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正しいパンツのたたみ方 の商品レビュー

4.1

65件のお客様レビュー

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2024/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了。 タイトルが気になったのと、ネットでの評判が良かったので読んでみた。 岩波ジュニア新書は「これ大人でも難しくね?」という本がたまにあるが、この本は中学生にもオススメしたい。 英語の教員から家庭科の教員に転身した著者の遍歴も興味深かったが 穏やかで、ほどよい距離感の語り口は読んでいてあまりストレスを感じなかった。 とても良いと思ったのは 著者が生徒たちに様々な問いを投げかけつつ、ちゃんと自身の実体験を紹介して生徒と同じ目線に立って納得してもらおうと務めていることだった。 著者が記しているように、大学受験のための勉強が重んじられる社会では、家庭科などの〝副教科〟はどこか軽んじられている気がする。 実際に10代の頃の自分も家庭科の授業に真剣に取り組んでいなかったと思う。 (調理実習は楽しかった記憶がある) しかし、いくらいい大学に進学して一流企業に勤めたとしても、豊かな家庭生活を送るためには全く別の能力が必要だ。 家族のご飯を用意するにしても、献立・買い出し・調理・片付けまで一通りこなす事は簡単なことではない。しかも、毎日同じ家事を繰り返すとなると様々な工夫が必要となってくる。 この本では、生きる上での様々なテーマについて著者が実際に家庭科の授業で行ってきた内容が記されている。 どうして勉強するのか 家族の条件って何だろう 自立って何だろう 働くって何だろう 遊びとは 性的関係とは 一人を楽しめる人とは この歳になって、改めてこのような問いを考え直すきっかけとなった。 社会にはいろんな誘惑や罠もある。 実際に社会人になってから勉強会と称してマルチ商法の集会に誘われたり、商品を紹介されたこともあったが、今考えると人間の孤独や欲求につけ込もうとしていたのだと思う。 それらは結果的に友人や家族に相談した事で免れることができた。 そうした社会の闇の部分を学生時代に知っておくことも、社会で生きていく上で大事なことではないかと改めて感じた。 頭では分かっていても、人間には弱い部分があるからだ。 「正しいパンツのたたみ方」というユニークなタイトルには、思いのほか深い意味が込められていた。 パンツのたたみ方は、人によって違うことがある。 「正しい」や「当たり前」も人によって違うことが多い。 家族という異なる人間同士が一緒に生活する中で相容れない部分に苦しむこともあるが その違いを楽しんだり、新しい方法を見つけたり、何とか折り合いをつけることが生活を楽しむこと、ましてや人生を楽しむことにも繋がる。 家庭科などの副教科は、人生を楽しむ感性を育ててくれる。 自分も甥っ子の相手をする時ついつい頼ってしまうのだが 今の社会は、スマホやタブレットなどで自分の見たいものだけ見ることが可能な環境が整ってしまっている。そういう環境の中で、自分の意思で様々なものに触れようとする好奇心はとても重要だと思う。 少子化が進む一方で、このような環境で育った子どもたちは、将来どんな大人になっていくのか、気にはなっている。 #正しいパンツのたたみ方 #南野忠晴 #岩波ジュニア新書

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2024/03/15

家庭科の本 生活することを学ぶことは必要である 学校で教えるのか 家庭で教えるのか 家庭でのやり方はいろいろあるが 正しい 間違っているという判断も必要だが どこが違い どうするべきかを考えることは ディスカッション することは大切な 学習だろう

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2024/02/25

絵本だと思ったら児童書でもなく、文庫本だった新しいパターン! 家庭科を教えてくれてるが、字だらけで読む気になれず、パラパラパラ… 申し訳ない。

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2024/01/07

家庭科という教科の重要性を理解した。 10代のうちに、本の内容のことは、ぜひ知っていてほしい。授業として扱い、学生にしっかり考えてもらいたいものばかりであるし、大人も知っておかなければいけない内容だ。どれも立ち止まって考える時間を確保しなければ,答えられないものばかりだ。 私も...

家庭科という教科の重要性を理解した。 10代のうちに、本の内容のことは、ぜひ知っていてほしい。授業として扱い、学生にしっかり考えてもらいたいものばかりであるし、大人も知っておかなければいけない内容だ。どれも立ち止まって考える時間を確保しなければ,答えられないものばかりだ。 私も高校生のときに、南野先生の授業を受けたかった…。

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2022/09/18

〇岩波ジュニア新書で「学校生活」を読む④ 南野忠『正しいパンツのたたみ方』(岩波ジュニア新書、2019〔15版〕) ・分 野:「学校生活」×「家庭科」 ・目 次:  はじめに  序章 家庭科を学ぶ意味  1章 いま、生きているワタシ  2章 家族の中で生きる  3章 社会の中...

