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ハーモニー の商品レビュー

4.3

707件のお客様レビュー

  1. 5つ

    307

  2. 4つ

    233

  3. 3つ

    78

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    5

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すごい

SFだけど、いつか現代社会に起きてもおかしくないんじゃないかと思えるほどの世界観。 ミァハの信念の曲げなさはすごいが、少女から変わらない意思を持ち続けていることは、ちょっと怖いことでもあるとも思った。

みな

2026/04/19

つまらなくはなかったが、手放しで面白い!と言えるかは微妙なところ。徹底された優しく健康的な世界という設定がどうにも想像しにくく、主人公のように捻くれた人間がもっと大量にいてもおかしくないのでは?という違和感を常に抱えながら読み進めた。あと、途中に挟まれる意識に関する哲学的な議論も...

つまらなくはなかったが、手放しで面白い!と言えるかは微妙なところ。徹底された優しく健康的な世界という設定がどうにも想像しにくく、主人公のように捻くれた人間がもっと大量にいてもおかしくないのでは?という違和感を常に抱えながら読み進めた。あと、途中に挟まれる意識に関する哲学的な議論も難解で、個人的にはあまり共感しきれなかった。ただ最期のミァハとの会話から結末に至る流れは圧巻で、めちゃくちゃ良かった。このラストを読むためだけでも価値があったと思える

Posted byブクログ

2026/04/15
  • ネタバレ

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面白かった。文中にダグを入れるギミックはかなり気に入った。今まで見たどんなギミックよりも好き。後半加速度的に話のスケールが大きくなるのでやや冷めるが、上に書いたギミックの件もあって読書体験としてはかなり良い。伊藤計劃の書く文章が好きだということにこの2作目で確信を持った。個人的には殺伐としていた虐殺器官の方が好き

Posted byブクログ

2026/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私はラストの展開について、人間の意思を取り除くことによって生命主義システムの存続のためにを人類が行動するようになった世界、人間が何をすべきかというのはシステムが自ずと示してくれるため、人間が迷わなくなった、悩まなくなった世界になったという解釈をしています。 この本の中では大部分を実存主義的なものの見方で人間の自我というものを定義している気がしています。作中にもあった「このからだも、このおっぱいも、このおしりも、この子宮も、わたしのもの」というところにも現れていた気がします。 一方で、構造主義的な見方によると、人間の自我というのは、その人の中にあるのではなく、その人が発する言葉の中、人間関係の中にあるというような考え方です。(だとわたしは解釈してますが、違ってたらすみません。) そして、構造主義的な見方でこの本に描かれたラストの世界観をみると、わたしはシステム= 世界であり、システム=世界はわたしだというように思えるようになったという見方ができます。この考え方自体は仏教の中には近い思想のものがありますし、個人的には好きな考え方です。 しかし、このシステムの一番の問題点も浮かび上がってきました。 それは失われてしまった意思の中に、現実を解釈するという機能も入っていて、それさえも失われてしまっている、つまり「システム・世界=わたし」という解釈さえも思えなくなってしまい、ただの部品になってしまっている可能性が高いという点です。(そういう記述もあったし。) 「私は世界で、世界は私である」と解釈できる力が残されていれば、人はこのシステムに従いながらでも、より良いものにしていけると思うのです。なぜならそれは自分自身なんですから。そして、ここに自我が残ると思います。 しかし、もしその力が完全に無くなっていれば、ただの物体になってしまったということですので、現状のシステムを維持する方向にしか動けないでしょう。これは完全に自我が消滅した状態だと思います。 停滞は衰退です。きっとこのシステムは将来的に何らかしらの変化に耐えられず消滅する気がします。例えば、敵が現れてこのシステム内の人間を殺戮しようとしてきたら。Watchmeをつけていない人類はこの人たちを殺さずに生かしておこうとするでしょうか。

Posted byブクログ

2026/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

擬似プログラム言語のような独特の文体に慣れるまで、読み進めるのがなかなか大変でした。しかし、その「読みにくさ」こそが、人間がシステムの一部として管理・記述される不気味さを象徴しているようで、読み終えた今はそれも演出の一部だったと感じます。 痛みや苦しみがなくなり、ただ穏やかに生存し続けるだけの世界。それをユートピアと呼ぶのか、それとも意識の死と呼ぶのか。私は、たとえ苦しむことがあっても、自分自身の意志を持ち続けたい。人間が人間であるための「意識」というバグが消えていくラストには、言葉にできない恐怖を感じました。

Posted byブクログ

2026/04/05

虐殺器官の直後に読みました。空っぽに吹き抜けている中を涙を流しながらただ歩いているような。その時々にできる最善の選択をし続けた結果が人類の進化であるなら、人間は動物と何が違い、何が我々を人間たらしめるのか。 こうして感想を書いていて、ああ、あそこのあのフレーズはそういうことか…と...

