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崩れる の商品レビュー

3.3

114件のお客様レビュー

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2026/02/08

貫井氏の短編集とはめずらしいと思って本の最後を見たら自註解説というのがあった。なるほど、初めての短編集ということらしい。人生のある側面を切り取ってみせる著者のたしかな視点にはいつも関心するところなので、短編というスタイルでそれをどのようにさばいているのか興味を持って読んだ。 「崩...

貫井氏の短編集とはめずらしいと思って本の最後を見たら自註解説というのがあった。なるほど、初めての短編集ということらしい。人生のある側面を切り取ってみせる著者のたしかな視点にはいつも関心するところなので、短編というスタイルでそれをどのようにさばいているのか興味を持って読んだ。 「崩れる」時に狂気のきっかけはほんのささいなこと。日常のささいな歪みの積み重ねが狂気を生む。しかし、それは、別の世界への扉になっているかもしれないではないか? 「追われる」この話に出てくる男をストーカーのようなものにしてしまったのは何だろう?中途半端なやさしさなどというものは本来は必要ないものだ。しかし、ビジネスライクに徹し切れない職業というのはあるものなのかもしれない。 「誘われる」公園デビューというのも、ぼくにはよくわからない社会現象のひとつだ。ある種の閉じた人間関係を人がときに切望するのはたしかだが……。ほんとうに、何かに属さねば生きていけぬものだろうか?少なくても無理に属そうとする必要はないように思うのだが……。

Posted byブクログ

2025/11/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 ツイッターで表題作の「崩れる」が話題になっていたので読んでみた。 この作者の作品を読むのは初めてだと思う。アンソロで読んだかもしれないが覚えていない。 総じて女性の心理を描くのが上手いなという印象。 ダメ男に対する女性の辛辣な評価まで描かれているので、作者は自己内省も込めて描いているのか?とも思った。各キャラのダメなところもきちんと描いているところが面白い。 以下、各話の感想。 「崩れる」(小説すばる94年11月) パート終わり、夏の暑さにうんざりしながらバスに乗り遅れるところが印象的。そして乗れたバスでも定期が切れて両替もしてくれない、という目に見舞われる。 この出来事で主人公芳恵は『異邦人』みたいに、太陽のせいと言う殺人者になったのかなあと思った。 『異邦人』では母親の死について涙を見せない非人間性を異邦人として扱うが、今作では、「あんな家族なら、もう二度と欲しいとは思いません」で終わるのが良い。 「怯える」(小説すばる95年4月) 主人公哲治は元カノに怯え、妻は夫の浮気に怯えていた、という話。 夫婦がちゃんと話し合えば起きなかった話。 過ぎてしまえば笑い話になりそうな着地点で面白かった。まあほんと洒落にならんが。 哲治が赤ん坊のことを最初から気にしているのがちょっと新鮮。育児書を自分から読む父親、というのが現代でやると優等生に見せたい、みたいなニュアンスを受け取ってしまうが、昔に書かれたもの、というとそのフィルターを外して見れるので、素直に偉いじゃん、の気持ちになれる。普通のことを普通にやってて偉い。 「憑かれる」(小説すばる95年8月) 幽霊オチとは思わなかった。だからやけに手が冷たいと描写されていたのか。 誰も呼ばれてないのは、復讐目的?と思ったけど、幽霊とはね。 お店の人はその分個室を開けて置かないといけないから、その代金とかって…という細かいところが気になった。 周りの男を不幸にさせる運命だとしても好きな男を手に入れたくなったのすごい。男のほうが本気にしなかったからだが。死んでからも恨んでない様子なのもすごい。 「追われる」(小説すばる95年11月) ストーカーの話だけど、ストーカー自体知名度が無かったらしくて、それ知らずに書いたの!?すご!だし、結婚相談所のセミナーもよく知らずに書いたらして、それもすごい。 「壊れる」(小説宝石94年11月) 主人公は上司にチクられたと思ってるっぽいから、女性社員からゲットした情報なら上司の不倫相手の女性社員がチクったのでは、と思う。 不倫についても男は左遷で女性は退職、という差も理不尽ですごいな。 交通事故あったら、会社に報告しといたほうがいいなと思った。 「誘われる」(小説すばる96年3月) 信頼できない語り手だったとは。 育児ノイローゼについてはもうちょっと手がかり欲しかった。 ママ友が出来なくて孤立する描写は面白かった。今ならネットとかに書き込んで愚痴を語り合えるだろうけど、昔は手段が限られているからなあ。 現実的なとこだと実母に泣きつくとか? 親子関係が良くないと取れない手段だが。 「腐れる」(小説NON96年10月) 匂いに敏感になるのは面白い。妊娠すると体質が変化して匂いがダメになるというのはよく聞く。食べられるものが変わるとかも。 そこからお隣さんが気になるというのが面白い。 父親死んだのかな。いつ死んだのか。娘を実家に預けてから? 殺しちゃったから娘を預けて偽装工作してたとか? でもまず死体を片付けたほうが良いのでは。匂いが残っちゃったとか? 「見られる」(小説すばる96年12月) 最後の最後に婚約者からの電話かもしれない、という余韻を残して終わるのが面白い。 よく知らない相手に見られている恐怖とよく見知った相手から見咎められていたと知る恐怖。どっちも怖い。

