夜想曲集 の商品レビュー
音楽とすれ違う男女の仲をモチーフにした短編5編。 特にオチがあるわけでなく、各主人公の人生のうちの少しを覗く。 細かく計算し尽くされた描写が続く(描写の謎解きをしているサイトもいくつも)ので、自分的には読み取るのが苦手。 解説を読んで、また今度2回目読もうかな。
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ヨーロッパ・アメリカが舞台の話。 音楽をやっているというのは自分と同じ共通点だが、あまり自分が知らない世界感を覗かせていただいた。 後書きを書かれた作家さんも言っていたが、真面目な文章の中に、ユーモアな発言や行動が沢山散りばめられていたため、こんな素敵な情景が思い浮かぶ大人な話の...
ヨーロッパ・アメリカが舞台の話。 音楽をやっているというのは自分と同じ共通点だが、あまり自分が知らない世界感を覗かせていただいた。 後書きを書かれた作家さんも言っていたが、真面目な文章の中に、ユーモアな発言や行動が沢山散りばめられていたため、こんな素敵な情景が思い浮かぶ大人な話の中なのだけど、その中に楽しさがあった。 最後の「チェリスト」は、結果どうなったとか結論とかはっきりとしたものがないんだけど、その謎めいたものに全くイライラせずむしろしっくりきた。
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全体的に充たされざる者のようなシュールな雰囲気がある不思議な短編集。やっぱりカズオイシグロの小説は結末の曖昧さが良いですね。中では老歌手が一番好き。
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なんかこう切ない雰囲気がとても好き。 イシグロさんって、淡々と進む情景描写に、綺麗な色の哀愁を乗せるのがとても上手な作家なんだと思う。たぶん、情景と感情の絵をいつも思い描いている人。うまく色が溶け合わさせて、読者を癒してくれる。 この本はそれがすごく出てる。 サンマルコでいつ...
なんかこう切ない雰囲気がとても好き。 イシグロさんって、淡々と進む情景描写に、綺麗な色の哀愁を乗せるのがとても上手な作家なんだと思う。たぶん、情景と感情の絵をいつも思い描いている人。うまく色が溶け合わさせて、読者を癒してくれる。 この本はそれがすごく出てる。 サンマルコでいつかこんな音楽家に会えますように。
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個人的には、私を離さないでに続く2作目のカズオイシグロさん。なんだか突拍子もない背景やイベントの中で人間性を描くのが上手だな、という印象を抱いた。読んでいて間違いなく面白い。
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音楽をなりわいにする人達を題材にしたちょっと切ない5篇のお話。この作者は、どこかが噛み合わない違和感にも似た不穏な感覚と人情味溢れる哀愁を同時進行で、自然な文体の中で感じさせてくれる。マイナスな感情が溢れる中でも、あくまで柔らかな表情の中でスーっと受け入れられるような、そんな作品...
音楽をなりわいにする人達を題材にしたちょっと切ない5篇のお話。この作者は、どこかが噛み合わない違和感にも似た不穏な感覚と人情味溢れる哀愁を同時進行で、自然な文体の中で感じさせてくれる。マイナスな感情が溢れる中でも、あくまで柔らかな表情の中でスーっと受け入れられるような、そんな作品です。
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音楽とその才能、そして夫婦の危機という共通のキーワードを持つ作品集。会話などでの心の襞を納得感のある繊細な表現で描写してくれるところが好きです。 降っても晴れても、夜想曲は現実にはありえないようなとんでもない方向に展開していて、それでもその先に興味も持ち続けたまま読ませてくれます...
音楽とその才能、そして夫婦の危機という共通のキーワードを持つ作品集。会話などでの心の襞を納得感のある繊細な表現で描写してくれるところが好きです。 降っても晴れても、夜想曲は現実にはありえないようなとんでもない方向に展開していて、それでもその先に興味も持ち続けたまま読ませてくれます。老歌手と夜想曲は繋がりがあり、作者もこのキャラクターをもう少し描きたいと思うことがありそうだと考えながら楽しめました。 いずれも味わい深い短編、その先をもう少し読みたいと思うところで終わるところも余韻と想像力を掻き立てます。
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読みやすかったです。 イシグロもこんな短編集を書いていたんだなぁと。 チェリストという話が1番不思議だったけどどのお話も心地良い余韻が残っていてよかった。 一日の最後に枕元で読んでみてほしいです。
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音楽が出てくる小説が好きなので友人が貸してくれたが…なかなか手こずってしまった。外国の方の話はもともと苦手なのもあるけど…文章はそんなに難しくないし登場人物も少ない。なのに、息苦しい感じがして、読み進むのに時間がかかり、頭に入ってこなかった。残念ー。 他の本もこんな感じかな?長編...
音楽が出てくる小説が好きなので友人が貸してくれたが…なかなか手こずってしまった。外国の方の話はもともと苦手なのもあるけど…文章はそんなに難しくないし登場人物も少ない。なのに、息苦しい感じがして、読み進むのに時間がかかり、頭に入ってこなかった。残念ー。 他の本もこんな感じかな?長編にチャレンジしてみたい。
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老歌手 この短いテキストでこれほどに芳醇なストーリーが編めるのかと驚きます。まあ、この老歌手に共感できるようになってこそはじめて、一端の大人、なのかもしれません。 降っても晴れても この作家の作品をそれほどたくさん読んだことがあるわけではありませんが、こういうコメディタッチもあ...
老歌手 この短いテキストでこれほどに芳醇なストーリーが編めるのかと驚きます。まあ、この老歌手に共感できるようになってこそはじめて、一端の大人、なのかもしれません。 降っても晴れても この作家の作品をそれほどたくさん読んだことがあるわけではありませんが、こういうコメディタッチもありなんですね。小説というよりもドラマ脚本という感じがしますが、それでもどこかに詩的な雰囲気が漂っていて入り込めました。 モールバンヒルズ 人間というのはなかなかまっすぐに伸びていくことはできないものですね。節を作りながらそのたびに少しずつ曲がっていくので、それがその人のその人らしさを形づくっていくんですね。 夜想曲 ひょんなことから顔の整形手術を受けることになった男のコミカルなショートストーリーです。現状と未来との間にプライドがとぐろを巻いていて、あるセレブリティがそれを解きほぐすために突然目の前に現れる。シンプルな筋なのに、読み手側で色々な解釈ができるエンディングです。 チェリスト 他の作品とは少し違った趣があります。ある意味では、最も他の長編小説に近いものがあるような気もしました。コメディタッチは鳴りを潜め、どこか深刻な苦しさが表れているような気がしました。
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