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崩れる の商品レビュー

3.3

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    59

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2022/10/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

*崩れる女、怯える男、誘われる女……ストーカー、DV、公園デビュー、家族崩壊など、現代の社会問題を「結婚」というテーマで描き出す、狂気と企みに満ちた、8つの傑作ミステリ短編* 一つ一つがとても丹念に緻密に書かれた、完成度の高い短編集です。 日常に潜む昏い部分を丁寧に切り取ったような作品たち。一見してやったりと思われる出来事が最後には自分に跳ね返ってくる「追われる」のような展開、ぞっとしますがさすがです。

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2019/05/11

結婚にまつわる八つのミステリー短編集。ダメ夫と息子との生活に疲れた妻が事件を起こす「崩れる」。元恋人のストーカー行為に悩む夫の「怯える」。高校の同級生の食事会に招かれる「憑かれる」。結婚相談所のセミナーで模擬デートの相手をしたことからストーカー行為を受ける「追われる」。自動車事故...

結婚にまつわる八つのミステリー短編集。ダメ夫と息子との生活に疲れた妻が事件を起こす「崩れる」。元恋人のストーカー行為に悩む夫の「怯える」。高校の同級生の食事会に招かれる「憑かれる」。結婚相談所のセミナーで模擬デートの相手をしたことからストーカー行為を受ける「追われる」。自動車事故の相手の上司の不倫を告発した報いを受ける「壊れる」。新聞の投書で知り合った子供を持つ奥さん同士の付き合いが思い込みから殺意に代わる「誘われる」。近所の腐った匂いに悩む主婦の疑心暗鬼を描いた「腐れる」。匿名の電話で私生活を暴露される恐怖に怯える結婚間近の女性「見られる」。

Posted byブクログ

2019/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

結婚にまつわる短編集。 どんでん返し…まではいかないかもだけど、最初の目線がバシバシひっくり返されるのは読んでて気持ちよかった! とくに、不倫の話ね!

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2019/04/13

「崩れる 結婚にまつわる八つの風景」 狂気と企みにみちてる。 「る」で終わるタイトル達を見て、ガリレオシリーズみたいだなと思いながら、94年の「小説すばる」に掲載された表題作を筆頭に96年末までに発表された8編が収録されている本書を手に取る。 94年となれば、携帯は全然普...

「崩れる 結婚にまつわる八つの風景」 狂気と企みにみちてる。 「る」で終わるタイトル達を見て、ガリレオシリーズみたいだなと思いながら、94年の「小説すばる」に掲載された表題作を筆頭に96年末までに発表された8編が収録されている本書を手に取る。 94年となれば、携帯は全然普及していなく主力は固定電話で、パソコンは個人で所有出来る程リーズナブルではなく、ストーカーやDV、公園デビュー、ママ友と言った用語も社会にがっつり浸透する前になる。IT技術の進歩は予測出来ないものだが、社会・マスコミが広めようとする用語も同じくらい予測がつかないが、本書はそれを見越した様な短編になっており、先見の明があるように見受けられる。 副題には、結婚にまつわる八つの風景、とあるが、人間関係の距離感がテーマとなる。他人ならば当然のこと、家族だとしても夫婦や恋人だとしても距離感は大切で、互いの時間がスムーズに進む上では不可欠なもので、距離感を上手く保つのは難しいと感じる。懐に入るのが非常に長けた人がいるが、あれは相手との距離を詰める、又は引くその匙加減が上手いに違いないと見ている。 一番インパクトがあるのは「崩れる」。主婦の大変さを理解しているからこそ、ホラーに昇華することが出来たのではないかと見る。登場する旦那は世界最強クラスのカスで、息子もなかなかのカスな上、双方とにかく話が出来ないレベルのカスである。これであれば、主婦だろうが、神様であろうが、サクッとスパッとして、すっきりしたくなる。 切り口がそれぞれ違う短編が詰まっており、貫井徳郎の成長記録となっている。

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2018/11/26

初めて読んだ貫井篤郎氏の短編集。 結婚・家族にまつわるエピソードを収録。 どれもハッピーエンドとは言い難く 物語とはいえ、あながち無いとも言い切れない 有り体に言うと 人間の黒い部分を描いてあるドロドロした話。 あとがきにも著者が書いているが 短編を書く上での試行錯誤が見れる...

