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猫と針 の商品レビュー

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69件のお客様レビュー

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2023/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これまで恩田さんの作品を幾つか読んできましたが、「舞台にしたら映えるだろうなあ」という作品が幾つかありました。言っても舞台なんて、人生で10回程度しか見たことはありませんが笑 そうしたら、こちら、劇の脚本?を書かれたようです。 ・・・ 脚本の内容そのものは、実をいうと私は良く分かりませんでした。で、恩田氏本人も「最後まで書いていて面白いかどうかわからなかった」とか書いていました。 ・・・ やっぱりちょっと身構えて書いたのかな。 個人的には、舞台に配慮しすぎた(考えすぎた)?ような気がしました。普通の小説だと情景や背景が豊かで、それをイメージするのが面白いですよね。当然の事ながら大道具小道具含め、普通の生活を切り取るかの如くのカットがあるのが小説です。これを演劇に仕上げるってことは、舞台での多くの制約を越えて「創り」あげていくってことで、きっとそこが面白いのだろうなあ、と思います(何度も言いますが、演劇は素人)。 他方、本作は非常にシンプルで閉じた空間で、たった五人の人間の群像劇を繰り返すところはややシンプルに過ぎたかなあ、と思いました。より強く言えば、背景・情景みたいなものが欲しかったなあと感じました。 ・・・ 寧ろ出色だったのは、脚本作成の過程をしっかりと汲んでいる点ではないでしょうか。 作成のきっかけのエピソード(御多分に漏れず、飲み屋での雑談)をチラシに掲載し、しかもそのチラシが作成された段階ではタイトル意外の中身が作られていない! そして多忙な筆者が(取材)旅行でスケジュールが埋まる中、文字通り「ぎりぎり」のスケジュールで作られ、役者たちとの意見を取り入れられたうえで推敲され、そして公演にまで至るという。 スタイルの確立した大御所であればテレビ番組か何かで脚本の制作過程がクローズアップすることもありましょう。ただし、初めてのトライでかつここまでスケジュールが押したなかで成功したかどうかの確信も持てない中で(謙遜なのでしょうか)舞台裏をあかしてくださるのは、ある意味内情の大盤振る舞いではないでしょうか。 私は純粋に「へー、面白いな」と思いました。そして、また何か舞台やミュージカルを見に行ってみたいなあと思いました。 ・・・ ということで恩田氏による書下ろし脚本作品でした。 作品そのものというより、誕生前後から公演終了までひっくるめた叙述が非常に興味深く読めました。

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2022/08/10

これ、「戯曲」なんだけど、こういうのってそのまま「台本」になるのかな。何にせよ、この不穏な雰囲気を上手いこと見せてくれるなら、舞台化したのも見たかったなー。けど、けっこう地力のある集団じゃないと、つまんなくなりそう。

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2021/04/15

恩田さんの初舞台脚本、らしい。 あとがきよんでキャラメルボックスで上演したとしり、見たかったなあ、と。 劇団は活動停止になったみたいで、寂しいかぎり。 高校の同級生が集まって話している、というだけの話。 だんだんとその関係性とそこにいない人間の姿が浮かび上がってくる。 ちょっと...

恩田さんの初舞台脚本、らしい。 あとがきよんでキャラメルボックスで上演したとしり、見たかったなあ、と。 劇団は活動停止になったみたいで、寂しいかぎり。 高校の同級生が集まって話している、というだけの話。 だんだんとその関係性とそこにいない人間の姿が浮かび上がってくる。 ちょっと不穏な空気になりはしたものの、決定的な悲劇が起こるわけでなく。 会話を楽しむ、って感じかな。 その奥にあるそれぞれの物語を想像する。 舞台で完成する作品かな。

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2020/12/30

高校時代の同級生の葬式に集まった男女五5人をえがいた会話劇です。 強盗に襲われて亡くなったオギワラの仕事や、このタイミングで映画への出演を依頼するタカハシの真意、そして15年前の食中毒事件など、さまざまな謎が絡みあい、登場人物たちが疑念のなかに投げ込まれていきます。 巻末には...

