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グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた の商品レビュー

3.8

193件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2011/07/24

タイトルではグーグルが先に来ているのでグーグル主体の本かと思ったが、むしろソニーが主体の内容でソニー内部で何が起こっていたのかを内部の視点から書き綴られている。 ソニーに22年間在籍し、その後グーグルの社長となった辻野氏はVAIOやスゴ録を立ち上げた立役者。 本書はその辻野氏に...

タイトルではグーグルが先に来ているのでグーグル主体の本かと思ったが、むしろソニーが主体の内容でソニー内部で何が起こっていたのかを内部の視点から書き綴られている。 ソニーに22年間在籍し、その後グーグルの社長となった辻野氏はVAIOやスゴ録を立ち上げた立役者。 本書はその辻野氏によるソニー回顧録である。 創業者が培ってきたソニーらしさを失ったのが現状のソニーであることが切々と記述されている。 実際今のソニーは外から見ても精細を欠いており、企業病に陥っていることはよくわかる。一世を風靡したウォークマンが今やiPodやiPhoneにシェアを奪われ敗戦状態になっているのもその一例といえる。 本書には創業者のひとりである盛田昭夫氏のエピソードが随所に現れる。 同氏が如何に抜きん出たビジネスマンであったかは知らなかったが、戦後の高度経済成長の中で企業の枠を超え、信念を持って困難に対峙していたというエピソードを読むにつれ、ソニーに限らずかつてのビジョンを失った現在の大企業に一抹の寂しさを覚える。 グーグルはその様なソニーの没落の対比として語られている。 かつての成長真っ只中のソニーは、自由闊達な企業風土の中で、常に世の中に無い新しいものを生み出す文化があった。 グーグルはIT企業なので製品を作ることは無いが、その本質はかつてのソニーが持っていた文化と同じであることを本書は述べている。 日本の大企業のみならず今をときめく外資企業に在籍していた辻野氏のからのメッセージは、  「改めて日本の国際競争力を高め、世界における存在感を取り戻さねばならない」 こと。 その為には抜きん出た時代感覚の持ち主(将来の姿を見据えて今の行動を決める人)の登場が必要であると述べる。 日本経済が不況に見舞われ、財政難に陥り、そして大震災という苦難に見舞われた現在、それをバネとして飛躍できる企業はどうあるべきかを示した書といえる。

Posted byブクログ

2011/07/24

辻野さんはソニー次期社長とも言われていたようだ。若い頃をソニー絶頂期で過ごしてきただけあって、色々な経験をしている。ただ、ソニーも大企業となり過去のような組織ではないこと。企業も人間のように衰退期に入ることなど、他人事ではない。終身雇用で1社で勤めあげる人は減っていくのだろうな。...

辻野さんはソニー次期社長とも言われていたようだ。若い頃をソニー絶頂期で過ごしてきただけあって、色々な経験をしている。ただ、ソニーも大企業となり過去のような組織ではないこと。企業も人間のように衰退期に入ることなど、他人事ではない。終身雇用で1社で勤めあげる人は減っていくのだろうな。 この本で一番大事だと思ったのは辻野さんのことよりソニーショップのオーナーのこと。売れ筋商品がなくて苦しい状態が続いてもソニー製品以外何一つ置かない姿勢。そういう人達のためにソニー社員は良い製品を作らないといけないのじゃないかな。

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2011/07/23

著者の半生を綴った自伝的回想録と今の日本の企業分析を同時に書いた本。 肥大化した組織の衰退が明確に書いてあるのは興味深く、個人的な経験では大企業に限った話ではなく小さいベンチャーでさえ同じ事が起こった。 今後の日本の企業を考える為にも必読。

Posted byブクログ

2011/07/23

辻野さんが問題意識として考えていた部分は、多くの日本人が共有しなければいけない課題だと思う(ソニーに限ったことではなく)。

Posted byブクログ

2011/07/19

Google Japan元社長辻野さんが在籍したソニーとグーグルでの経験を綴った本。 辻野さんはソニー(orグーグル)は消費者に新しいライフスタイルを提供する会社である"べき"、社員は自らの信念を持って挑戦す"べき"といった、ある種の義務...

Google Japan元社長辻野さんが在籍したソニーとグーグルでの経験を綴った本。 辻野さんはソニー(orグーグル)は消費者に新しいライフスタイルを提供する会社である"べき"、社員は自らの信念を持って挑戦す"べき"といった、ある種の義務感を強く持つ人だと感じた。またその義務感から自分を奮い立たせる人間であるように感じた。 -my bookdarts- 「パワーシフト」 (新しいウォークマン開発時に)2ちゃんねるに「辻野ってどうよ」というようなスレッドが立ち、あることないことボロクソに書かれ始めたのもこのころだ。 社内のプロジェクトも、社内メンバーやユーザーの支持を集められるかどうかで判断され、一部の人の強権や環状でプロジェクトを強制終了する、などということはもともと起こり得ないカルチャーであった。過去形で書くのは、グーグルも日々変容しており、会社の規模が大きくなり、リセッションをを経験したりするうちに、必ずしも古き良き時代のカルチャーがそっくりそのまま、というわけでもなくなってきているからである。 IBM創業者のトーマス・J・ワトソンは、「コンピュータは全世界の市場でせいぜい五台ぐらいしか売れないだろう」と述べたといわれる。(中略)二〇〇六年になって、「ワトソンは結局正しかったかもしれない」と、再評価する人物が出てきた。 物理的にはどんなに忙しくても、切り替えが早く、ノリも良く、楽しみながら仕事をする術を知っている人が強い。

Posted byブクログ

2011/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分にとってはいろいろな意味で地雷含みの本ですが. いや,友人が呼んでたので読んでみた. 著者の回顧録なのでどうしても著者が正義のように書かれているので,本質はどうなのかわかりませんが,少なくともこのような流れを高校生~大学生の間に体験して,迷走していくソニーを見ていた自分としては,さもありなん,という感じだった. 肥大化した組織程,醜いものはないのかもしれない.

