ナニワ・モンスター の商品レビュー
+++ 新型インフルエンザ「キャメル」患者が発生した浪速府。経済封鎖による壊滅的打撃、やがて仄見える巨大な陰謀。ナニワの風雲児・村雨府知事は、危機を打開できるのか?村雨が目論む、この国を破滅から救うための秘策とは―。 +++ 実際の事件や実在の人物を彷彿させる設定で、興味をそそ...
+++ 新型インフルエンザ「キャメル」患者が発生した浪速府。経済封鎖による壊滅的打撃、やがて仄見える巨大な陰謀。ナニワの風雲児・村雨府知事は、危機を打開できるのか?村雨が目論む、この国を破滅から救うための秘策とは―。 +++ 実際の事件や実在の人物を彷彿させる設定で、興味をそそられるのは確かである。われわれ一般人が知らされる事実――と思われることごと――の裏に、現実にはなにが蠢いているかわからないという点において、まさに絶妙に描かれている。だが、著者の主張は決してそれだけではない。初めから一貫して書かれつづけている「AI」導入論に本作でも最後には行きつくのである。結局それか、と鼻白む思いもなくはない。読むたびに刷り込まれているような気にもなるが、嫌なら読まなければいいのに読んでいるのだから仕方がない。いまや高橋克典と化した斑鳩や、仲村トオルと化した白鳥も登場する。時間の流れの扱い方が相変わらず巧みな一冊である。
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海堂ワールド最新作、なのかな?おなじみ田口先生は出てこないけど、白鳥くんはちょっと顔を出す。 今度の舞台は浪速府。明らかに大阪府を模している。地方と中央のあり方、医療行政のあり方を絡めている。 物語としてはちょっと中途半端な感じ。シリーズの一部を為す作品ではあるけれど、単体と...
海堂ワールド最新作、なのかな?おなじみ田口先生は出てこないけど、白鳥くんはちょっと顔を出す。 今度の舞台は浪速府。明らかに大阪府を模している。地方と中央のあり方、医療行政のあり方を絡めている。 物語としてはちょっと中途半端な感じ。シリーズの一部を為す作品ではあるけれど、単体としては物足りない。 もっとも、海堂さんの本当の目的は、作品を通してAiのあり方や医療行政のあり方について国民に広く知ってもらうことなのだろう。
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いつぞやの、新型インフルエンザ騒動をモデルにしているのでしょう。 この著者は、たしか関西の方でしたよね。 日本から大阪は独立してしまえ。 日本からというよりも、東京との別路線で。という主張は、多くの著者がされていますね。 そして、どれも割と面白い。 それだけ、東京や行政府の動き...
いつぞやの、新型インフルエンザ騒動をモデルにしているのでしょう。 この著者は、たしか関西の方でしたよね。 日本から大阪は独立してしまえ。 日本からというよりも、東京との別路線で。という主張は、多くの著者がされていますね。 そして、どれも割と面白い。 それだけ、東京や行政府の動きを感じているということなのでしょう。 Homodelphinusは東京近郊の住人のため、そういった意識は持ちにくいです。。。 AIセンターは医療の元に置かれるべきか、司法のもとにおかれるべきか? さあ、どうなるのかな?
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いつかの新型インフルエンザ騒動の厚労省の動きに対する皮肉と言うべきでしょう。 私は医療者側ですが、あの当時の騒動はさすがに異常だった、という思いが残っています。 病気であればそれが風邪だろうと人は死ぬこともあります。インフルエンザは特別かもしれないけれど、何ゆえあそこまで感染者排...
いつかの新型インフルエンザ騒動の厚労省の動きに対する皮肉と言うべきでしょう。 私は医療者側ですが、あの当時の騒動はさすがに異常だった、という思いが残っています。 病気であればそれが風邪だろうと人は死ぬこともあります。インフルエンザは特別かもしれないけれど、何ゆえあそこまで感染者排除に躍起になったのか不思議です。 空港以外に港、人の移動、潜伏期間、いろいろな要素が絡み合って流行というものはそう簡単に防げないというのは医療現場にいるものなら当然知っていることです。 それを思い出しながら本書を読むと本当にバカバカしくなりました。フィクションだとわかっていてもあのときの現場の混乱を思い出すと、切り離して読むのが難しかったです。 結局お上の対応に振り回されていつも苦労するのは医療の最下層で働く私たちです。 この騒動を収めたあとの話は、きっと続編が書かれるのだろうと思います。医療を主とした地方自治がメインでしょうが、それと解剖率をつないでいるのが興味深いです。
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ま、言いたいことがあって小説の形を借りているからしょうがないんでしょうけど。 エンタメの名を借りた主張、っていうののバランスがちょっと崩れてきているかな。 当初から良くも悪くも首尾一貫しているから、そんなものかもしれませんが、、 ストーリー的には橋下府知事、石原都知事もど...
