遮光 の商品レビュー
【2021.12.14】 虚言癖.死を受け入れれるか。 読むのをためらって薄い本やのに何回もに分けて読みきった。 人の死を受け入れ乗り越える。 「お前の気持ちはわかるような気もするが」って良い言葉の使い方やな。 最後まで読んで理解できたような気がする。わたしはおじいちゃんおばあ...
【2021.12.14】 虚言癖.死を受け入れれるか。 読むのをためらって薄い本やのに何回もに分けて読みきった。 人の死を受け入れ乗り越える。 「お前の気持ちはわかるような気もするが」って良い言葉の使い方やな。 最後まで読んで理解できたような気がする。わたしはおじいちゃんおばあちゃんが亡くなる前までは「みんな一緒、死なへん」と思っていたから。
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4作目。 自意識過剰で他人の評価をいつも気にして生きていたために、自分の行動が、外部を気にしての義務感ゆえなのか、自分がしたいからそうしているのかごちゃ混ぜになっていることがしばしばあった。そしていつしか、自分がしたいことがよくわからなくなっていた。今となってはそういう自分を自...
4作目。 自意識過剰で他人の評価をいつも気にして生きていたために、自分の行動が、外部を気にしての義務感ゆえなのか、自分がしたいからそうしているのかごちゃ混ぜになっていることがしばしばあった。そしていつしか、自分がしたいことがよくわからなくなっていた。今となってはそういう自分を自覚できているが、それに至るまでに相応の対価を支払ったと思っている。今回の話はそういう意味でかなり切実なものだった。
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ひとことで言うと、気持ち悪い 共感できないしぞっとするのに、なぜか頭からはなれない 読んでから何年経っても思い出す作品のひとつで、これはある意味すごいことなんじゃないかなって思える
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新しい種類の気持ち悪い感情を知った。 虚言癖は自分にないし全然似てないのに、他人の話をふとした時に「あの人が言ってたあの話、面白かったな…」と思い出して誰かに話したくなることはあるから何故か少し共感できる感覚があったのが不思議だった。 ラストシーン、読了後の今ではこの展開しか考え...
新しい種類の気持ち悪い感情を知った。 虚言癖は自分にないし全然似てないのに、他人の話をふとした時に「あの人が言ってたあの話、面白かったな…」と思い出して誰かに話したくなることはあるから何故か少し共感できる感覚があったのが不思議だった。 ラストシーン、読了後の今ではこの展開しか考えられない。
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解説にも書かれてある、「これは世界の成り立つの不条理に対して、勝てる見込みのない抵抗を試みた、一人の虚言癖の青年の記録ということである。」 しょうもない現実を実感し続けるより、狂っていたほうがいいかもしれない。 「私には、狂人というのは、一般的に幸福に見えた。」 「他のどんな...
解説にも書かれてある、「これは世界の成り立つの不条理に対して、勝てる見込みのない抵抗を試みた、一人の虚言癖の青年の記録ということである。」 しょうもない現実を実感し続けるより、狂っていたほうがいいかもしれない。 「私には、狂人というのは、一般的に幸福に見えた。」 「他のどんなことも、もう私には関係なかった。私は自分に訪れた圧倒的な無関心を快く受け入れた。」 誠実さを求めた先は、傷つけあいでしょうか。 頑固で自己中と言われたことがあるが 私はいつも真剣でいたつもりでした。 嘘を言いたくない うわべを言いたくない そして口をつぐんだ
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遮光 中村文則 2021/1/2 ゲームのペルソナからジュブナイル要素を取り払って、若干のエログロと狂気を代わりに入れた感じの小説。 死んだ恋人の指を瓶の中に保存し、まだ生きているように虚言を繰り返す主人公。 果たして、それは狂気か純愛か、全く別の何かか? 主人公は狂っている...