Posted byブクログ

2011/07/03

タイトルからするとビジネス本だが、内容的には筆者の自叙伝的要素が強い。ただ、”これをやったから事業が成功しました”的な書き方ではなく、受け入れやすい。 似た様なタイトルの「ビジネスで大切なことはすべてGoogleが教えてくれる」 (アロン・ゴールドマン著)はビジネス書的な書き方が...

タイトルからするとビジネス本だが、内容的には筆者の自叙伝的要素が強い。ただ、”これをやったから事業が成功しました”的な書き方ではなく、受け入れやすい。 似た様なタイトルの「ビジネスで大切なことはすべてGoogleが教えてくれる」 (アロン・ゴールドマン著)はビジネス書的な書き方がなされており、対比がおもしろい。 著者が、ソニーやグーグルで実施したこと、そのとき感じたことが書かれており、同じような業界にいる自分にとっては”ライブ感”があり、読みやすい内容で、一気に読めた。 ただ、読み終わった後、VAIOビジネス等を成功させてきた筆者の振り返りと今後の展開と比較し、自分が今までやってきたことは何なのか?ということを考えさせられた...そう言った意味ではビジネス本的か。

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2011/06/29

SONYでVAIO、スゴ録などの大ヒット商品を次々に生み出したにも関わらず、酷い仕打ちを受け、SONYを辞め、その後Googleの日本法人の社長を務めた著者の自伝。 SONY創業者の人柄と偉業、カルテックへの留学、SONYでの仕事時代、Googleのカルチャー、クラウド時代の家...

SONYでVAIO、スゴ録などの大ヒット商品を次々に生み出したにも関わらず、酷い仕打ちを受け、SONYを辞め、その後Googleの日本法人の社長を務めた著者の自伝。 SONY創業者の人柄と偉業、カルテックへの留学、SONYでの仕事時代、Googleのカルチャー、クラウド時代の家電作りなどがテーマ。 溢れんばかりの情熱と、SONYを想う心、そして未来を見据えた商品企画力を持つ優秀な方が、なぜこうも酷い仕打ちを受けねばならないのかと思うと悲しくなりました。 ヒット商品を生み出しているにも関わらず、プロジェクト打ち切り、左遷の連続。そして引用の欄にも書いたように酷い言動の数々。 きっとSONYだけではないのでしょうけど、出る杭は打たれる、という社会に少し落胆。 自由闊達にして愉快なる理想工場は、今のSONYには存在しないのか、と思わせられる。上層部は腐っているのか? さらにAppleがSONYのカルチャーや戦略に敬意を払っていて、だからこそヒット商品を生み出していることも、日本人として少し悲しくなる。 ネットワーク・クラウド時代の家電についても触れられていて、参考になります。 著者は、”クラウドとの連携を前提にした手元のデバイスのユーザエクスペリエンスやデザイン、消費電力などが付加価値のすべてになる”と述べているが、まさにその通りと思う。 具体的に、どのように差別化を図っていくのかが難しいところだが、現状のように、「音質」だの「画質」だの、質ばかり向上しても駄目なのだ、と確信が得られた。 また、過剰品質を避ける、製品に欠陥があることを前提にしたモノづくりの提案に関してもおおよそ同意。 しかし、ハードウェアを売ることが前提となる家電で、その提案をどのように実現できるかが、1日考えたけど妙案浮かばず。品質を割り切ったとしても、修理用の部品の品質も悪ければ修理に余計な工数がかかるし、そもそも、一軒一軒お客さんの家を訪問して回るのが品質を重視するのと同じくらいコストかかる気がする。最低限重視すべき点のみ品質を保障するって感じになるのだろうか。 それともソフトウェア限定?うーん。 以上のように、考えさせられる部分は多いかと思います。

Posted byブクログ

2011/06/27

理工学部生や理工学院生の方はおすすめします。 著者の自伝に近い本ですが、留学、入社、転職等、エンジニアの方の中ではアグレッシブな経歴を歩んでいる方なので、その経歴を知るだけでも、私は読む価値がある本だと思います。 ソニーの内輪話も書かれていて、そこらへんもおもしろいです。 私は就...

理工学部生や理工学院生の方はおすすめします。 著者の自伝に近い本ですが、留学、入社、転職等、エンジニアの方の中ではアグレッシブな経歴を歩んでいる方なので、その経歴を知るだけでも、私は読む価値がある本だと思います。 ソニーの内輪話も書かれていて、そこらへんもおもしろいです。 私は就職活動中にこの本を読んで、いわゆる軸が少しだけ明確になったような気がします。

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2011/06/18

22年間勤めたソニーを退職してグーグル日本法人社長となった著者による、両社での仕事の回顧録。特にソニーでの話が興味深い。VAIO、コクーン、スゴ録、ウォークマン等の製品につき事業部長クラスの立場で関わっており、実務に近い記録を読むことができる。対外要因よりむしろ社内に避けがたい障...

22年間勤めたソニーを退職してグーグル日本法人社長となった著者による、両社での仕事の回顧録。特にソニーでの話が興味深い。VAIO、コクーン、スゴ録、ウォークマン等の製品につき事業部長クラスの立場で関わっており、実務に近い記録を読むことができる。対外要因よりむしろ社内に避けがたい障害がある辺りはどの会社も似たようなものなのかな。

Posted byブクログ