はなのすきなうし の商品レビュー
アメリカの作家、マンロー・リーフの物語と、ロバート・ローソンの絵による、原書は1936年発表の、大きさは児童書のようであるが、各見開きの右ページに文章、左ページが必ず絵になっている点から、ほぼ絵本といってもいい作品。 思えば、こうしの「ふぇるじなんど(フェルジナンド)」の最...
アメリカの作家、マンロー・リーフの物語と、ロバート・ローソンの絵による、原書は1936年発表の、大きさは児童書のようであるが、各見開きの右ページに文章、左ページが必ず絵になっている点から、ほぼ絵本といってもいい作品。 思えば、こうしの「ふぇるじなんど(フェルジナンド)」の最初の登場場面も、蝶の止まる花を愛おしげに見つめていて、そこから既に、彼の生き方は一貫していたわけだ。 そして、他のこうしたちは、毎日跳んだり駆け回ったり、頭を突っつき合ったりとしている中でも、彼はただひとり草の上に座って、一日中、静かに花の匂いを嗅いでいたが、それに対して、仲間外れだとか、ひとりぼっちだといった気持ちは全く抱いておらず、マイペースにのんびりと、好きなことをして暮らしている。 ロバート・ローソンの絵は、黒のペンによる、漫画に於ける劇画調を思わせるような、きりっとした精巧な描き方をしている中でも、美しいシリアスさだけではなく、時にはコミカルな表情も使い分けている点に、親しみやすさがあるが、私からすれば、影の際立つ表現が多いこともあり、どこか哀愁的感覚が強いようにも思われた。 しかし、ふぇるじなんどの最初から最後まで一貫した、その生き方には、意地でも曲げないぞといった負けん気の強さというよりは、たとえ、どのような状況になろうとも、ありのままで自然体の自分でいることを、まるで無意識にすることができるような、私からしたら、是非とも見習いたいと感じさせた理想的な生き方であり、それは予期せぬアクシデントくらいでは全く動じず、その場の状況にも容易く流されない、彼の泰然自若とした姿からも感じられた。 そして、更に彼の生き方を然り気なく支えているものとして、そんな自分なりの生き方を認めてくれる人がいることを実感することで、読み聞かせに於ける、親子の関係性を意識させられる素晴らしさもある点には、子どもたちそれぞれの生き方を後押しするような、コミュニケーションツールとしての良さもあるように思われて、興味のある方は是非ご活用下さい。 ただ、私の個人的主観として感じたことは、おそらく人間社会でこのような生き方をするには、様々な壁があって、中々難しいだろうということであり、確かにこうして生きられるのならば、どんなにいいだろうかとは思った。けれども、もうここまで人生を歩いて来てしまった私にとって、それを一種の幻想や夢物語と錯覚してしまうのは、黒のみで描かれた、彼も、彼がその下に座るコルクの木も、全てが影と同一化したような絵が、まるで手の届かないところに存在するかのように見えた、そんな感傷的な気分にさせられたこともあるのかもしれない。
Posted by
花が好きでいつもコルクの木の下に座って花の匂いを嗅いでいた子牛のフェルジナンド。大きくなって、ひょんなことから闘牛場に連れていかれてしまう。でもそこは女の人の髪に差した花の香りに満ちていて…。黒のみの線描画が何とも素晴らしい。粋で味わいがある。
Posted by
お花が好きなフェルジナンド。 周りがどんなに他のことに熱中していても、 自分は花が好き、という気持ちを大切にしている フェルジナンドが愛おしい。 自分の好きは大切にしよう、と心から思えた絵本。
Posted by
1954年(昭和29年)発行の古い古いスペインの絵本。 子牛のふぇるじなんどは他の牛と遊ぶよりも、ひとりで草の上に座って静かに花の匂いを嗅いでいるのが好きでした。 おかあさんはそんなふぇるじなんどを心配しましたが、ふぇるじなんどは「ぼくはひとり、はなのにおいをかいでいるほうがす...
1954年(昭和29年)発行の古い古いスペインの絵本。 子牛のふぇるじなんどは他の牛と遊ぶよりも、ひとりで草の上に座って静かに花の匂いを嗅いでいるのが好きでした。 おかあさんはそんなふぇるじなんどを心配しましたが、ふぇるじなんどは「ぼくはひとり、はなのにおいをかいでいるほうがすきなのです」と言います。 ふぇるじなんどが寂しがってないのが分かったおかあさんは安心して、ふぇるじなんどの好きなようにさせることにしました。 ーーー時が経ちどんどん大きくなったふぇるじなんど。 けれども相変わらずお花の匂いを嗅ぐのが好きでした。 ある日、変な帽子を被った5人の男が牧場にやってきます。 彼らはマドリードの闘牛に出すいちばん足の速い一番乱暴な牛を探しに来たのですーーー。 本当に強いというのはどういうことか。 ふぇるじなんどを見ると分かります。 ふぇるじなんどの好きなコルクの木が、挿絵だと木にコルク栓がたくさん成ってる風に書かれていて、思わず「コルクの木」の画像を検索してしまった。 そんなわけない笑 でも、この絵本を読んだ子どもたちは、おうちのワインのコルク栓がなる木があると信じて成長するのかもな、と、思って微笑ましく思った。 全編ひらがなで、ひらがなを習い始めたお子さんにどうぞ。
Posted by
ふぇるじなんどのおかあさんが、花の香りをかぐことが好きな息子が、ひとりぼっちだからといって、さみしがっていなことが分かって、すきなようにしておいてやりました、のくだりが良い。 この考え方が、息子の命を救った、大切な思い。 人だって同じ。
Posted by
もっとオレンジの表紙。印刷でこんなに色が変わるのか。70年前の本。絵がレトロでいい。 牧歌的な内容も悪くない。
Posted by
本人にそんな気はないのに、たまたま色んな事が重なって…でも結局自分の好きな事を知っているって事が一番強いんだなと思った一冊。
Posted by
とても古い絵本。名作だと聞いて図書館で探して読みました。 少し劇画っぽい絵ですが、それでも伝わるフェルジナンドの優しい心が美しかった。悲しい結末にならなくてよかった。
Posted by
はなのすきなうしはあくびをするのがすきなんだかーとおもった。 ※図書館で借りた本。弟の迎えで園で待っている間、去年の担任の先生に聞いてもらいながら読んだらしい。
Posted by
わたしってどう見えている?とか わたしってださい?とか 気にしなくていいよ! というお話。 オトナもこども、どちらも楽しめる絵本です。 誰かと比べてどうのこうのではなく、自分のありのままを認めてあげようねというお話ですが、お母さん牛の聡明さが素晴らしかったです。 そして闘牛...
わたしってどう見えている?とか わたしってださい?とか 気にしなくていいよ! というお話。 オトナもこども、どちらも楽しめる絵本です。 誰かと比べてどうのこうのではなく、自分のありのままを認めてあげようねというお話ですが、お母さん牛の聡明さが素晴らしかったです。 そして闘牛という興業のことを、自分はちゃんとわかっていなかったんだと知り、 そういう意味でもよかったです。
Posted by