哄う合戦屋 の商品レビュー
2011.05.30 これは面白かった。 最後がなんとも言えない感じだったが、これしかなかったのかも。 続編があるらしいので、読んでみたいと思う。
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書店の硬そうな歴史小説コーナーに、漫画風の表紙が平積みで目立っていたので購入。 読み進めていくと…あれ、恋愛小説だっけ!?という具合に 主人公とヒロインの不器用な交流が描かれます。 寡黙で無骨な主人公。天真爛漫さと大人びた感覚を持ち合わす幼いヒロイン。 キャラクター設定や、陰...
書店の硬そうな歴史小説コーナーに、漫画風の表紙が平積みで目立っていたので購入。 読み進めていくと…あれ、恋愛小説だっけ!?という具合に 主人公とヒロインの不器用な交流が描かれます。 寡黙で無骨な主人公。天真爛漫さと大人びた感覚を持ち合わす幼いヒロイン。 キャラクター設定や、陰気な主人公が高らかに哄う印象的なラストシーンなどから、 何となくですが映画「レオン」を連想しました。 若菜の父で一徹が身を寄せる君主である遠藤吉弘の葛藤、 言葉少なく語られる一徹の洞察・持論などは、現代風の組織論としても読み取れる。 さっくり面白く、さわやかな読後感でしたが、歴史小説という感じは最後まで受けませんでした。 裏表紙には、“戦国エンターテインメント”という出版社の紹介が、、 うん、納得です。
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戦国時代早期の中信濃が舞台。 孤高の武人、石堂一徹が遠藤家に雇われることから物語が始まる。 石堂一徹の軍才、若菜姫の魅力、そして遠藤吉弘の苦悩が見事に描かれており、とても楽しめた。 続編が出るようなので期待。
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全1巻。 のぼうの人かと思って買った。 別人。 びっくり。 いいよ、これ。 物語の舞台は戦国初期の中信濃。 ちょっと有名になりだした武田信玄ががんばりだして、 信濃統一のりだすあたり。 そこに天才軍師な主人公が流れついてって話。 主人公はフィクションぽい。 デビュー作で、こ...
全1巻。 のぼうの人かと思って買った。 別人。 びっくり。 いいよ、これ。 物語の舞台は戦国初期の中信濃。 ちょっと有名になりだした武田信玄ががんばりだして、 信濃統一のりだすあたり。 そこに天才軍師な主人公が流れついてって話。 主人公はフィクションぽい。 デビュー作で、この人も新人らしいけど、 のぼうほどマンガでライトな感じじゃなく、 スッキリ目なんだけどちょっと重厚。 主人公の造形によって、 やや暗めで重めの空気が底にただよってんのを、 周りの姫とか若いのとかじじいとかが いい感じにフランクに。 うまいなあと思ったのがタイトルと合戦シーン。 主人公が数々の合戦を天才的な才能で勝利に導いていくんだけど、 戦闘描写は2回だけ。 最初と最後の方の。 うち、打ち物とって闘うシーンは つかみである最初だけ。 "合戦屋"なのに。 これが全体をサラッと重すぎない感じにしてて、 かつ、理想の世のために戦争してるとかじゃない、 "合戦屋"っていうプロフェッショナル感の演出にも なってる気がする。 で、"哄う"ってタイトル。 笑わんから。 むしろ陰鬱だから。 主人公。 だからこそのラストの見せ場。 もうね。 鳥肌たった。 鳥肌たつわ。 終わり方とかも伏線が効かされてて、 すごく計算された構成だと思った。 前半少し余計かもだけど。 主人公はたぶんフィクション、舞台もマイナー。 引きとしては弱いけど、ちょっと読んだらすぐ引き込まれる。 マイナーなだけに知らん人でも取っ付きやすいかも。 でも、引きが弱いからってこの表紙はもったいない。 確かに中高生とか歴女とか引っ張ってこれそうだけど、 これはそれなりに読んだ人もぐっときそう。 けどそれなりに読んでる人はこの表紙には抵抗あると思う。 というかあんま読んでない人とか歴女とか子供には むしろ物足りないって取られそう。 人物造形とかちょっといぶし銀な感じだし。 最後のじじいとの漢なやりとりとか すこし池波感じたし。 漢の切なさってのが感覚としてないと いまいちピンと来ないかも。 表紙以外は、久しぶりに当たりみっけたって感じ。 のぼうより好きかも。 というかのぼうの二番煎じ感な評価がもったいない。 別物なのに。 表紙のせいで。 すごい損してる。 新人だけど、60代とからしい。 是非長生きして、たくさん書いてほしい。
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実際にはいない武将、実際にはない戦いですが それが歴史の中にうまくマッチしています。 天才軍師、石堂一徹は実在して、領主遠藤吉弘の元で力を発揮していたのではないかと 幻想させられます。 語りつくされた戦国の姿ではなく、きっとこれからはこういう物語が主流になって くるように感じま...
実際にはいない武将、実際にはない戦いですが それが歴史の中にうまくマッチしています。 天才軍師、石堂一徹は実在して、領主遠藤吉弘の元で力を発揮していたのではないかと 幻想させられます。 語りつくされた戦国の姿ではなく、きっとこれからはこういう物語が主流になって くるように感じます。 ちょっとばかし手を加えた実話よりも、こんなおもいっきりフィクションの方が 逆に清々しくていいなぁ~と僕は感じました。 登場人物は、とっても人間らしく 現在に置き換えても分かりやすい設定です。 才能は多岐にわたり、戦上手、大局を見る目もありながら人望は全くない主人公石堂一徹 人望はあり、内政を得意として、家臣を従える力もあるが、大局を見る目に乏しい領主遠藤吉弘 そして吉弘の娘で、一徹に惹かれながら、父吉弘と一徹の夢を助け、領民の支えになろうと するも、そんな自分に気疲れしていく若菜 そしてそれ以外にも登場してくる家臣や敵武将などもみんな個性豊かで 読んでいて、状況が思い浮かんでくるようでした。 特に合戦の描写がいい!! 最後の合戦などは、武将たちの配置がすごく分かりやすくて、戦国好きにはたまらんでしょう。 「のぼうの城」を越えて、戦国歴史小説の「マイ ベスト 本」に躍り出ました!!
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果てしない大望と、それに伴う何という孤独。 それでも、これっぽっちもぶれない石堂一徹の生き様には、嫉妬したくなるほどの究極のカッコいい男の姿がある。 そして、それを見つめる若菜の、これまた途方もない人としての深さと女らしさ。 読み終わってはじめて、「これって、ラブストーリーやった...
果てしない大望と、それに伴う何という孤独。 それでも、これっぽっちもぶれない石堂一徹の生き様には、嫉妬したくなるほどの究極のカッコいい男の姿がある。 そして、それを見つめる若菜の、これまた途方もない人としての深さと女らしさ。 読み終わってはじめて、「これって、ラブストーリーやったんやなあっ」て思った。 もともとそういう話は苦手やのに、そうと気付かずに、最後まで一気に読まされてしまった。最後は泣けたし。 傑作。
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