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夜想曲集 の商品レビュー

3.7

126件のお客様レビュー

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    16

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  3. 3つ

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2024/01/22

なんかお洒落な感じの短編集だった。人生の黄昏的なところを描く人なのかな。ちょっと沁みるところもある。夫婦関係が悪化する様子とか。 若いとき読んだ「日の名残り」はものすごい退屈だったけど、今読んだら面白いのかな。クララ~は面白かったし。

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2024/01/14

4冊目のカズオ・イシグロの作品である。 カメレオンのように作風を変えられる、“ひとり映画配給会社”と私は彼を呼んでいる。 そのイシグロは、実は音楽にも精通していて、シンガーソングライターを目指していたこともあったとか。そんなところから生まれているのがこの短編集で、5篇をひとつとし...

4冊目のカズオ・イシグロの作品である。 カメレオンのように作風を変えられる、“ひとり映画配給会社”と私は彼を呼んでいる。 そのイシグロは、実は音楽にも精通していて、シンガーソングライターを目指していたこともあったとか。そんなところから生まれているのがこの短編集で、5篇をひとつとして味わうように求められており、すべてミュージシャン(もしくは音楽愛好家)を題材としている。 今まで読んだ中で、最も読みやすい、ムード漂う作品集である。ドラマ性や落ちはなく、人生の一瞬を描く趣向となっている。長編小説とは全く異なる素顔のイシグロの感性が垣間見られた。 主人公は皆、才能はあるが認められておらず、たゆたゆと人生を彷徨っている。読み手も、物思いに耽りながら、カフェで頁をめくるのにうってつけの良書ではなかろうか。 私のお薦めは、コメディタッチの強い中盤3作品よりも、コリッとした読後感のほろ苦さ(これが著者の本領)がある「老歌手」、「チェリスト」。 ヘンな言い方だが、カズオ・イシグロって大家のように思って見てたけど、現代作家なんだよね。

Posted byブクログ

2023/02/01

これもブックオフで買った。音楽家や音楽を愛する人の短編集。 間抜けだったり、見栄っ張りだったり、強欲だったり… あんまり良い奴は出てこないけど、他作品のように重苦しくはない。もの悲しくはあるけど。

Posted byブクログ

2022/12/02

常に音楽が流れている短編集。 冷めきった関係を復元しようとする老歌手や、メジャーデビューのために整形手術を受けるミュージシャンとか、設定が微妙に現実離れしているところに面白さがあって、すぐ読めてしまいます。 面白くて品のある短編集です。

Posted byブクログ

2022/11/23

カズオイシグロの短編集。タイトルにある「夕暮れ」とは、サンセットタイムだけではなく、人生の夕暮れ(中年から初老の世代)とか男女関係の夕暮れ(別れの予感がある状態)を指しているようだ。熟年離婚、旅先での喧嘩、不安を感じる結婚相手など、何かしら影を感じる設定である。 登場人物はいずれ...

カズオイシグロの短編集。タイトルにある「夕暮れ」とは、サンセットタイムだけではなく、人生の夕暮れ(中年から初老の世代)とか男女関係の夕暮れ(別れの予感がある状態)を指しているようだ。熟年離婚、旅先での喧嘩、不安を感じる結婚相手など、何かしら影を感じる設定である。 登場人物はいずれも「若さ」「付き合いたての頃」「才能」への憧れを持っており、やるせなさを織り交ぜながら切ないストーリーが展開する。それでも、コメディの要素が含まれる話も2話入っていて、ユーモアたっぷりの登場人物とぶっ飛んだ展開に驚かされ、思わずクスッと笑ってしまう場面もあった。切ないストーリーでテンションが下がった読み手としては救われる。

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2022/11/22

音楽の才能と人生の折り返し。広い世間と身の回りとの違和感を、ユーモアを交えて描く。 同じ作者の短編集で、同じテーマを繰り返す。扱い方や描き方の相違点や共通点を眺めていく楽しみ。五つの短編全てが書き下ろされたということも納得の一冊でした。

Posted byブクログ

2022/09/23

副題は「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」。 全盛期を過ぎた歌手が再起を目指して愛する妻と別れようとする「老歌手」。 音楽の趣味でつながった大学時代の友人夫妻との、今となっては埋めようもない価値観の溝をコミカルに描く「降っても晴れても」。 メジャーデビューに目指し作曲にいそし...

