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「大発見」の思考法 の商品レビュー

4.1

82件のお客様レビュー

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2012/12/25

偉大な発見者2人の対談。素晴らしい。偉大な発見者も普通に悩み苦しんでいることを知れて勇気付けられる。

Posted byブクログ

2012/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

益川 ある日、僕は家で風呂につかりながら、「カッコ悪いけど、クォークが四種類あってもうまい理論は組み立てられません、という論文を書くことにしよう」と心に決めたんです。ここでもう四次元モデルに見切りをつけようとしたわけ。そう決めて湯船から立ち上がった瞬間、「あっ!」と閃いた。「四つにこだわっていたからダメだったんだ。六つにしたらうまくいくじゃないか!」と。 山中 それは時間でいうと、あっという間のことだったんですか? 益川 もう、それこそ立ち上がった瞬間。でも、それは偶然の閃きじゃないんだと思う。それまでに小林君と二人で、四次元クォークモデルについてさんざん議論し、考え尽くしたから生まれた発想だと思う。 山中 講演会場で勇気を振り絞って手を挙げ、利根川先生に質問をさせていただいたんです。「日本では研究の継続性が非常に重視されていますが、それについて先生は、どのようにお考えですか」と。すると利根川先生は、「いったい誰がそんなことを言っているんだ。重要で面白い研究であれば何でもいいじゃないか」という趣旨のお話をしてくださいました。私は、その答えにとても勇気づけられました。 益川 もちろん、一つのことにずっと取り組むことも美徳だと思います。でも、無駄を省いて全てを合理性で突き詰めた生き方をしていると、いつか壁にぶつかるんじゃないかな。僕の研究室を見てもらえればわかるけど、物理の本なんてほんの少ししかないの。いちばん多いのは数学の本(笑)。精神医学、天文学、いろいろな本が壁一杯ところ狭しと並んでます。学生時代は六法全書を持ち歩いていたときもあったし(笑)。でも、「これを物理の研究に役立ててやろう」なんて思ったことは一度もない。そんなさもしいことは考えません。いつも僕は目の前にある面白いことで遊んでいるだけなんです。 山中 益川先生はこれまでの研究の中で、何年も考え続けたけれど方向性が間違っていて結局ダメだった、というものはありますか? 益川 基本的にはないですね。なぜかというと、僕は考えにとりかかる前に「これはできるかどうか」を、ちゃんと検討しておくほうですから。やみくもに取りかかってダメだった、なんてことは、僕には起こらない。 難しい問題に関しては、僕は分析的な方法をとります。今までどれぐらいのアプローチがされていて、なぜうまくいかなかったのか、何が足りないのかを、その時点で考えられる限りの可能性を押さえて徹底的に分析する。 そうして、この問題を解くには客観的な条件がまだ整っていないという場合は、条件が整うまでしばらく待ちましょう、ということで寝かせておきます。人類にはちょっと荷が勝ちすぎている問題なんだから、放っておくより仕方ないわけ。 実は、そんなことしたって解けた例しはないんです。しかし、そうやっていったん整理して引き出しにしまっておくと、その問題の存在を忘れない。なおかつ、足らなかった条件が整いはじめると、世間の動きを通していちはやくそれに気付き、誰よりも先に手をつけられる。 山中 ところで益川先生には座右の銘というものはありますか? 益川 「眼光手低」。この言葉は本来、「評論はうまいけれど実作はヘタだ」という意味なんだけど、学生時代にある先生が、「科学者として目標は高く置きなさい。しかし、着実にできることから一つ一つ積み上げていきなさい」と解釈されていたんです。僕はこの言葉が好きでね。いろんなところで若い人達にこの言葉を言っています。「自分の面白いと思えることを、真正面からやってください。ただしその時は、目標は高く持ち、行動は着実なところから」というメッセージをこめて。

Posted byブクログ

2012/12/15

読んでいて頭の中がぱちぱちっと瞬く感じ。 理科系のことだけではなく、生きること全てに当てはまる。中学生ぐらいから読むといいと思う。 自分の成長とともに読み返すとまた違う味わいがあると思う。

Posted byブクログ

2012/12/12

内容は科学者同士の雑談だけどものすごく奥が深い。 同じ科学者でも両極端な二人の対談と感じた。 高校生や大学生が読んだら本当に良いと思う。 国家予算をもっと科学のために費やしてほしいと本当に思う。

Posted byブクログ

2012/12/09

科学の志を持った人々は、大胆な仮説、緻密な観察、粘り強い実験、クレバーな解析が必要。それらは孤独な作業。壮大で奥深い自然に対して、しっかりと目を見開き、耳を傾ける。自然から教えていただくという謙虚な気持ちを持ち続けることが大切。

Posted byブクログ

2012/11/24

「得意なんだと錯覚する」 「憧れを見つけたらドンキホーテのように一歩を踏み出す」 「自分で手を動かしてみる」 「ビックリできる感受性」 「仮説の的中率などは2割いけばいい方」 「自分でテーマを見つけて温める」 「自分で問題に切り込む力を持つ」 「明確なビジョンを持ち、それに向かっ...