高校時代の同級生の葬式に集まった男女五5人をえがいた会話劇です。 強盗に襲われて亡くなったオギワラの仕事や、このタイミングで映画への出演を依頼するタカハシの真意、そして15年前の食中毒事件など、さまざまな謎が絡みあい、登場人物たちが疑念のなかに投げ込まれていきます。 巻末には、開演日が迫るなかで原稿を完成させようとする恩田氏の活動を回顧した「『猫と針』日記」が収められています。

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2020/06/04

高校時代の同級生5名が、葬式帰りに集まり、ファンタジー映画を撮る。といっても撮ることよりも、昔話、近況に関する会話がメインである。 みんな触れにくい過去を持った人で取っつきにくい。 最後の、 喪服はコスプレ、葬式はファンタジーというのが心に残った。それは葬式だけじゃなくて、日...

高校時代の同級生5名が、葬式帰りに集まり、ファンタジー映画を撮る。といっても撮ることよりも、昔話、近況に関する会話がメインである。 みんな触れにくい過去を持った人で取っつきにくい。 最後の、 喪服はコスプレ、葬式はファンタジーというのが心に残った。それは葬式だけじゃなくて、日常にも当てはまる。 靴の裏のガラスはメガネだったか 殺人と関係してるのかとドキドキした。

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2018/12/15

電子書籍で購入したため、パラパラせず購入。 開いた瞬間、しまったと思った。 戯曲だった。 セリフだけだと、情景が浮かばず、イマイチよくわからなかった。 劇を見たなら、少し違ったかも。

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2018/07/23

恩田陸の初戯曲。慣れてない感が満載。 レザボアドッグスじゃなくって、お得意の藪の中の方が良かったんじゃなかろうか?

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2017/10/27

舞台の脚本。学生時代恩田さんの小説が好きだったので再読してみたけど、この本に関しては舞台を実際に見ないと良さを十分には感じられないかもしれない。ただ「Q&A」とかもそうだけど、会話のみでストーリーを進めていくことが元々得意な方なので、戯曲であってもかなり引き込まれた。回収されない...

舞台の脚本。学生時代恩田さんの小説が好きだったので再読してみたけど、この本に関しては舞台を実際に見ないと良さを十分には感じられないかもしれない。ただ「Q&A」とかもそうだけど、会話のみでストーリーを進めていくことが元々得意な方なので、戯曲であってもかなり引き込まれた。回収されない伏線もあるけど、そこは恩田さんならではの不気味さを引き立てていて私は嫌いじゃない。 こういう薄気味悪い話やサスペンスをたくさん書いている恩田さんが、自身が書いている文章で怖くなってしまうことがあることを後半の「日記」で知り、すごく意外で可愛らしい方だと思った。

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2017/01/29

舞台の脚本で、台詞と独白によって物語は進んでいく。 高校時代の友人の葬式帰りに集まった5人の同窓生。 大人になったが故の距離感からくるぎこちなさと、映画研究会で一緒に過ごした仲間らしく、少し投げやりで無遠慮な会話から色々な事実が明かされていく。 誰かが席を外すと不在の人物について...

舞台の脚本で、台詞と独白によって物語は進んでいく。 高校時代の友人の葬式帰りに集まった5人の同窓生。 大人になったが故の距離感からくるぎこちなさと、映画研究会で一緒に過ごした仲間らしく、少し投げやりで無遠慮な会話から色々な事実が明かされていく。 誰かが席を外すと不在の人物について憶測や疑惑を語り合い、それが幾重にも重なっていく。 最終的にどうなるのかワクワクしながらこの会話劇を楽しむ、謎が別の謎を呼ぶ展開。 そして謎が謎のままの展開。え。あぁサスペンス。 最初と最後の『猫と針』口上・日記は恩田さんのドタバタが見えるようで面白かったです。

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2016/09/19

うーん。この作者さんの特徴なのかもしれませんが、結末を決めずに思いついたまま書いていって、結局伏線もなにも回収されないまま…という印象です。他にもそんな作品が多いような…。好きな人、スミマセン。

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