イシューからはじめよ の商品レビュー
「人の知覚」の研究から「消費者マーケティング」へ。 生物化学を専攻し、マッキンゼーを経てヤフーという変わった経歴の著者。科学者を目指されていただけあって、とてもロジカル。 いま答えを出すべき問題を見極め、質の高い洞察をし、その裏付けを効果的に取り、明快に答えを出す。中でも、いま...
「人の知覚」の研究から「消費者マーケティング」へ。 生物化学を専攻し、マッキンゼーを経てヤフーという変わった経歴の著者。科学者を目指されていただけあって、とてもロジカル。 いま答えを出すべき問題を見極め、質の高い洞察をし、その裏付けを効果的に取り、明快に答えを出す。中でも、いま答えを出すべき問題を見極めること=イシューからはじめることの重要性を丁寧に説いている。 どの項も面白かったが、著者ならではと感じたのが以下の一節。 「脳は異質な差分を強調して処理するように進化しており、これは脳における知覚を考える際の根源的な原理のひとつだ。そしてこれが、分析の設計において明確な対比が必要な理由でもある。」 つまり脳は、同じように感じる情報には興味を示さない。 ある程度変化がありつつ、どこか繋がりを感じる情報が忘れられにくいのだそうだ。
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仕事をする上で、物事を論理的に考えたり、的確に伝えたりすることを学ぶのに、もってこいの本。「一年に一度は読み直して本書に書いてあることが実践できているか確認しよう」と思わせるぐらい。 著者はYahoo株式会社のCCO室室長なる役職を務める人で、経営課題等に取り組んでいるとのこと...
仕事をする上で、物事を論理的に考えたり、的確に伝えたりすることを学ぶのに、もってこいの本。「一年に一度は読み直して本書に書いてあることが実践できているか確認しよう」と思わせるぐらい。 著者はYahoo株式会社のCCO室室長なる役職を務める人で、経営課題等に取り組んでいるとのこと。一方で、マッキンゼーに入社して4年後にイェール大学の脳神経科学プログラムに入学する等、研究・勉強熱心。そのためか、アカデミックな表現や過去の著名人の言葉が随所に盛り込まれていて、著者の教養の深さを感じる。しかし、主張する所は極めて実践的で、現場視点。 本書では、著者が「考える事とは何か」についてを実際の仕事の場面に沿った形で解説が進む。なぜ考える必要があるのか、考えるに当たってのゴールは何か、ゴールに達するためにどのようなプロセスで考えるべきか、考えた事をどう相手に筋道立てて伝えるべきか、こんな感じに論理的で丁寧な説明をしてくれる。 本書のキーワードとして、イシューという言葉が頻繁に出てくる。正確な意味を問われると、ちょっと回答に自信がなくなる単語だが、本書では「それが本質的に解決すべき問題点で、その解決策の質が成果に大きな影響を及ぼすもの」といった形で定義している。もっと平たく(自分なりの言葉に)すれば、「取り組もうとしている目の前の仕事は、本当に会社や誰かのために貢献できるもので、自分でもわくわくするようなものか」を問われる言葉だった。仕事は好きな事、高いモチベーションを持ってできる事ばかりじゃない。人が嫌がる様なものをやる事こそ仕事だという見方もできる。だとしても、やるべき仕事が何故やるべきなのか、その仕事がどんな効果をもたらすのか、ということを少なくとも自分なりに考えて取り組むのと、それを考えずに取り組むのとではアウトプットの質も違うだろうし、自分の成長度合いも随分違うと思う。その事に改めて気づかせてくれた。 その他、物の考え方等、役に立つ情報が盛りだくさん。分量は多いし、扱っている内容も難しいので、あまり論理的に物を考えられない自分にとっては、読み続けるのに少し根気が必要だったが、得るものは本当に多い。今まで読んできたビジネス書の中で最も読んでよかったと思う本の1つ。特に若手ビジネスマンの方にオススメです!
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「人生は何かを成し遂げるためにはあまりにも短い」 何かにつけて、考えることや対応事項の多い日常で、何でもかんでも解決しようとしていたら、時間はいくらあっても足りないものです。仕事でも日常生活でも、そんなことにならないように効果のある箇所へ取り組むということは大事なように思います...
