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夜想曲集 の商品レビュー

3.7

122件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

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2015/11/22

愛の夕暮れは、音楽のように響く。 副題「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」とあるが、確かに、なんとなく、夕暮れの物語である。全体に漂うのは、寂しさ。どの短編にも愛の危機にある人々が出てくる。何か哀しみの予感がする。人生は甘いものばかりで出来ていない。カズオ・イシグロを読むと、いつ...

愛の夕暮れは、音楽のように響く。 副題「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」とあるが、確かに、なんとなく、夕暮れの物語である。全体に漂うのは、寂しさ。どの短編にも愛の危機にある人々が出てくる。何か哀しみの予感がする。人生は甘いものばかりで出来ていない。カズオ・イシグロを読むと、いつもそう思う。

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2015/09/23

ここに収められた五つの短編には、音楽における通奏低音のような一貫したテーマが読み取れるものとなっている。長い人生のある一点、そしてその一点が人生のターニングポイントとなるような瞬間を切り取る物語。

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2015/08/23

以前から気になっていたカズオ・イシグロさん。 タイトルにも含まれているが、夜・夕暮れの雰囲気が漂う五編の短編集でした。 どの物語にも音楽が深く絡み、燻っている特別な才能の悶々とした感じと、評価されているようなされていないような有耶無耶な感じから侘しさと薄暗さが滲み出ていた。 特...

以前から気になっていたカズオ・イシグロさん。 タイトルにも含まれているが、夜・夕暮れの雰囲気が漂う五編の短編集でした。 どの物語にも音楽が深く絡み、燻っている特別な才能の悶々とした感じと、評価されているようなされていないような有耶無耶な感じから侘しさと薄暗さが滲み出ていた。 特に好きだったのは「モールバンヒルズ」の夕方に丘の上のベンチで行われたコンサートの場面と、「夜想曲」のハラハラする夜中の探検(悪戯)の場面。 とんだユーモアというか、「降っても晴れても」の主人公には同情します。 今度は長編も読みたい。

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2015/08/14

よくわからんかったです……。「私を離さないで」の印象が強かったのもある。少し不思議を期待してしまった。背表紙や解説にもある「ユーモア」も解せず。 音楽、才能、男と女。通じるテーマで描かれる連作はどこか気だるげで。夕暮れという言葉は素晴らしい。

Posted byブクログ

2015/06/09

お久しぶりのカズオ・イシグロさん。 副題の「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」に惹かれて。 どれも淡々とした話なんだけど、ふと彼らはその後どうなったんだろうって考えてしまう。イシグロさんは人生の夕暮れを迎えた人たちを描くのがお上手だなと思った。

Posted byブクログ

2015/04/28

是非、ジム・ジャームッシュ監督による映像化キボンヌ!な短編5つ。 日常が醸成する(多かれ少なかれの)狂気。これを伝え、あるいは理解させることに特化した言語が音楽だとしたら。 そんなテーマのもとに綴られる、どこか寂しい人たちの優しいストーリー。

Posted byブクログ

2015/03/01

日常に一瞬訪れる夢のような時間と、そこから現実に戻る時のほろ苦さがじんわりくる作品……と、一応書いてみたものの。 全然内容が心に残ってない。 印象の薄い一冊。

Posted byブクログ

2015/02/15

20150213読了。 静かな余韻の残る短編集。 どれも音楽がメインに流れ、そしてそれに絡まる人間模様。 破綻に向かう夫婦関係の中を音楽が淡々と流れていく。 特にここという盛り上がりがあるわけでもないのだが、なぜか心に響いてくる。

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2014/12/13

音楽と夫婦の危機をテーマにした5つの短編集。しんみりした物、コメディタッチの物と作風に変化はあったが、妻側がお金とか名声とか夫に求めるものが多く、それが叶わず上手く行かない…みたいなのが多かった。取り上げられている60年代の音楽に私自身が馴染みがなく、作品にどれ程の効果をあげてい...

音楽と夫婦の危機をテーマにした5つの短編集。しんみりした物、コメディタッチの物と作風に変化はあったが、妻側がお金とか名声とか夫に求めるものが多く、それが叶わず上手く行かない…みたいなのが多かった。取り上げられている60年代の音楽に私自身が馴染みがなく、作品にどれ程の効果をあげているのか今一つ掴めなかったのと、どれにも落ちが無くて読後どう感じたものやら途方にくれた。その時の状況と心情を汲み取って味わうものなのでしょうか?

Posted byブクログ

2017/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どれだけ輝いた時間も、夜の帳がゆっくりと必ず降りていく・・・。 切ないけれど、真っ暗になるその手前みたいな時間こそが、一番美しい時間なのかもしれない。 2017.10.5追記 ノーベル文学賞!おめでとうございます!

Posted byブクログ