哄う合戦屋 の商品レビュー
テンポが良く非常に面白かったです。 歴史物の体を借りた空想小説なので、歴史物にある人物関係の複雑さや背景などはかなり薄いです。 歴史物と思って読むと少し拍子抜けしてしまうかも知れません。 テンポの良さが、物語を薄くしている感は否めないものの非常に良いストーリーで、ラストもベタな感...
テンポが良く非常に面白かったです。 歴史物の体を借りた空想小説なので、歴史物にある人物関係の複雑さや背景などはかなり薄いです。 歴史物と思って読むと少し拍子抜けしてしまうかも知れません。 テンポの良さが、物語を薄くしている感は否めないものの非常に良いストーリーで、ラストもベタな感じはあるものの途中のストーリー展開で上手く仕上げられています。
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主人公、石堂一徹の野望。 それは、主を疑心暗鬼にさせてしまうほどの才能。自身を張良、孔明になぞらえ、孤高の天才が才を遺憾なく発揮させる。 若菜という、良き理解者を得られるも主君には恵まれず身の置所がなくなっていく。 この手の史実のなかに仮想の人物を描くのはよくあるが、面白いといえ...
主人公、石堂一徹の野望。 それは、主を疑心暗鬼にさせてしまうほどの才能。自身を張良、孔明になぞらえ、孤高の天才が才を遺憾なく発揮させる。 若菜という、良き理解者を得られるも主君には恵まれず身の置所がなくなっていく。 この手の史実のなかに仮想の人物を描くのはよくあるが、面白いといえばそうでもない。
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きれいな起承転結。 カエサルのガリア攻略を思いながら読みすすめたが、カエサルほどの度量、カリスマ性にかけるなら、普通であるほうがどれだけ幸せか。でも、一徹は、これはこれで「悔いなし」なのでしょう。
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現代人の感覚で書いたif時代劇小説というカンジ。 主人公の一徹は禄には興味が無く、自分の合戦屋としての才能を世に知らしめたいという静かだけど激しい欲望を叶えることしか頭にない人物。 という風に描かれている人が徐々に姫との交流で人間らしい面を見せるというのが微笑ましく思えた。 で、...
現代人の感覚で書いたif時代劇小説というカンジ。 主人公の一徹は禄には興味が無く、自分の合戦屋としての才能を世に知らしめたいという静かだけど激しい欲望を叶えることしか頭にない人物。 という風に描かれている人が徐々に姫との交流で人間らしい面を見せるというのが微笑ましく思えた。 で、実際の合戦のシーンというのがあまり迫力を感じなかった。 ワタクシはそんなに時代劇小説を読んだことない素人ですが、その前に読んだ司馬遼太郎とかだと泥臭いというか、人物の息遣い、緊張感まで伝わってくるようでドキドキしたりした。 この作者の描写はとてもわかりやすいのだけれど、その泥臭さというか緊張感があまり伝わってこない。 主人公がかなりの無敵ぶりで描かれているのもそれに拍車を掛けているのかもと思ったけど… でもとても読みやすかったです。 そんな出来た人物いねーよwと思いましたけど、そういう意味でもファンタジーとしてとても楽しめました。
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群雄割拠の戦国時代。その中で生きる、とある流浪のお侍さんの話。 出だしは「?」と思いましたが、いつの間にか引きこまれてました。これを読んで、かき餅を無性に食べたくなったのは僕だけじゃないはず。架空の登場人物ですが、その特殊な人物像に惹きこまれました。
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誰もが知っている戦国武将(武田信玄とか)たちの狭間で活躍する人を描く戦国時代小説というのは、なんとなく、大きな時代の流れの中で、どのように「中程度」でもキラリと光る人が活躍するのかを描いているという意味で面白いものが多い。この本も、そんな小説の1つだ。 ただ、本屋さんでの平積み...
誰もが知っている戦国武将(武田信玄とか)たちの狭間で活躍する人を描く戦国時代小説というのは、なんとなく、大きな時代の流れの中で、どのように「中程度」でもキラリと光る人が活躍するのかを描いているという意味で面白いものが多い。この本も、そんな小説の1つだ。 ただ、本屋さんでの平積みのされかたや帯を見ると、そこまで極端にわくわくして面白いというわけでもなかった。むしろ、主人公である石堂一徹というキャラクターの特異な生き様に渋さを感じるかどうかが意見の分かれ目ではないだろうか。 現代の「時代小説」の新しい書き手として台頭した筆者は今後も期待したい。
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出だしはそれほどでもなかったが、後半グイグイきた。合戦歴史物というより恋愛物かなとも思う。大志をもつ主人公とこの時代の愛情を自分からは表現できない姫だが、高い美意識を持つものしか分からない感覚を二人で共有することで、愛情を交換する描写が美しい。ラストはエンターテイメント姓を高めす...
出だしはそれほどでもなかったが、後半グイグイきた。合戦歴史物というより恋愛物かなとも思う。大志をもつ主人公とこの時代の愛情を自分からは表現できない姫だが、高い美意識を持つものしか分からない感覚を二人で共有することで、愛情を交換する描写が美しい。ラストはエンターテイメント姓を高めすぎ、軽くなってしまったところが残念。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「奔る合戦屋」の前作だが、ストーリーとしてはこちらが後。読むのも「奔る合戦屋」を先にした方がいい。 戦国の侍・石堂一徹は遠藤吉弘という武将(実在ではない)に仕えるようになる。吉弘は内政には能力があったが、武将としては凡庸。そこに一徹が入ることで領地が急拡大する。そのうち吉弘と一徹の軋轢が目立つようになり… ストーリー的には、凡庸な領主と才気あふれる一徹との蜜月と決裂という「奔る合戦屋」と似たパターン。本作では吉弘の娘・若菜との交流が色を添えている。
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テンポの良いエンターテイメント系時代小説と思って手にとったが残念だった。 石堂一徹 大志があり才にも恵まれているこの男が何故、諸国を放浪すること数年に及ぶのか。 結局そのことに終始してチットモ面白くなかった。 戦国時代という別の倫理ということも強調しすぎ、結局男女の間は...
テンポの良いエンターテイメント系時代小説と思って手にとったが残念だった。 石堂一徹 大志があり才にも恵まれているこの男が何故、諸国を放浪すること数年に及ぶのか。 結局そのことに終始してチットモ面白くなかった。 戦国時代という別の倫理ということも強調しすぎ、結局男女の間は古今東西変わらないのだからもっと艶ぽく描けばよかったのにもっとエンタメ系に仕上げてよ。 自嘲の わらうにしか感じられない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
中信濃を舞台にした架空のお話です。 武田晴信、小笠原長時、村上義清という歴史上の人物を絡めて、塩尻峠の戦いから林城陥落までの南信濃の歴史の流れをうまく表現していると思います。 個人的には、主人公の石堂一徹の微妙なリアリティがとってもいい感じでした。本当にこういう武将がいたのではないかと、思わず調べたくなります。(猛将として名をはせた村上義清の元家臣という設定がツボです) 作家さんのデビュー作なので若手なのかなと思ったら、サラリーマンを定年退職してから物書きになったということ。そちらにもびっくりしました。 次回作に期待です。
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