虐殺器官の直後に読みました。空っぽに吹き抜けている中を涙を流しながらただ歩いているような。その時々にできる最善の選択をし続けた結果が人類の進化であるなら、人間は動物と何が違い、何が我々を人間たらしめるのか。 こうして感想を書いていて、ああ、あそこのあのフレーズはそういうことか…と走馬灯のように文字が浮かんでくるのが、伊藤計劃さんの文章と表現の素敵なところですね。ちりばめられている。 文庫版巻末の佐々木敦さんの解説もぜひ読んでいただきたいです。 以下、早々に17ページ目で心ごと引きずり込まれた好きなやり取りを。ネタバレではありませんが、すべて自分の目で読みたい方はご注意ください。 「誰かが孤独になりたいとしたら、デッドメディアに頼るのがいちばんなの。メディアと、わたしと、ふたりっきり」 とミァハは答えた。あの冷たくなめらかで、ヒトを眠りに誘うような声でさらに続ける。 「映画とか、絵画とか。でも、持久力という点では本が一番頑丈よ」 「持久力、って何の」 「孤独の持久力」

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2026/03/13

物語としていまいち没頭できなかった。 オチの世界は特筆すべきもので、もっと早く読んでおけばよかったという作品。このオチの世界観によって金字塔、名作となっている。

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2026/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本SF界において、伊藤計劃前・伊藤計劃後と言われるほど伝説的な作家とは聞いていた。「屍者の帝国」は読んで個人的にイマイチでそれから離れていたのだけれど、この「ハーモニー」には「なるほどぉ…」と唸るほどの魅力がある。 「健康」を盾にした息苦しいまでの管理社会という視点において、「一九八四年」や「素晴らしき新世界」に近い世界構造。作者へインタビューの内容を見るまでもなく「二分間憎悪」も出てくる。 その中で、合理的な社会で人間が苦しむのは人間を人間たらしめる意識のせい、そして、意識は神の与えた神秘的な能力ではなく、動物としての生命維持器官であり、進化の過程で切り離してもよいものだとのストーリー。残酷ながら新鮮な視点が論理的で美しい。 だけど、この話の中心人物である御冷ミァハについては、冒頭ではそんな管理社会に対するパブリック・エネミーとしての立場を明確にしているのに、最終的に人間の幸福追求とはいえ、社会に迎合するよう人間を作り直してしまう立場に移行するのがちょっと謎というか、それでいいんか? みたいな感じ。体が社会でなく私のものだと主張するのだ、いう気概に賛同していただけに少し拍子抜け。 あと、元々意識のない種族の末裔だったはいいとして、性暴力を受けて意識を獲得した、という展開も少し強引に思える(ない状態から何をどうやって獲得したのか? 性暴力に耐えるなら意識がないほうが良くないか?)。 あと思春期までの子供や、watchmeを入れてない国もあるわけで、人類全てがハーモニったわけでもないのかなぁとか。 時折挟まるHTML構文での演出はとても画期的。まるで自分がプログラムを読み解く/書き込まれる機械になったような冷たい感覚と、そこに乗っかる「anger」「laugh」等のエモーショナルなタグと喚起される感情、そして文章自体の意味が、相反した、なおかつ複合した感覚を読み手に伝える。まるで作中に出てくるカプレーゼのような、食べ物同士の組み合わせで複雑な味を表現する料理のよう。 これは発明! 次世代の小説のスタンダードになってほしいかも…と思うけど、html構文の知識とか前提になるし、あと最後にネタばらし的に文体の理由が説明されるから難しいかな。でもSF感が突き抜けててとてもよい… 【追記】 読み返して、冒頭に「この話は敗残者、つまり「わたし(意識)」の物語である」と書かれていることに気付いたのだけれど、これは、「ハーモニー」が、進化の過程で振り落とされた意識を主人公とした物語ということが提示されてたのかも。 そうすると、このレビューの二段落目で書いた疑問が払拭されて、物語として一貫性が見えてきた。 つまり、意識がミァハを操り管理社会の中で生存しようとしたが、元々意識が不要な種族のミァハは、意識という時代遅れの器官を捨てた人間の進化を選んだいうこと。だから「わたし」は敗北者。 伊藤計劃は「屍者の帝国」でも言葉が生き物のように人間に寄生するという視点を提示していたし、実際はもうわからないけれど、もしかしたらそういう話だったのかも。だとすると矛盾点は消え、トァンでなく「わたし」の物語だったという記述トリックもあり、素晴らしく面白い!

Posted byブクログ

2026/02/24

みなさんが高評価の中お恥ずかしいのですが、150ページに到達するまでに6回寝てしまうくらい自分には合わなかった。でも世の中のあり方について色々考えさせられることはあったので星2。

Posted byブクログ

2026/02/19

伊藤計劃の本は初めて。壮大な世界観と緻密な設定は圧巻でした。その上とても考えさせられる。面白く、深い、とても良い一冊。

Posted byブクログ