ま、言いたいことがあって小説の形を借りているからしょうがないんでしょうけど。 エンタメの名を借りた主張、っていうののバランスがちょっと崩れてきているかな。 当初から良くも悪くも首尾一貫しているから、そんなものかもしれませんが、、 ストーリー的には橋下府知事、石原都知事もどきの人が出てきて、新型インフルエンザとの戦いを通してそれを霞が関対地方、という代理戦争にしている、みたいな。
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チームバチスタシリーズも桜宮市を離れ浪速の地に辿り着いた。ストーリーの主題は相変わらずAiであるが、橋下大阪府知事をモデルにした登場人物が中心となってストーリーは展開する。一昨年流行ったインフルエンザをモチーフにしており、その時の厚労省の無能さからアイデアが出た物と思われるが、そこに厚労省官僚の悪巧みあったとしてストーリーは組み立てられる。しかし、実際は世界中が大した毒性もないインフルエンザに騒いだのであって、厚労省の無能さは相変わらずだが、悪巧みは後の利権に持って行っただけだと思う。最近の海堂尊は小説を書くというより、小説を使って官僚批判、特に厚労省批判しているように思う。話が錯綜し、なかなか話の先が読めなかったが、何とか決着したという感じの話だ。
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浪速でスカラムーシュ彦根が暗躍する。 天下三分の計がでてきたり、話自体は滑稽であるが、彦根というキャラクターや斑鳩のおかげで痛快である。 終章の両雄並び立たずでは、村雨府知事が究極の選択を迫られ検察という巨大な組織を味方につけるという選択をしてしまう。 彦根がちょっとかわいそうになった。浪速のAiセンターは司法のものになってしまい、東城大学のAiセンターと対立していくことになるのだろう 。今回は白鳥がちょっとしか出てこなかったが、彼の同期がまた増えてしまった。国見淳子は今後どんな活躍を見せるのか、加納ような出番があるのか、いや、たぶんないかも。完全に厚生労働省の手駒としてしか扱われてないし。本田苗子のほうが可能性あるかも斑鳩の手下として。 データで納得させようとするのは医学者としての性か。 桜宮から始まったこの話も極北市、万台市、浪速市、太宰市と全国に展開してきた。桜宮と浪速でAiセンターの話が続くのであろうが、今後どのように展開していくのだろうか。もう田口っていらなくね?感がなくもない。
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今回は新型インフルエンザの大騒動や道州制を取り上げながら、痛烈な官僚批判です。 でも、ただの読み物ではなく・・・ 新型インフルエンザの時の異常な大騒動は我々はみんな知っているのに、滑稽なほどの厚生労働省の対応とマスコミ報道。 官僚とマスコミ、いろいろなものが見えてきます。 また、将来の日本のあり方も提示されています。 是非この本も出来るだけ多くの人に読んでもらいたい一冊です。 最後は次回にいつながるのでしょうが、ドキドキのまま終わっています。 早く次の作品も読みたいと思います。
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おそらく、この続編にあたる作品がいつか出るのであろう。そこまで読まないと評価しにくい。 地方自治体やAiについてはもちろんのこと、町医者親子が医師会の改革に携わるのかな、とか極北の世良先生の活躍もいつか出てくるのかな、とか喜国・毛利コンビや鎌形チームの登場とか、とにかくこの一冊だ...
おそらく、この続編にあたる作品がいつか出るのであろう。そこまで読まないと評価しにくい。 地方自治体やAiについてはもちろんのこと、町医者親子が医師会の改革に携わるのかな、とか極北の世良先生の活躍もいつか出てくるのかな、とか喜国・毛利コンビや鎌形チームの登場とか、とにかくこの一冊だけではすっきりしない。 ここからまたどれだけのストーリーが派生していくんだろう。 頑張って付いてきて良かった、と思えるようなエンディングになることを願っています(逆に言うと、話が広がり過ぎて不安)。
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スカラムーシュ(おおぼらふき)の彦根と浪速府知事をメインに繰り広げられる中央対地方の権力闘争ドラマ。 中央よりの道州制による経済的独立を目論む浪速府に対して、弱毒性新型インフルエンザ「キャメル」をもって浪速府を兵糧攻めしてくる中央東京都という構図を語る前半部分はすごく面白かった...
スカラムーシュ(おおぼらふき)の彦根と浪速府知事をメインに繰り広げられる中央対地方の権力闘争ドラマ。 中央よりの道州制による経済的独立を目論む浪速府に対して、弱毒性新型インフルエンザ「キャメル」をもって浪速府を兵糧攻めしてくる中央東京都という構図を語る前半部分はすごく面白かった。 小さな診療所の老医師が抱く政府・厚生労働省に対する疑問にもううなずくしかない状態。 その後の展開がちょっとしんどかった。 つまるところ面白くなくて読み進めるのが苦痛だったということなのですが・・・。 スカラムーシュ彦根というキャラクター自体に私は余り魅力を感じないんだなぁ、と再認識した1冊になりました。 一瞬出てくる白鳥。 見え隠れし蠢いている斑鳩。 ちらりちらりと面白くなる要素はあるのだけど弱い。 中学生未満しか罹らなかったあの新型インフルエンザに対して、水際作戦として仰々しい防護服とマスク姿を晒して消毒作業をしてみせた厚生労働省のあのやり方を思い出す。 でもあの騒ぎをきっかけに、「うがいはほぼ意味が無い」「マスクは発病者がすべきもの」「感染予防にマスクは無効」「手洗いは重要」「人ごみへはなるべく行かない」「部屋を乾燥させない」等本当の予防に必要な知識が広く国民に知られることとなったのは良かったとは思う。 海堂尊さんが何を言いたかったかはよくわかった。 でも小説としては私の中では「イノセントゲリラの祝祭」「夢見る黄金地球儀」に続く海堂ハズレ作品になりましたw
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