「事務ミス」をナメるな! の商品レビュー
初心者よりも、慣れた熟練者のほうがミスをしてしまうというところから始まります。適応型のミスを防ぐ手段、致命傷にならないための処置など。具体的に自分の仕事に活かすにはアレンジしなければならないけれど、根底となるところが分かり、参考になりました。
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去年、冷蔵庫を買い替え、古い冷蔵庫を下取りに出しました。通販だったので、エコポイントの申請を自分でやったのですが、まあ提出書類のややこしいこと。あれをここに貼れ、これはコピーじゃだめ、この場合はこうしろ、当てはまるものにチェックしろ、ここに書け、ここには書くな、折り曲げろ、折り曲...
去年、冷蔵庫を買い替え、古い冷蔵庫を下取りに出しました。通販だったので、エコポイントの申請を自分でやったのですが、まあ提出書類のややこしいこと。あれをここに貼れ、これはコピーじゃだめ、この場合はこうしろ、当てはまるものにチェックしろ、ここに書け、ここには書くな、折り曲げろ、折り曲げるな……もうやめようかなと思いました(がんばり抜いて14,000円の商品券をもらいましたが)。対応する一般ピープルの能力を超えて仕組みがややこしくなっていて、それが帳票やコンピュータの入力画面のややこしさに表れています。 消えた年金記録に関するニュースに接するたびに、ああいう制度を正確に運営することは人間の能力を超えているという思いに沈みます。本人が忘れるでしょうし、窓口の人がミスるでしょうし、想定外の事象に接したときのイレギュラー処理が不揃いでしょうし、インクが消えるでしょうし、紙が貼り付くでしょうし、コンピュータがバグるでしょう。「何よ、この字、1なのか7なのかわからへん。1にしとこ」。はい、6年分消えました。「この期間はこうで、あの期間はああだけど、これがこうだからそうはならなくて…どうしたらいいの? 所長に訊いたらイヤな顔するし、だまってこう処理しておこうっと」。はい、受給資格がなくなりました。 笑い事ではありません。本書にも出てきますが、僅差となった2000年のアメリカ大統領選挙で、フロリダの選挙区の投票用紙がおバカなレイアウトだったために、ゴア候補に不利になりました。あれがまっとうな書式の投票用紙だったら、ゴア大統領が誕生していた可能性があり、どう考えたって世界はもうちょっとマシな世界になっていたでしょう。まさに「事務ミスをナメるな!」です。 事務って各種業務の中で軽く見られているし、小さなことを変えるのにもエネルギーと手間ひまがかかるし、変えようとしても喜ばれないし、変えられるポジションの人は事務がわからないのが組織の常だし、事故をふせいでも誰も気づかないし感謝もされません。もう言い切ってしまいますが、ふつうのレベルのヤル気や責任感ではモラル維持は難しいし、ましてやカイゼンなどできる業務ではないのです。「1にしとこ」。はい、6年分消えました。そんな大小さまざまなミスが組織と社会に潜在し、ある日突然、福島原発の事故となって人類を襲うのです。 妙に熱くなってしまいましたが、本書は「ヒューマンエラーの研究者」による、良質なビジネス書、問題指摘型とっかかりポイント指南書です。なぜ人間は間違うのか、そもそも間違いとは何か、ミス撲滅のための方法(6方面からのアプローチを提唱)、ミスの起りにくい手順や書式レイアウトなどがコンパクトにまとめられています。楽しく読める工夫もされていて好感が持てます。ビジネスマンならだれもが、自分の会社のシステムや伝票や手順のことを思い起こすことでしょう。
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仕事柄、事務処理が多くあります。 細かな作業が苦手な私でしたが、やはり、ヒヤリ、ハット、があります。 そこからやってくる思いもよらない事故に何度やられたか。。。 事務職の方ではなくても、仕事をしている方は1度は読んでみては? 事務ミス、ホントに、甘くみてはいけません。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近、仕事でミスが多いため、反省の意味を込めて手にとった。 作業の慣れによってミスが起こりやすくなる。 それゆえ本当に熟練をした人は、慣れすぎないように注意している。 いろいろなミスの要因があったが、自分が特に起こしやすいと思ったのは、 ほっとした後に注意力がなくなり、ミスをするというもの。 これには、達成感を保留させる工夫が必要であり、例えば、書類を作成する というものであれば、作成したものをメールで送信するまでが作業だと 認識して処理を行うというようなものである。 他にもミスを犯しやすい様式、状態、防ぎ方等が多く記載されており、 再び自分がミスを犯しやすくなったときにこの本に戻ってきて 反省とともにミスの分析を行っていきたいと思う。
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証券会社の誤発注による大損失をオビ宣伝に書かれ購入。 技術的な改善例が多く、肝心の文系の改善については、物足りない感じ。 チャート図形による分類は、理解しづらくなり、失敗とあるのには、納得。
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その作業をしない 顧客との認識ギャップも事務ミス 可視化 思い込み 大事なことは真っ先に 書式は縦一列に 表にする
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タイトルからだと、事務ミスからどれくらいの損害がおきるか、ということがテーマのように思えたが、実際はヒューマンエラーをいかにして防ぎ、再発防止に努めるかのほうがメイン。細かい分析が失敗を防ぐ。広範囲に応用のきく、コスパの高い新書だった。広い知識と実例に基づいた文章も説得力あり。テ...
タイトルからだと、事務ミスからどれくらいの損害がおきるか、ということがテーマのように思えたが、実際はヒューマンエラーをいかにして防ぎ、再発防止に努めるかのほうがメイン。細かい分析が失敗を防ぐ。広範囲に応用のきく、コスパの高い新書だった。広い知識と実例に基づいた文章も説得力あり。テーマについて語ることだけに終始せず、ミスを防ぐための知恵からでてくる様々な知恵が得られる。
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作戦確実実行力から、異常検知力へ重視される能力が変わってきたこと、および慣れ過ぎないために、初心者にベテランが作業を教えることが双方のために重要との事。 書式レイアウトなどは確定してしまっていると変えにくいが、書類の流れを決めるなどは何とかできるかもしれない。
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仕事のミスの原因を解説するとともに、ミスを取り除くためのテクニックや体制作りの方法論をまとめた本。ミスの分析を知ることによって、ミスに対する認識が大きく変わりました。また、自分自身の仕事の中でどのようにしてミスを減らしていくか方法を考える際に、とても参考になりました。(2011....
仕事のミスの原因を解説するとともに、ミスを取り除くためのテクニックや体制作りの方法論をまとめた本。ミスの分析を知ることによって、ミスに対する認識が大きく変わりました。また、自分自身の仕事の中でどのようにしてミスを減らしていくか方法を考える際に、とても参考になりました。(2011.6.5)
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