〇岩波ジュニア新書で「学校生活」を読む④ 南野忠『正しいパンツのたたみ方』(岩波ジュニア新書、2019〔15版〕) ・分 野:「学校生活」×「家庭科」 ・目 次:  はじめに  序章 家庭科を学ぶ意味  1章 いま、生きているワタシ  2章 家族の中で生きる  3章 社会の中で生きている  終章 ゆたかに生きるためのスキル  おわりに ・総 評  本書は、家庭科の授業を通して、自分の暮らしを自分で整える力――「生活力」を身につけることを目的とした本です。著者は、元大阪府立高校の教員で、もともとは英語科の教員でしたが、後に家庭科の教員となり、長らく家庭科の授業を担当してきた人物です。  著者は、君たちが大人になるにあたって、4つの自立――「生活的自立」「精神的自立」「経済的自立」「性的自立」――が大事だとしています。しかし、どのようにすれば「自立」を学べるのでしょうか? この本を読んで面白いなと思った点を、以下の3点でまとめます。 【POINT①】お弁当を作ってみよう!  著者は、一番てっとり早く「自立とは何か」を学ぶ方法として「お弁当作り」を挙げています。単に「昼に自分が食べるご飯を持っていく」というシンプルなことでありながら、生活時間のやりくりから、食材の用意、味付けや栄養のこと、さらには経費の管理まで、まさに「生活を自分の力で作っていく」習慣作りに必要なことがそろっています。例えば、お弁当を準備する時間を考えて、その分、朝は早く起きる必要があります。こうして、自分で起きることが習慣になると、一日の流れの中で、自分がどう動くべきかが自然と見えてくると言います。皆さんが食べているお弁当、これからは自分で作ってみませんか? 【POINT②】親に給与明細を見せてもらおう!  著者は、お金について「人の生活を潤すだけでなく、生活やときには心を壊す存在であり、社会への影響も大きいこと」を理解する必要があるとしています。もちろん、中学生の君たちはアルバイトをしてお金を稼ぐことはできません。なので、まずは「自分の家の経済生活」を知ることから始めましょう。例えば、親に給与明細や家計簿を見せてもらい、どれくらいの収入や支出(君たちの“学費”も含まれます)があるのかを知ることで、自らの生活を見つめ直す――例えば、ムダ遣いをしていないか、など――キッカケになります。そうすることで「(経済的)自立」に向けた第一歩を踏み出すことができるはずです。 【POINT③】「自立」して生きていくために必要なこと  著者は、この本のテーマである「自立」の本質は、変化に対して「安定感」を持って対処できる能力にあると指摘します。だからこそ、家庭科では「自分を楽にするための技術」や「自分の暮らしを豊かにする技術」を学ぶのです。一方で、気持ちの面で重要なのが「お互いさま」の精神です。即ち、自分でやれることは自分でやり、できない部分は協力して助け合おうという姿勢で人と付き合う態度のことです。周囲の人たちとお互いに認め合い、時には手助けをお願いしたり/されたりする――こうした人間関係を築ければ、日常生活で何らかの“変化”があっても、落ち着いて対処できるようになるはずです。  本書は、著者が長年にわたって築き上げてきた家庭科の授業を基にしているため、議論に取り組みやすくなっています。上記に挙げたポイント以外にも「家族」や「性」の問題にも触れており、非常に勉強になる内容でした。最後に、この本のタイトル(「正しいパンツのたたみ方」)は、同僚の男性教員から「正しいパンツのたたみ方」について相談を受けたことが元ネタになっています。皆さんなら、どう答えますか?著者の回答が気になる人は、是非、この本を手に取ってみてください。 (1362字)

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2024/12/06

英語から家庭科に転向した高校教諭が書いた家庭科についての本。 家庭科という切り口で自立を伝える。 自分や他人をケアするスキルは生きていく自信になる。 「高校生のときにこんな授業を受けていたらその後の生きやすさがずいぶん違っただろうな」と「実際あの頃にこの授業があったら夏休みの宿...

