ゴールデンスランバー の商品レビュー
非常に今更ですが読了。読み始めた当初は伊坂先生はやっぱり一人称の文体が好きかなあと思っていたんですが、読み終わってみるとこの作品の雰囲気には三人称が一番良い形だと思い直しました。いちいち目頭を熱くさせるのに余韻はどこかクールでいや皆読むよなこれはと。そして映画は(原作みずに映画先...
非常に今更ですが読了。読み始めた当初は伊坂先生はやっぱり一人称の文体が好きかなあと思っていたんですが、読み終わってみるとこの作品の雰囲気には三人称が一番良い形だと思い直しました。いちいち目頭を熱くさせるのに余韻はどこかクールでいや皆読むよなこれはと。そして映画は(原作みずに映画先に入った人間です)なんて原作に忠実に再現してたんだろうなあ、もっと遊んでもよかったんじゃないかと思いました。映画鑑賞後に青柳さんはどうやって生きていくんだろうとそこがまた心配で切なくて泣けたものですが、原作でもやはり日雇いというだけで多くは語られず。日雇いって戸籍なくても雇ってもらえるのか、それとも整形外科医師を通じて入手したのか。自分を棄てて(棄てさせられて)生きていかなきゃならなくなったけど、それを助けてくれたのがさよならする自分が今まで築いてきた縁で、消えた青柳雅春という人物を確かに証明したのがその多くの縁だったんだなと思いました。あとがきで、本作以降小説を書く行為へのアプローチを変えたとあったので、今後読ませて頂くのが大変楽しみです。逃げることは時に抗うこと。誰かに生かされながらこの何者とも云えない人生は続いていく。「彼」のこれからに日が射すのに似た瞬間が少しでも多くありますように。読んでる間とっても幸せでした。伊坂先生と「彼」に敬礼!
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ミステリー仕立てだけど、中身はすごくセンチメンタル。 つながりのあった人達は、たとえ今離れ離れで、もう二度と会えなくても、同じ瞬間に同じものを見てお互いのことを思っていたりする。自分が常々そうだといいなと思っていたことが、文章になっていて感動した。
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すげー。 正直この人のトーンが好きじゃなくて、最初はかなり流し読みしてた。 ブックオフで200円じゃなかったら、そうしてこれが本屋大賞とったって聞かなかったら、 多分読まなかった。 途中も豪快に流し読み。 シュールな展開、さくっと命を落とす登場人物達。 キモチに深入りしないこ...
すげー。 正直この人のトーンが好きじゃなくて、最初はかなり流し読みしてた。 ブックオフで200円じゃなかったら、そうしてこれが本屋大賞とったって聞かなかったら、 多分読まなかった。 途中も豪快に流し読み。 シュールな展開、さくっと命を落とす登場人物達。 キモチに深入りしないこの人の作風は、どうしても好きになれない。 でも、ちりばめる小さなエピソードがうまくできていて、 そこはたまらなく好きなんだなー。 それだけでこの人の本を読むと言っても過言ではなく。 たいへん良くできました、というはんこ。 「痴漢は死ね」 以上2点は、秀逸中の秀逸。 これが書けたらあたしなら、死んでもいいな。
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自分にも馴染みがある仙台を舞台にしてるのがなんとなく嬉しい。 貼られた伏線が少し透けて見えてるところが多かった。わざとだろうか。 一つ一つのプロットにもう少し落ち着きが欲しい。 5分毎にコマーシャルを挟まれているようだった。 ラストはとても切ない。 読みながらそれしかないん...
自分にも馴染みがある仙台を舞台にしてるのがなんとなく嬉しい。 貼られた伏線が少し透けて見えてるところが多かった。わざとだろうか。 一つ一つのプロットにもう少し落ち着きが欲しい。 5分毎にコマーシャルを挟まれているようだった。 ラストはとても切ない。 読みながらそれしかないんだろうなと覚悟しつつ、そこに落ち着いたら心の準備をしててもやはり切ない。 本当にそこしか落ちるところはなかったのだろうか。 なんとなく映画も見たくなった。 みんな同じかもしれない。The Beatles Golden slumbersが聞きたい。
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お盆の帰省中に、休息を兼ねて読んだ本。 伊坂さん著作は初めてでしたが、しっかりしたプロットで読み応え充分。 ハッピーエンドでないことが切ないと思うほど、 感情移入できる作品でした。
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伊坂作品はやはり夢中になって読める。久しぶりの伊坂作品でした。 各登場人物がつながって行く瞬間ははらはらするし、時間の使い方もいい。所々のビートルズのくだりが、本当に音楽が聞こえて来るような感じがする。しかし、青柳を犯人にしたてあげた大きな組織の存在が分からずじまいだったのは、し...
伊坂作品はやはり夢中になって読める。久しぶりの伊坂作品でした。 各登場人物がつながって行く瞬間ははらはらするし、時間の使い方もいい。所々のビートルズのくだりが、本当に音楽が聞こえて来るような感じがする。しかし、青柳を犯人にしたてあげた大きな組織の存在が分からずじまいだったのは、しっくりこなかった。最後に全部を明かしてほしい、やるせない気持ちだった。
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ケネディ暗殺の事件になぞらえて作られた物語で伊坂さんいわく、「伊坂幸太郎らしくない作品」らしいですが、しっかり伊坂作品です。 登場人物の濃さといい、時間のいじくり方といい、物語の収束性といい、ちゃんと伊坂作品の要素が随所にちりばめられてます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
相変わらず、個性的な登場人物ばかりで面白い。 なぜ青柳雅春が犯人として選ばれたのか最後まで分からなかったし、青柳の結末があまりに可哀想でしょうがなかったが、色々な点で様々な感情が次々に沸き起こってきて楽しかった。 でも、最後の最後まで、私は森田が生きている事を信じてたのにな。
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いいよ。伏線の回収具合はさすがって感じ。 印象に残っている台詞は 「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」 習慣化された所作は洗練されているし, 信頼をもとにする所作に後悔は残らない。 シーンなら青柳家の家族の絆。特に父。 息子を信じる家族の絆。特に父の言動はとてもス...
いいよ。伏線の回収具合はさすがって感じ。 印象に残っている台詞は 「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」 習慣化された所作は洗練されているし, 信頼をもとにする所作に後悔は残らない。 シーンなら青柳家の家族の絆。特に父。 息子を信じる家族の絆。特に父の言動はとてもストレートでよい。 あんな家族でありたい。 仕事は人生賭けてやらねばならんね。 ただ☆が3なのは、もう少し巨大組織の確信に迫って欲しかったから。 でも、いいですよ。相変わらずのクロスカットが。
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首相暗殺の犯人にされた男。個人の力ではどうにもならないようなものに巻き込まれての逃避行。 それでも生きることを投げ出さずに、精一杯あがく姿や、それを助ける仲間との絆に感動。 その美しさが具体的な形となって開花するところが良い。
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