Posted byブクログ

2025/09/01

『慟哭』から貫井さんのファンになり、読むのは2冊目。 やっぱり度肝を抜かれたのは1話目。 男性なのに世の中にいそうな主婦像や夫婦関係、それにまつわるちょっと不穏な感情を抜き出すのが上手な方だなと思う。 話によって趣向が違うものもあって楽しめた! 描写が鮮明でわかりやすく、とても読...

『慟哭』から貫井さんのファンになり、読むのは2冊目。 やっぱり度肝を抜かれたのは1話目。 男性なのに世の中にいそうな主婦像や夫婦関係、それにまつわるちょっと不穏な感情を抜き出すのが上手な方だなと思う。 話によって趣向が違うものもあって楽しめた! 描写が鮮明でわかりやすく、とても読みやすい文章ですぐに読了。これからもいろいろと読んでいきたい!

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2025/07/18

自分以外の人と生活するって難しい。 そう感じることが多い。 家族という存在でさえ、私にとっては難しい。 同じ血を分け合っているのにあまりにも理解できない。 でもそれで当然なのだ。 血縁あれど、人格は別だからこそ理解できなくて当然なのに、私たちはなせが「家族なのに」という言葉...

自分以外の人と生活するって難しい。 そう感じることが多い。 家族という存在でさえ、私にとっては難しい。 同じ血を分け合っているのにあまりにも理解できない。 でもそれで当然なのだ。 血縁あれど、人格は別だからこそ理解できなくて当然なのに、私たちはなせが「家族なのに」という言葉に縛られている。 貫井徳郎さんの「崩れる」は、 どこにでもある対人とのできごとを、貫井ワールドで描いている。 基本的にあまり救われないオチが多い。 でもなぜか「そりゃそうなるよ」とか「まあそうだろうね」という感情がでてくる。 人と関わる以上、100%同じ考えがない以上、 バグのような事象はなくならない。 そんな部分をかなりリアルにそして、嫌な雰囲気にできる貫井さんの文章にどんどんハマってしまう私がいるのだ。

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2024/11/08

短編集である。 ただどの作品も不思議な錯覚を起こしたり妄想を掻き立てるような展開が散りばめられている。 日常的にあるようなシチュエーションは恐怖を感じる部分もありドンドンと引き込まれた。

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2023/12/15

結婚をテーマにしたミステリー系短編集としては、よく出来た作品と思いますが、同作家の他の作品に手が出るか?と言えば…ですかね

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2023/09/03

短編集。 結婚にまつわるとか大好物すぎるやつ 表題の「崩れる」が一番好きです。まあ、オチはそうなるよねって感じなんですが、(人間の)「クズ」という強い表現が全面に出てくるあたり、クズはこうなるべきだよなと思ってしまいます。 あと良かったのは「誘われる」です。あーこういううざい人...