「人生は何かを成し遂げるためにはあまりにも短い」 何かにつけて、考えることや対応事項の多い日常で、何でもかんでも解決しようとしていたら、時間はいくらあっても足りないものです。仕事でも日常生活でも、そんなことにならないように効果のある箇所へ取り組むということは大事なように思います。 昨今、フレームワークやロジカルシンキングに類するビジネス書が、多数出版されている。少し前までは、専門的な職業スキルとして世に出回っていなかったためか、似たような書籍が乱立しており、本屋を歩いていると軽くめまいを覚えたりする。 これらのビジネス書と本書の違いの1つが、テクニックを行使する対象について、言及している点だろう。 すなわち、Issue(イシュー)である。 問題解決においては、解決する方法以前に何を問題と捉えるかが、意味ある結果を生み出せるかどうかの鍵となるわけだが、この程度の話は昔から論じられている。例えば、G.M.ワインバーグ著 『ライト、ついてますか?』なども問題をどのように捉えるか、何を解決すべきなのか、ついて述べている。 本書では、解くべき問題としてissueを厳密に定義し、仮説の深さとのマトリックスで問題解決の質を表現しているが、この考え方が目から鱗な部分だった。質の良いisseuと深い洞察に基づく仮説があって、初めてバリュー(価値)のあるアウトプットにつながるというわけだ。 もう1点の特徴は、極めて実践的なアドバイスに溢れていること。 issueを導く作業ステップや1ポイントアドバイスが充実しており、筆者の知見をすぐになぞってみることができる。仮説構築から検証に至るまで、ステップ・バイ・ステップでプロセスをまとめていることもあり、内容としてはやや難解な部分もあるかもしれないが、すんなりと理解できる構成になっている。 いずれにせよ、僕のような初心者には打ってつけなので、一読することをお勧めする。コンサルタントではなくて、マーケターや研究者の方にもオススメできます。言われてみると、大学院生の頃に読んでおきたかったかも。 最後に、とても大事だと感じた一頃。 「根性に逃げない」 コンサルタントとして、常に考えていなくてはいけないこと。労働時間が評価になるのではなく、価値のあるアウトプットを生み出せたかどうか。 僕らのものさしには、それしかないのだから、気を引き締めてかからないといけない。
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筆者は 「考える」 ことと、「悩む」 ことは違うと説く。 悩むとは、答えの出ない問題に拘泥し、〈 考える 〉フリをすることであると看破している。 一方、〈 考える 〉 とは、答えが出ることを前提に考えを組み立てることであると。 つまり、「 何に答えを出すか 」 を精査し、物事の本...
筆者は 「考える」 ことと、「悩む」 ことは違うと説く。 悩むとは、答えの出ない問題に拘泥し、〈 考える 〉フリをすることであると看破している。 一方、〈 考える 〉 とは、答えが出ることを前提に考えを組み立てることであると。 つまり、「 何に答えを出すか 」 を精査し、物事の本質に迫りシンプルな答えを導き出すことが真にバリューのある仕事を実現させるという。 全編を通して圧倒的に生産性の高いアウトプットを継続するためのヒントが網羅されている。
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質の高いアウトプットするためには、質の高いイシューを 見つけること。 クエスチョンを見つける⇒仮説を立てる⇒検証するってプロセスは 研究でも一緒。
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売れてたんで読んでみました。フォーカスポイントを特定する助けになれば、、と。 内容は、仮説思考と、問題解決を足して、コンサル~~って感じに書いたらこうなるかなと。正直、もっと他にいい本あるかなあ、、という気がします。 評者の能力不足で理解できなかった可能性は高いですが
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少し癖のある文章に感じたが、最近の論理思考本の中では一番良かった。イシュー=何が問題か、を考え抜くメソッドが綿密に紹介されている。
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本としては読みやすく、図解も豊富で悪くないと思います。 いってることも非常に的を得ています。 やみくもに仕事をしていても、問題解決にはつながらない。 本当に重要な課題=「イシュー」を見極め、 集中して取り組むことが仕事の質を上げる。という主張です。 確かにそのとおりです。 ...
本としては読みやすく、図解も豊富で悪くないと思います。 いってることも非常に的を得ています。 やみくもに仕事をしていても、問題解決にはつながらない。 本当に重要な課題=「イシュー」を見極め、 集中して取り組むことが仕事の質を上げる。という主張です。 確かにそのとおりです。 ただ、これを実際の仕事に取り入れようとしたときに、 正しく活用できているか、自分で判断するのは難しいのでは? と感じました。 著者自身があとがきでも書いていますが、 まずはこの思考法を理解したうえで、 最後は「経験を積むしかない」ということらしいです。 まあ、世の中そんなに甘くはないということですね・・・(-_-;)
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こういった類の本を読むのは初めてで内容を理解するのに時間がかかったが,大体の事は理解できたと思う. イシュー,犬の道,分析とは,どれもハッとさせられる話ばかりで新鮮でした. もう一度,始めから読んで理解を深めていこうかなっと思う位に内容が濃い. まだ社会人に成り立ての技術屋だが人...
こういった類の本を読むのは初めてで内容を理解するのに時間がかかったが,大体の事は理解できたと思う. イシュー,犬の道,分析とは,どれもハッとさせられる話ばかりで新鮮でした. もう一度,始めから読んで理解を深めていこうかなっと思う位に内容が濃い. まだ社会人に成り立ての技術屋だが人前でのプレゼンや開発等で非常に重要になると思われ,読んで損は無かったと思う. 2回目は1回目に比べて,どこまで理解できるか楽しみです.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
問題をやたら解く前に、課題の本質度合いを上げることで、仕事を効率化しなさいという話と、その方法論。非常に良くまとまっていて、実践しながら読みたい本です。 以下、個人的なまとめ。 イシューの設定から解の導出までは4つのステップで行う。 1.イシュードリブン ・イシューとは、「本質的」「深い仮説」「答えが出せる」問いであること。 ・深い仮説の型:常識の否定、新しい構造(共通性、関係性、ルール)の発見 2.仮説ドリブン ・イシューの分解・・・型:「Where、What、How」、「機能、形態、しくみ」 ・ストーリーラインの組み立て・・・型:「Whyの並び立て」「空、雨、傘」 ・分析・・・比較が分析の本質 型:比較、構成、変化 3.アウトプットドリブン ・結論・骨格に影響を与えるものから検証 ・「答えありき」を回避する。 4.メッセージドリブン ・ピラミッド型の論理構造 ・答えを出すための適切な比較軸
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