英語から家庭科に転向した高校教諭が書いた家庭科についての本。 家庭科という切り口で自立を伝える。 自分や他人をケアするスキルは生きていく自信になる。 「高校生のときにこんな授業を受けていたらその後の生きやすさがずいぶん違っただろうな」と「実際あの頃にこの授業があったら夏休みの宿題を提出しない理由を説明せずフェードアウトするために不登校に逆戻りして高校は義務じゃないからそのまま辞めて今より人生が悪化しただろうな」の両方を同時に感じてる。 11年前の本。 配慮はある。「普通のご家庭」の「普通のお子さん」以外も生きていけるようにという視点もある。 いろんなケースがあることを知って視野を広げる狙いもある。 でも、「ノーマルな家庭」をベースに「特段の配慮が必要な子」についても考えるという配慮に感じる。 あらかじめ備えてはいるけれど包摂はされてない。 だから現状に触れる家族観や異性愛前提の理想の結婚相手や健康前提の自立をディスカッションする授業風景を読みながら心臓がぎゅーっとなってる。 安全が担保されてる教室でなら有意義なものではあるけれど。 仕事のところで安易に「生物学的に」を使っているのもいただけない。 「人間は群れる生き物」は事実。「群れの中に、一匹でも群れ全体の利益を無視し、自分だけの利益を追求するようなのがいたらどうでしょうか?もはや群れは成り立ちません」(p118)は事実にもとづかないイデオロギー。 群れる生物にはパターン通りに動けない個体やフリーライドする個体が一定数まじるものだ。自然は常に例外を折り込んで成り立つ。 本筋ではないけれど生物学を自論の補強のために歪めることは教育者の姿勢として正しくないし論として危うい。 読みやすいし伝えたいことも本当に大事で必要なことだと思うけどちょいちょい気になるな。

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2022/08/04

自立=生活力を高めようとする「姿勢」。状態ではない。 そして、お互い様が成り立つような関係性を築けること。すべて一人でできることが自立ではない。一人で生きていくことは不可能。 生活的自立、精神的自立、経済的自立、性的自立のすべてが大切である。 ★家庭科はお互いの違いを知る教科 ...

自立=生活力を高めようとする「姿勢」。状態ではない。 そして、お互い様が成り立つような関係性を築けること。すべて一人でできることが自立ではない。一人で生きていくことは不可能。 生活的自立、精神的自立、経済的自立、性的自立のすべてが大切である。 ★家庭科はお互いの違いを知る教科  柔軟性が必要と同時に正解はない ★時間の折り合いが自立の一歩  自分で起きる、やらなければいけないこと、などから時間に折り合いをつけられるようになる。少し、我慢することも覚えられる。 ★働くことの社会的役割  自分の仕事が社会のなんの役に立っているかを知ることがやりがいに繋がる。給料をもらうことも大切だが・・・。 まさに、子供に伝えたい、気づいてほしい内容。 自分のことを自分でするって大変だけど、生活がすごく充実する。自分を律してるじゃんって。 一人暮らしをすると、必然的に感じることだとは思うが、家族と生活している段階でできていれば、いろいろな価値観をさらに感じられると思う。

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2022/03/16

「自立したいなあ」 と思いました。 この本に書かれていることに照らし合わせれば、 僕はすでに自立しているのですが、 「自分で出来ることを増やすって楽しそう。」 と感じたのです。 この 「楽しそう」 こそ、この本の真髄なのだと思います。

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2021/05/21

書いてあること全部息子たちに伝授したい。自分の生活を自分で作っていける人になってほしい。 「ご主人」「奥様」という単語を一度も使わずどちらも「お連れ合い」と言い換えていて、著者のそのへんの感覚にも好感を持った。 ---------------------------------...

書いてあること全部息子たちに伝授したい。自分の生活を自分で作っていける人になってほしい。 「ご主人」「奥様」という単語を一度も使わずどちらも「お連れ合い」と言い換えていて、著者のそのへんの感覚にも好感を持った。 --------------------------------------------- “いま、自分でもできることなのに、家族の誰かにやってもらっていることはありませんか。”

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2021/03/04

相手のやり方を尊重する、強要せずに役割分担や適材適所を考える。 当たり前と思っている日頃の生活が、普段は見えない人の働きによって支えられていることに気づいてほしい、そして自分で実践しその人の立場に立って考えることで、自立した未来を見据えてほしいということを伝えたいための本。 心あ...

相手のやり方を尊重する、強要せずに役割分担や適材適所を考える。 当たり前と思っている日頃の生活が、普段は見えない人の働きによって支えられていることに気づいてほしい、そして自分で実践しその人の立場に立って考えることで、自立した未来を見据えてほしいということを伝えたいための本。 心ある大人になるために自分の子どもがどう社会と向き合って欲しいかを考えさせられたとともに、自分が自立できているのかを再考するとてもいい機会になった。

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