短編集。 結婚にまつわるとか大好物すぎるやつ 表題の「崩れる」が一番好きです。まあ、オチはそうなるよねって感じなんですが、(人間の)「クズ」という強い表現が全面に出てくるあたり、クズはこうなるべきだよなと思ってしまいます。 あと良かったのは「誘われる」です。あーこういううざい人実際いるよなーというところからのオチがひどすぎた。怖い。

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2023/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後の見られるって、早く寝ろまた遅刻するぞって最初に言われてたけどそれもゴミからは分かんなくない?しかもその時康平隣にいたやん どーいうこと〜!!!!!!! つまり犯人3人くらいいるってこと?? 向かいの家の40代きもおじ、康平、あと誰?課長?

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2023/07/18

自註解説にて、収録の全8作とも90年代に書かれたものと知って腑に落ちた。 時代は令和。舞台は平成初期。 そのため少しそぐわない要素はあるけれども苦なく読める範囲。 8作とも全てどことなく気持ち悪さが残る読後感。 この背筋がゾッとする感覚は、酷暑にはうってつけかもしれない。

Posted byブクログ

2023/06/08

本の感想も含めて、飛鳥ちゃんへ 飛鳥ちゃんを好きになっておすすめの中から 1冊目に読んだのがこの本でした! 私は、感動する話よりも、 救いのない話が好きなので、 飛鳥ちゃんのことがもっと好きになったことを 覚えています。 というのも、私は時には人生のサイクルによって 個の戦いに入...

本の感想も含めて、飛鳥ちゃんへ 飛鳥ちゃんを好きになっておすすめの中から 1冊目に読んだのがこの本でした! 私は、感動する話よりも、 救いのない話が好きなので、 飛鳥ちゃんのことがもっと好きになったことを 覚えています。 というのも、私は時には人生のサイクルによって 個の戦いに入る時があります。 周りは難なく生きてるように感じて 自分だけが世の中から浮いて見えます。 私の場合は、その戦いには感動した話は 連れていけないのです。 感動を励みに回復を待つことはできないです。 本のようにやれないと考えてしまい、 余計に世の中との格差を感じ、責めてしまいます。 そんな時に暗い話も戦いに持ち込めないのですが、 予防として読むことは可能だと思っています。 自分の中で、それで通っていた常識が 突然否定され、無意味になってしまったり、 突然自分に厳しくなって追い詰める時が 私にはあるようです。 元気な時に暗い話を色々読んで、 考え方や、価値観、飛鳥ちゃんの感想とか、言葉を吸収しておこう。 個との戦いに備えるために飛鳥ちゃんを好きに なったのかなぁ。と思うことがあります。 飛鳥ちゃんの言葉は、自分に響くことが多く、 とても好きなので、 雑誌、写真集でも文章が楽しみで 1番最初にじっくり読みます。 次の戦いはいつかな。悪いサイクルには 自分までも一緒に悪くならず、 できる範囲で努力すること。 なんとか生き延びて、命を守ること。 私みたいな子もいることを思い出してください。 飛鳥ちゃんが世の中にいることで 人生に大きく貢献し、助けてくれたこと、 飛鳥ちゃんを思うだけで、温かい気持ちと 幸せに包まれること。 飛鳥ちゃんに出会えてなかったら 私は人生に対して自分に対して めちゃくちゃ否定的だったと思います! 飛鳥ちゃんが初めてです。 私も毎日お祈りしたり、更新したり、 パワーを贈るのでお互い元気でいましょう!

Posted byブクログ