完全なる首長竜の日 の商品レビュー
最後もぞくりとするような終わり方。私の見ている現実は本当に現実なのか、、夢の階層という意味ではインセプションみたいな感じだなぁと思ったが、これは人の魂の行方の疑問をもとに作り上げられているものだなと思った。 自分も本を通じ現実と思っていたので、最後の最後でまさかまさかと混乱になり...
最後もぞくりとするような終わり方。私の見ている現実は本当に現実なのか、、夢の階層という意味ではインセプションみたいな感じだなぁと思ったが、これは人の魂の行方の疑問をもとに作り上げられているものだなと思った。 自分も本を通じ現実と思っていたので、最後の最後でまさかまさかと混乱になりそうで、どこから?!と読み直してしまいました。 読後、ちょっと休憩のいるある意味強烈などんでん返しのミステリーでした。
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- ネタバレ
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なんか、タイトルから、勝手にファンタジーだと思っていたのだけど、違った(笑)。 というか、正確には、ファンタジーはファンタジーでも、SFだった。 途中から、主人公の方が昏睡してるんだろうな~というのは読めたけど、そんなレベルじゃなくて、何重にもネジレが生じてて、結局最後まである意味理解のできない、霧中のままに終わった感じでした。 これを構成できるのはすごいなぁ。 ところで。物語を読み終わった後でタイトルを見直してみたら。英語タイトルが、物語内でキーとなる作品がモチーフにされてた!
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面白かったです。 SCインターフェースの説明のところは読み進めるのが面倒な感じがしましたが、他はサクサク読めました。
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名作が他にもたくさんある題材でデジャヴ感は否めなかった。夏の離島や首長竜の淡々としたイメージには惹かれたけども、そもそもの起因となる淳美周りの出来事は俗っぽいし類型的で残念な感じ。
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2011年 第9回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品。 自殺未遂によって昏睡状態に陥った弟・浩市と最新技術でコミュニケートし、過去を探る少女漫画家・和淳美の物語。 SCインターフェースという機器を用い、センシングという意識下での会話を続ける淳美と浩市。 センシン...
2011年 第9回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品。 自殺未遂によって昏睡状態に陥った弟・浩市と最新技術でコミュニケートし、過去を探る少女漫画家・和淳美の物語。 SCインターフェースという機器を用い、センシングという意識下での会話を続ける淳美と浩市。 センシングを続ける中、不可解な現象の出現、現実と夢とが交錯し、自分が分からなくなっていく淳美。 姉弟の過去には意外な結末が待っていた。 タイトルの意味の深さを感じます。 現実と夢との世界を浮遊し続ける主人公に、読者も翻弄されていきます。 岡嶋二人の「クラインの壺」を思い浮かべました。 楽しく読了。
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シンプルな文体がとても読みやすく、いつもなら夜中から本を読みはじめて1冊読むのに朝までかかるところが、明るくならないうちに一気に読み終わった。 ノスタルジーを喚起させられる内容。幼少の頃に家族で海水浴に行ったことや、両親や姉、親戚の笑顔、数年前の妻子の笑顔等を時折思い出しながら読...
シンプルな文体がとても読みやすく、いつもなら夜中から本を読みはじめて1冊読むのに朝までかかるところが、明るくならないうちに一気に読み終わった。 ノスタルジーを喚起させられる内容。幼少の頃に家族で海水浴に行ったことや、両親や姉、親戚の笑顔、数年前の妻子の笑顔等を時折思い出しながら読み進んだ。 たいへん面白く、大賞も納得の内容。 難点は「たぶんこういう展開だろう」という予測を裏切ることなく、ストーリーの基本部分がきっちりと展開するところだろうか。そうきたか!という予想外の驚きがふんだんに盛り込まれているわけではない分、安心感がありるのがいいところでもある。 個人的に演出面でややあっけなく感じたのは、島から帰ったあとの最大の種明かしシーン。 「打ち上げパーティのシーンで主要登場人物が勢揃いしているところに弟も登場」 「全登場人物と主人公と弟が会話をしつつ核心に迫っていく」 「混乱していく主人公」 「精神が限界に達したクライマックスでガラスが割れるような衝撃が走りすべてを悟る」 という種明かし方法なら、あっけなさは感じなかったかもしれない。 前半にプロアシについての描写があったので、「目が覚めたら自分がプロアシだった」という展開でも、ギャップがあってよかったのではないかと思う。 嫌われていたじいさんが、実は供養の気持ちで島に戻ったというくだりが泣ける。まさに、第一印象が悪かった人のほうが好感度がアップするという例の典型。 命の大切さや、現実と空想の境界についていろいろと考えさせられた。 これから死ぬまでに、印象に残るような経験(旅行など)をどれだけできるだろうかと思うと、映画やドラマ等の仮想現実を楽しむのはほどほどにしたほうがいいのではと思ったり、境界が曖昧なら仮想現実をより楽しむべきではと思ったり。
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植物状態になった弟の意識に、SCインターフェイスを使ってアクセスする淳美。スーラの絵のような静けさがある文章。一度では理解が及ばなかった。
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夢か現実か曖昧な世界観は、確かにインセプションやシャッターアイランドに通じていて好み。ですが早々にオチが見えてしまったことや、坦々と進んでいったことが物足りなかった。
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植物状態になった患者とコミュニケーションできる「SCインターフェース」という医療器具が開発され、それを使用する専用の医療機関もある設定のSFなのだが、主人公淳美が自殺未遂により意識不明となった弟浩市と意識を通わせ合ううちに今が現実なのか、SCによる治療中なのかわからなくなっていく...
植物状態になった患者とコミュニケーションできる「SCインターフェース」という医療器具が開発され、それを使用する専用の医療機関もある設定のSFなのだが、主人公淳美が自殺未遂により意識不明となった弟浩市と意識を通わせ合ううちに今が現実なのか、SCによる治療中なのかわからなくなっていく。その描き方は秀逸だが、オチはなんとなく最初の方でわかってしまった。それでも読ませる力はあるし、デビュー作としては選考委員も絶賛するように何も引っかかるところはなかった。 ただ、最後が悲しすぎた(それすら現実なのかわからない感じもまたよかったけど)。
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