副題は「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」。 全盛期を過ぎた歌手が再起を目指して愛する妻と別れようとする「老歌手」。 音楽の趣味でつながった大学時代の友人夫妻との、今となっては埋めようもない価値観の溝をコミカルに描く「降っても晴れても」。 メジャーデビューに目指し作曲にいそしむ主人公が旅回りの音楽家の夫妻とのわずかな交流の中に、人生のままならなさを感じる「モーバンヒルズ」。 「夜想曲」は、「老歌手」で出てきたリンディが再び登場する。 風采の上がらないサックス奏者が整形手術を受けさせられ、術後を過ごすホテルの隣室に彼女がいる。 二人とも顔を包帯でぐるぐる巻きにされている中で、退屈しのぎに深夜の高級ホテルの中を歩き回る。 なんとなく『ローマの休日』のような、昔の映画にあるロマンチックコメディ風のドタバタ。 が、結末はちょっとほろ苦い。 最終話は、音楽院を出たものの、その後の演奏活動で行き詰っている若手のチェリスト、ティボールの物語。 広場で出会い、彼にレッスンをする謎の女性。 彼女はいったい何者なのか。 才能と教育の問題を考えさせられる。 どの話も、主人公は天才的な音楽家というわけではない。 音楽に関わりながら、時にままならぬ人生を生きる人々だ。 割とドライな筆致でありながら、どこかにこうした人々の哀感がにじんでくる。 すばらしい短編集だった。

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2022/09/19

短編集。笑って、しみじみして、唸って、ため息ついてまた笑って。 一番好きなのは「降っても晴れても」。 どれもラストは僕好みだった。

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2024/05/13

カズオ・イシグロ(1954-)は、『日の名残り』(1989年)で、イギリスで最も権威ある賞「ブッカー賞」を受賞した、世界的作家。長崎県長崎市で、日本人の両親の元に生まれましたが、5歳でイギリスに移住。成人までは日本国籍、その後、イギリスに帰化しています。2010年に映画化された『...

カズオ・イシグロ(1954-)は、『日の名残り』(1989年)で、イギリスで最も権威ある賞「ブッカー賞」を受賞した、世界的作家。長崎県長崎市で、日本人の両親の元に生まれましたが、5歳でイギリスに移住。成人までは日本国籍、その後、イギリスに帰化しています。2010年に映画化された『わたしを離さないで』で、また、2012年4月に、NHKで「カズオ・イシグロを探して」と題したドキュメンタリーが放送され、日本でもより知られるようになりました。 『夜想曲集』(2009年)は、「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」という副題が付いた、初の短編連作集。どの物語も、人生の後半や終盤にある人物が、自らの過去(=夕暮れ)を、ジャズ、クラシック、ポピュラーなどの音楽とともに振り返ります。 この連作短編集を読んで私は、自分が若い頃にこの本に出会ったならば、今とは違い、ストーリーの展開や場面設定の巧妙さにばかり感嘆しただろうと思います。しかし、人生も優に半ばを過ぎ、振り返る時間が堆積した今、私がこの短編集から読み得たのは、感情の渦に巻かれ、愚かしい選択を繰り返してきた人間の、それでも肯定する他ない人生への愛着でした。 いずれにせよ、これが私の人生だった。そしてこれからもそれは同じ――。作家と出身地を同じくする私は、身勝手にも、遠いイギリスからそんな激励をもらった気持ちなのです。(K) 紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2012年1月号掲載。

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2022/08/20

短編集。‥‥の割に情報量が多い。一気に読むと疲れるかもしれない。ユーモアは感じたが、いつものすっとぼけたような趣きは感じられなかった。

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