「得意なんだと錯覚する」 「憧れを見つけたらドンキホーテのように一歩を踏み出す」 「自分で手を動かしてみる」 「ビックリできる感受性」 「仮説の的中率などは2割いけばいい方」 「自分でテーマを見つけて温める」 「自分で問題に切り込む力を持つ」 「明確なビジョンを持ち、それに向かって一生懸命努力する」 などなど、私は仕事柄社会科学の方に身を置いていますが、自然科学、生命科学を扱う研究者のお二人の話を聞いて、決して離れた話ではなくて、この要素は自分の仕事においても十分に応用が利く範囲の話だと思い、自分にも当てはめて考えました。やはりこうしたことをやり遂げた「胆力」がすごいと思います。

Posted byブクログ

2012/11/18

ノーベル賞物理学者益川氏とiPS細胞で全世界の注目を集める山中氏の知的刺激に満ちた対論。世紀の発見、その時脳内で何が起きるか? はやりに乗って読んでみた。笑 大発見はコロンブスの卵から、「無駄」が僕たちをつくった、考えることは感動することだ、やっぱり一番じゃなきゃダメ、うつと天...

ノーベル賞物理学者益川氏とiPS細胞で全世界の注目を集める山中氏の知的刺激に満ちた対論。世紀の発見、その時脳内で何が起きるか? はやりに乗って読んでみた。笑 大発見はコロンブスの卵から、「無駄」が僕たちをつくった、考えることは感動することだ、やっぱり一番じゃなきゃダメ、うつと天才、神はいるのか、と各章どれも非常に興味深く参考になった。 院で専門をかえたし、部活動ばっかりしてきた身としては「無駄」が僕たちをつくったの内容は非常に勇気づけられた。 定期的に読み直していきたい本である。

Posted byブクログ

2012/11/14

ノーベル賞を受賞した科学者2人があつまると科学もすこしわかりやすい 楽しみながら紆余曲折しながら問題にとりくんでいる姿勢が印象的

Posted byブクログ

2012/11/11

山中伸弥先生と、益川敏英先生の対談です。 「思考法」というよりも、「生き方」を学ばせていただきました。 科学への好奇心と自然への敬意、 論理的で安定感のある思考の広がり、、 個人的に何よりも驚いたのは「うつ」についてのお話でした。 どんな風に落ち込んでいって、そしてどうやって...

山中伸弥先生と、益川敏英先生の対談です。 「思考法」というよりも、「生き方」を学ばせていただきました。 科学への好奇心と自然への敬意、 論理的で安定感のある思考の広がり、、 個人的に何よりも驚いたのは「うつ」についてのお話でした。 どんな風に落ち込んでいって、そしてどうやってそこから抜け出していったのか、、 落ち込みがちな私には、とても参考になりました。 真摯にものごとと向き合い続けていれば、道は、開けていく。 自分の目標をしっかりと持ち、常に意識し、検証していくこと。 最近の自分は揺れて、ぶれまくりなので、これを機にしっかり整えていこうと思います。

Posted byブクログ

2012/11/01

山中氏の人柄が素晴らしい.等身大で暖かみがある.益川氏は論争的.人柄がいいのかどうかは分からないが,科学に対する真摯さは感じる. ・直線型の人生と回旋型の人生(アメリカと日本) ・「とりあえず」「なんとなく」の日本の大学院生 ・研究の継続性なんてくそくらえ ・仮説が外れて,何か...

山中氏の人柄が素晴らしい.等身大で暖かみがある.益川氏は論争的.人柄がいいのかどうかは分からないが,科学に対する真摯さは感じる. ・直線型の人生と回旋型の人生(アメリカと日本) ・「とりあえず」「なんとなく」の日本の大学院生 ・研究の継続性なんてくそくらえ ・仮説が外れて,何かが生まれる ・実験物理は稲作民族の日本人向け. ・「スライドでは聴衆から見えないような文字は使うな」「文字ばかりのスライドを見せられても誰も読まないし、理解もできない」「説明しないことは書くな,説明したいことだけを書け」「発表の目的をはっきりさせろ」 ・オーラルプレゼンテーションと論文の二つは常に全ての基本の中の基本. ・2010年に『ネイチャー』が科学者の幸福度を調査したら,日本は最下位. ・うつと自殺 ・山中氏のPADになったとき,家を建てようと思った話.哀しい. ・日本は教育熱心ではなく,教育結果熱心 ・積極的無宗教.神を持ち出させない. ・色々な細胞が全部同じ遺伝子を持っていると分かったのは2002年. ・山中氏と父の死.

Posted byブクログ