初めて読んだ貫井篤郎氏の短編集。 結婚・家族にまつわるエピソードを収録。 どれもハッピーエンドとは言い難く 物語とはいえ、あながち無いとも言い切れない 有り体に言うと 人間の黒い部分を描いてあるドロドロした話。 あとがきにも著者が書いているが 短編を書く上での試行錯誤が見れるのが また1つの面白いポイントかと思う。 特に好きなのは「追われる」 オチというか、真相はすぐ想像できるが 話の転がし方でハラハラさせるのがうまい。 最後の切り方というか、引き方が好き。

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2018/10/09

貫井氏初の短編集。身近にありそうな題材でこれだけゾクッとさせるとは。どの作品も20年近く前、著者が20代の頃に書いたと知って驚く。

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2018/08/22

結婚と言う男女2人の関係を通して展開される、心の内側を描いた短編集。最初の「崩れる」を読み終わった時、溜めて溜めて爆発のパターンかなと思いきや、次の「怯える」では少し温かさがのこるおわりかた。「誘われる」や「腐れる」では、女性ならではの気持ちの揺らぎに、ストーリーの面白さを感じた...

結婚と言う男女2人の関係を通して展開される、心の内側を描いた短編集。最初の「崩れる」を読み終わった時、溜めて溜めて爆発のパターンかなと思いきや、次の「怯える」では少し温かさがのこるおわりかた。「誘われる」や「腐れる」では、女性ならではの気持ちの揺らぎに、ストーリーの面白さを感じた。 こんどは作者の少し長めなストーリーを拝読したくなった。

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2018/05/27

【この風景に、あなたもいる】 表題作にして一編目、「崩れる」がすごい。 ぐつぐつと沸き立つ熱と、遠のいていて行く視界。 ラストの絶望と、解放。 すっきりか、にがみか、あなたはどうかんじるだろうか。 自分の伴侶に「カス」なんて思われていたらそれだけで自分は絶望しちゃうけどね。

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2018/01/20

これは面白かったですね! 好みかどうかは別として…解説者の言葉にもあったように、貫井氏は男性にも関わらず、主婦の心理とか? 表現するのが上手いと思います! ヽ(・ω・)/ズコー しかも、この短編集はまだ貫井氏が若い頃に書いたもののようで…主婦に取材する、みたいなことをしても...

これは面白かったですね! 好みかどうかは別として…解説者の言葉にもあったように、貫井氏は男性にも関わらず、主婦の心理とか? 表現するのが上手いと思います! ヽ(・ω・)/ズコー しかも、この短編集はまだ貫井氏が若い頃に書いたもののようで…主婦に取材する、みたいなことをしてもここまで肉薄した描写ができるかどうかも微妙ですし、まあ、これはひとえに貫井氏の才能と言う物でしょう…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー というわけで、今回の短編集を機に貫井氏に興味を持った私。暇を見てまた別の作品に手を伸ばそうと思います…。 さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー

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2017/12/20

目次 ・崩れる ・怯える ・憑かれる ・追われる ・壊れる ・誘われる ・腐れる ・見られる 初期の作品のせいか、全体的に文章が硬い感じがする。 どんでん返しがうまく効いている作品もあれば、予想通りの結末のものもあるが、概して読後感はあまり良くない。 崩れる前にまずどこかが壊...

目次 ・崩れる ・怯える ・憑かれる ・追われる ・壊れる ・誘われる ・腐れる ・見られる 初期の作品のせいか、全体的に文章が硬い感じがする。 どんでん返しがうまく効いている作品もあれば、予想通りの結末のものもあるが、概して読後感はあまり良くない。 崩れる前にまずどこかが壊れているのだ。 自覚のない損傷が、何かのきっかけで崩壊へと向かう。 怖いのは自覚のない損傷。 表題作はまさしく、それが生んでしまった悲劇が書かれている。 けれど、読みながら終着点はそこだろうと予想がついてしまったのが残念。 「誘われる」は、ちょっとフェアではないような気もするけれど、うまくだまされた。

Posted byブクログ