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ハーモニー の商品レビュー

4.3

661件のお客様レビュー

  1. 5つ

    287

  2. 4つ

    214

  3. 3つ

    78

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    9

  5. 1つ

    4

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すごい

SFだけど、いつか現代社会に起きてもおかしくないんじゃないかと思えるほどの世界観。 ミァハの信念の曲げなさはすごいが、少女から変わらない意思を持ち続けていることは、ちょっと怖いことでもあるとも思った。

みな

2024/06/05

『SF超入門』で紹介されていた本。 とても読みやすくて、設定が面白いので物語に入り込んでしまう。 全国民の体内に「WatchMe」が埋め込まれ、各個人の病気や病気の発症をも管理することができるようになり、人間は病気では死ぬことがない世界。 自分は持病があるので、そんな世界は羨...

『SF超入門』で紹介されていた本。 とても読みやすくて、設定が面白いので物語に入り込んでしまう。 全国民の体内に「WatchMe」が埋め込まれ、各個人の病気や病気の発症をも管理することができるようになり、人間は病気では死ぬことがない世界。 自分は持病があるので、そんな世界は羨ましいと思いながら読んでいた。 でも読み進めるうちに、その世界は本当に幸福なのか?と思うようになっていく。 健康とは?管理され過ぎる社会とは? 色々考えさせられた。 Audibleにて。

Posted byブクログ

2024/05/21

めちゃくちゃおもしろい! 言語化が難しいが、身体が熱くなって動悸が速まる、そんな物語。 社会のリソースとして「生命主義」を敷く生府という構造は、フーコーの「政権力」論による。フーコーの著作を読んで唸らされた諸事象が、フィクション作品として再度衝撃を与えてくれた。その他にも、自由意...

めちゃくちゃおもしろい! 言語化が難しいが、身体が熱くなって動悸が速まる、そんな物語。 社会のリソースとして「生命主義」を敷く生府という構造は、フーコーの「政権力」論による。フーコーの著作を読んで唸らされた諸事象が、フィクション作品として再度衝撃を与えてくれた。その他にも、自由意志・意識・死といったテーマが扱われているが、これらのようないわば陳腐なテーマも、読者にとって新たな側面で描き出されていて、改めて考えさせられるよいきっかけとなった。 もし自分が「メイルストローム」を止められるなら、ボタンを押すだろうか。『三体』の葉先生と同じ状況だ。人間なんてどうしようもないのだろうか。綺麗事で片付くものではない。

Posted byブクログ

2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

虐殺器官とはまた違った趣。より哲学に振り切った内容になっていた。管理社会だったり、人間の意識の必要性など、十年以上前の作品とは思えない斬新さ。SF苦手って人でも読めると思う。

Posted byブクログ

2024/04/29

人生ベスト3に入るSF作品。数年ぶりに再読しましたが、世界観もキャラクターも好みすぎて何度読んでも面白い。最高の作品です。 「健康であるとは何なのか」「他者を思いやることはどこまで正しいのか」といったテーマが、ハーモニーでは常に提示されます。もちろん健康である、他者を思いやるこ...

人生ベスト3に入るSF作品。数年ぶりに再読しましたが、世界観もキャラクターも好みすぎて何度読んでも面白い。最高の作品です。 「健康であるとは何なのか」「他者を思いやることはどこまで正しいのか」といったテーマが、ハーモニーでは常に提示されます。もちろん健康である、他者を思いやること自体は悪いことではありません。むしろ推奨すべきことだと思います。しかし、そのためにあれもダメ、これもダメとルール付けし、個人の自由を縛っていくことは本当に良いことなのか。互いに支え合うためという名目で、我慢し続けることは正しいことなのか。もしそれを正しいとすると、「わたし」という個々の意識は必要なのだろうか…。 なんて、考え出すと止まらなくなってしまうんですが、読み返すたびにそんな思考に至るのが、ハーモニーの魅力の一つかもしれません。このテーマに対する正解はないと思いつつ、だからこそ議論したらとても楽しいと思うので、ぜひ誰かと感想を語り合いたいですね。

Posted byブクログ

2024/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間に意識や意志は必要か、そうでないか。最後まで読んでも自分の中で答えが出せなかった。 争いもなく自死もない世界は望ましいのだけれど、「わたし」というものが無くなったら、それは生きている意味があるのだろうかと悩んでしまう。時には自らを傷つけもするこの自我を、どれだけ厄介であっても、持ってしまった以上は捨て去る勇気は出ないだろうなと思う。 読んでいる最中、病気や体調不良をなくしたいという気持ちと、空気を読むなんて真っ平御免、何にも指示されたくないという気持ちが拮抗してつらかった。 ユートピアでありながらディストピア。少女が夢見た世界を、少女自身は見られなかったのが切なくて、でもその決断をしたトァンのことも嫌いになれなかった。私の印象では、終盤でトァンがどんどん魅力的になっていった。真実を知ることでシンプルになっていったのかもしれない。大人になったとも言える。ミァハを神格化する向きが無くなったからかもしれない。 最終的に色んな要素が削ぎ落とされ、ミァハとトァンの個人的な話になっていくところが良かった。世界を元少女たちが動かしているという、すべてはあの、本気かどうかも分からないたわいもない会話から生まれたのだと思うと感慨深かった。

Posted byブクログ

2024/01/14

・こちらのほうがなんとも残ってる ・重い本を持つことは社会的正義に反する ・ワッチミーによる完全監視社会 ・こどもは守られなければならない ・スコアリング ドミネーターみたいな社会感 ・キアン、ミァハ、 ・ひところしのほんは良くない ・リソース意識 ・さよなら、わたし、さよなら、...

・こちらのほうがなんとも残ってる ・重い本を持つことは社会的正義に反する ・ワッチミーによる完全監視社会 ・こどもは守られなければならない ・スコアリング ドミネーターみたいな社会感 ・キアン、ミァハ、 ・ひところしのほんは良くない ・リソース意識 ・さよなら、わたし、さよなら、たましい。

Posted byブクログ

2023/12/16

ユートピア感のあるディストピアの話は個人的にとても大好き。終わり方も最高に好き。 戦争や暴力、疫病や無秩序は間違いなく人の不幸を招くけれども、逆に振り切れば(完全な健康と秩序)人類は幸せになれるのか。「病気にならないこと」と「病気になることが許されないこと」は似て非なるものではあ...

ユートピア感のあるディストピアの話は個人的にとても大好き。終わり方も最高に好き。 戦争や暴力、疫病や無秩序は間違いなく人の不幸を招くけれども、逆に振り切れば(完全な健康と秩序)人類は幸せになれるのか。「病気にならないこと」と「病気になることが許されないこと」は似て非なるものではあるけれど、じゃあどうすれば人類は幸福になれるのかと言われると難しい。社会性とプライベートを両立させるためには、人は傷つきながら進むしかないんだろうな、と思う。

Posted byブクログ

2023/11/03

SF小説が少し苦手ながらも一気に読了。壮大なストーリーでまだまだ余韻が抜けません。こんなユートピアは厭ですね……。ありきたりな言い方出すが、色々と考えさせてくれました。文章が好き。ミァハの、孤独への持久力は紙の本がいちばん頑丈、という意見に頷きました。

Posted byブクログ

2023/10/22

勧められなかったら読まなかった本。 すごい完成度の高い未来の世界に次々と予測出来ない事が起こる。 この世界ならではの少女達の自殺の動機。 なかなか斬新な一冊。

Posted byブクログ