遮光 中村文則 2021/1/2 ゲームのペルソナからジュブナイル要素を取り払って、若干のエログロと狂気を代わりに入れた感じの小説。 死んだ恋人の指を瓶の中に保存し、まだ生きているように虚言を繰り返す主人公。 果たして、それは狂気か純愛か、全く別の何かか? 主人公は狂っている。それは多分、間違いない。 死んだ恋人の指を瓶に保存し持ち歩くことの異常さは認識している。 しかし、読者としては、虚言癖の一人称で語られる文を読んでいることになるから、一体何がどこまで本当なのか不明瞭なままになる。 分からないものに惹かれる人間の性ゆえか、読者を掴んで離さない力のある本。 ラストで主人公は完全に狂う。 瓶のある世界に完全に入り込み、自分が異常である認識すらなくなる。 果たしてこの終わり方はハッピーエンドかバッドエンドか、どちらに属するか? 主人公発狂エンドというとバッドエンド感が強いが、狂人は自己認識としては幸せなのではないだろうか。 主人公が人を殺して瓶のある世界に行くことでこの物語は終わるけど、法律だとか道徳だとかから解放されて純粋に愛する人と二人の世界(同一化する世界)に行くのは、幸せだと思う。 ▶︎pick up 「お前が悲しんでいれば悲しんでいるだけ、人はお前に優しくするんだ。でもな、人っていうのは、それが長く続くと、段々うっとうしさを感じたりもするんだ。」
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初めて読んだ中村文則作品。終始暗く危ない雰囲気が続く物語ですが、主人公に憑依する感覚になるくらい惹き込まれました。(想像し続けると、メンタルもっていかれますし頭も疲れますね 苦笑) 個人の人格は、その人の経験した出来事が積み重なったうえにできているものなんじゃないかと改めて思い...
初めて読んだ中村文則作品。終始暗く危ない雰囲気が続く物語ですが、主人公に憑依する感覚になるくらい惹き込まれました。(想像し続けると、メンタルもっていかれますし頭も疲れますね 苦笑) 個人の人格は、その人の経験した出来事が積み重なったうえにできているものなんじゃないかと改めて思いました。
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冒頭から中村文則作品に漂う不穏さ・匿名性がふんだんに込められた文章にわくわくしました。 主人公は、自分がこれまで出会った事のない思考・行動原理を持つ人物の筈が、妙なリアリティを帯びていて、外から見れば不可解な他人はこういった感覚の中を漂っているのかも、と納得させられてしまう生々し...
冒頭から中村文則作品に漂う不穏さ・匿名性がふんだんに込められた文章にわくわくしました。 主人公は、自分がこれまで出会った事のない思考・行動原理を持つ人物の筈が、妙なリアリティを帯びていて、外から見れば不可解な他人はこういった感覚の中を漂っているのかも、と納得させられてしまう生々しさがありました。 一体どこからが、社会で生き抜くために、自分が外界から取らされている選択なのか、あるいは間違った自己認識の思い込みによって選び取っている選択なのか、自分の本音は本当にそこにあるのか、もう一度自分の声に耳を澄ませてみようと思わされました。 やはり著者は類を見ない才能を持った作家さんだと思います。
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初めて読んだ中村文則作品を再読。やはり最高の出会いであった。初めて読む中村作品はこれか「銃」が最適だと思う。死んだ恋人の指への偏愛。典型であることへの演技。世間から遮光された世界での主人公の日常がこんなにもリアルな言葉で表現される。そもそもが不穏な設定から始まる物語はゆっくりと、...
初めて読んだ中村文則作品を再読。やはり最高の出会いであった。初めて読む中村作品はこれか「銃」が最適だと思う。死んだ恋人の指への偏愛。典型であることへの演技。世間から遮光された世界での主人公の日常がこんなにもリアルな言葉で表現される。そもそもが不穏な設定から始まる物語はゆっくりと、でも確実に破滅へと向かい、最後にその堰を切る。そこにあるのはようやく必然へと辿り着いたカタルシスだ。 と書いたものの、記録を見返したら初めて読んだ中村作品は「迷宮」だった。どこで入れ替わったのか?人の記憶なんてあてにならんな。
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中村さんっぽい気だるい感じの文章。癖になる。内容はよく分からん。人間の根底にある暗い感情とか負の精神感を表現したかったのかな。
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