◎女という生き...
◎もともとは、『デンデラ』が映画化になり、その撮影が地元で行われていたのがきっかけで、原作に手を出してみる。 でも、それ以前に、私の地元には、古くから姥捨て山というものが存在していたということを、祖母から聞いていたのもきっかけで、すぐに読みたい!と思い、書店へ。 ◎女という生き物は、今も昔もこういう風に見られているんだな、とか、時代は違えども、共感するもの、死に対するそれぞれの考えや、価値観がなんともおもしろい。
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静かに穏やかに、凄まじい物語が語られる。 読み心地のいい話ではないのだが・・・。 よくもまあ、このような大目標を思いついたものだ。 羆を斃すための秘策を。
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解説で法月綸太郎が書いているように,婆さんたちの学園物語.……まあ,普通の学園ものよりは年食いすぎで壮絶なモノだけど.
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面白かった。でも疲れた。 形を変えた、ユヤタン小説。今までみたいなわかりやすい「青春」は存在しないけど、老婆達の言動にユヤタン的青春が見え隠れしてる気がした。 それも、もはや「戦慄の19才」ではなくなってしまった人間が書く小説だと言われるとすごく納得する。自ら脱皮しようとして...
面白かった。でも疲れた。 形を変えた、ユヤタン小説。今までみたいなわかりやすい「青春」は存在しないけど、老婆達の言動にユヤタン的青春が見え隠れしてる気がした。 それも、もはや「戦慄の19才」ではなくなってしまった人間が書く小説だと言われるとすごく納得する。自ら脱皮しようとしてる。 作中内のやり取りで、僕は急に「老い」が怖くなった。描写のうまさもあるのだろう。自分の若さってものの貴重さに我が身が震えた。 ユヤタン…というより、佐藤友哉先生だろうか。この人の書く小説は、いつも僕の心を深く貫いてくる。 この作家とは、一生付き合っていきたい。
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佐藤友哉って、こんな話も書けるんだね。 山に捨てられた老婆達の逞しさと、村の掟の残酷さ、いきなり訪れる死の不条理さ。 熊との死闘や村やデンデラでの生活の過酷さがリアルに、でもさらりと描かれてます。 結構グロい描写とかあるんですが、今まで私が読んだ著者の本と違い、気持ち悪さは感じ...
佐藤友哉って、こんな話も書けるんだね。 山に捨てられた老婆達の逞しさと、村の掟の残酷さ、いきなり訪れる死の不条理さ。 熊との死闘や村やデンデラでの生活の過酷さがリアルに、でもさらりと描かれてます。 結構グロい描写とかあるんですが、今まで私が読んだ著者の本と違い、気持ち悪さは感じなかった。事実として淡々と書かれているからかなのか。ラストの終わり方も好き。 今まで読んだ中で一番面白いと思った。
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