ゴールデンスランバー の商品レビュー
最初の方はなかなか読み進むのに時間がかかり、これラストまで読めるかな..って不安になったけど、途中からもう一気読み。映画も観たけど楽しめました。オススメの一冊
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時々現れる世間に対する皮肉めいた言い廻しが気持ちよく、また、 主人公が関わって来た人々が明確にあるいは本人の知らないところで彼を助けている箇所が、人との繋がりって大切だ、と思わせてくれる点で良かった。
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いかにも伊坂さんらしい作品だと思う。 登場人物の交錯性というか関わり方というか、毎度毎度「おっ」って思わされる。 国家権力対個人的な、ややありがちなテーマだけど、まぁ楽しめると思う。欲を言うならもう少し意外性があってもよかった。 最後は語り過ぎじゃないんだろうか?
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伊坂幸太郎はやはり裏切らない。 本編は当然面白い。「逃亡者」やらボーン・アイデンティティーシリーズやらの冤罪モノの王道。 かと思いきや、途中で出てくる支援者が意外な人物だったりなんかして、今までの納得感満載の緻密なロジックに拠り、または道具立てとしてのファンタジー要素を巧みに使っ...
伊坂幸太郎はやはり裏切らない。 本編は当然面白い。「逃亡者」やらボーン・アイデンティティーシリーズやらの冤罪モノの王道。 かと思いきや、途中で出てくる支援者が意外な人物だったりなんかして、今までの納得感満載の緻密なロジックに拠り、または道具立てとしてのファンタジー要素を巧みに使って問題解決の楽しさを絶賛提供してきた伊坂モノとは一味違う面白さ。 いや、本編は当然の出来ながら、なにせあとがきが秀逸。 (ボクが読んだ文庫版だけなのかな?ハードカバー版はどうなんだろう…) あとがきは木村俊介氏による伊坂センセへのインタビューなんだけども。 描写の精密さと文章のリズム、或いは物語の伏線とその回収の問題について、おそらくは職業小説家全てが抱える懊悩について、伊坂センセの解答がなされていて大変面白い。 センセは、自身の本の「面白がられ方」が伏線回収の妙にあることは自覚的でありながら、一方でそればかりやっていては同じ物語の縮小再生産になってしまう、という恐怖に取り憑かれるわけです。 そこで今回は「語り方」に重きを置いて意図的に伏線を回収しなかったり、人物描写や背景を故意に削ったりして「ゴールデン・スランバー」を書いた、とのこと。 ボク自身、伏線を見事に回収していくミステリってのは大好きなんだけども、その一方で投げっぱなしの小説も大好物であります。自分で風呂敷広げときながら、その風呂敷の大きさにイチイチ驚く人達。飛浩隆とか夢枕獏とか。 しかし、これまでの伊坂本を期待した読者を失うのでないか、という職業小説家の悩みが出てくるワケです。しかしココで出てくる嫁さんが偉大すぎる。 「たぶん、今のあなたの読者の数はあなたが本来向き合い切れる数より多いんじゃないかな」 …素晴らしい。 伊坂本に出てくる女性はその多くがボクの好みど真ん中ですが、その原型はジツは奥様にあるのかもしれない。 まあ、ここまで読んで、結局本編よりも伊坂奥様の方に胸撃ちぬかれて冬の寒空身にしみると。 そういうサゲになるわけでございます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いつも通りテンポの良い文章で読みやすかったのだが、内容はなー・・・ 1. 何故主人公が犯人に仕立て上げられるのか 2. 結局首相殺しの犯人は誰なのか 3. 何故警察がこんなに無茶苦茶な行動をとれるのか 等々、主要な疑問点が一切何も解決しなかった。 特に2が明らかになっていないから、3の警察が無茶苦茶な行動を取る理由が、犯人だからなのか、それとも著者が、警察が将来アメリカのように、テロリスト達を強引に追い詰める組織になると勝手に考えているからなのかが良くわからなくて、読んでいてつらかった。 後者だったら本当に警察がかわいそうだ。確かに強引な捜査は問題だし、尊大な態度に腹が立つことはあるけど、でも日常で生活を送る上で脅威に感じるのは圧倒的に犯罪者の方であり、警察を脅威だなどと感じたことはこれまで一度もない。それがこんな無茶苦茶な犯罪組織みたいに書かれたんじゃ、警察の中の人も浮かばれないだろう。 後これに関連して一つショックだったのが、途中主人公を捕まえようとして病室のベッドに忍び込んだ警察官が、主人公を助ける殺人鬼の少年に殺されている所の描写。名もない警察官が、同情の余地もないような感じで、ただ死体としてだけ登場している。さも、こういう権力に追従する没個性的な人間は、主人公達のような明るく楽しい人間達と違って、殺されても仕方がない存在であるかのような感じで。 これが犯人の手先だったら、まだ勧善懲悪的な感覚で読み飛ばすこともできたが、しかし犯人がわからないので、ここは容疑者を逮捕しようとするまじめな警官が殺人鬼に殺されたという、普通に考えればどう考えても恐ろしい状況ともとれるのである。しかし、主人公の敵だからという理由で、この殺人はさも主人公のピンチを救った正当な行為として描かれている。 監視社会や権力による個人の弾圧なんかより、一般の人間が、没個性的な人間は死んでしまっても構わないと普通に感じること、こういったことの方がよっぽど怖いと感じた。
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衆人環視の中、首相が暗殺された。犯人に仕立て上げられた青柳雅春。何かがおかしい…報道も警察も友人も何もかもが…巨大な陰謀から必至に逃げる青柳と影ながら支える謎の人物たち。スリル満点の大作。
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面白い。一人一人の登場人物がかなり魅力的にかかれている。 ひとつ残念なのが映画とあまり変わらなかった事だ。もう少し膨らんでほしかったな。
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首相暗殺の容疑をかけられた青柳の逃走劇。 青柳は何故ターゲットにされたのか。 国を的に回しても、こんなに青柳を信頼してくれる人がいる。それってすてきなことだな。 ラストも爽快で私は好き。 伊坂幸太郎は間違いないっ!!
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伊坂作品は魅力的。魔力がある。 個人的には、中編が面白いなと思っていたけれども、 作りこまれたプロットと伏線で、あっという間に自分も 青柳と同じ「ドキドキ感」を味わっていた。 そして。 あの終わり方が素敵。 映画は観ていないので、借りてきてからまた浸ろうと決意。
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もし自分が誤解され、国中を敵にまわしてしまった時、自分を助けてくれるものはいったいどのくらいあるのでしょう。公共機関はもちろん、携帯電話もだめ、となると…やっぱり最後に自分を信じて力になってくれるのは、自分のことをよく知っている人たちかなと思いました。信頼できる人がいることは、本...
もし自分が誤解され、国中を敵にまわしてしまった時、自分を助けてくれるものはいったいどのくらいあるのでしょう。公共機関はもちろん、携帯電話もだめ、となると…やっぱり最後に自分を信じて力になってくれるのは、自分のことをよく知っている人たちかなと思いました。信頼できる人がいることは、本当に幸せなことと同時に、有益で必要なことなんだと思います。 テンポが良く、会話が面白い。事件の派手さと、ケネディ暗殺事件とかけているのは斬新だが、友情を根幹としているところはわかりやすく、安心感がある。映画の方もとても面白かった。
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