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木洩れ日に泳ぐ魚 の商品レビュー

3.3

704件のお客様レビュー

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2013/01/07

閉じられた空間、限られた一夜に行われる心理戦ーー、恩田陸らしい。動きがないのに気づいたら引き込まれている。 白昼夢のあたりのゾッとする感じがよかった。

Posted byブクログ

2012/12/29

読む。 一頁読んだだけで面白い。恩田陸さん、千早茜さん、森博嗣さん。この三人の文章に心底惚れ込んでいるので、いつの間にか戻ってきてしまう。盲目的な絶賛ではなく、贔屓目。好きなお店の料理は苦手な食材を使われても味付けで満足できる。そういう感覚。 14頁目 《これはどこから始まった...

読む。 一頁読んだだけで面白い。恩田陸さん、千早茜さん、森博嗣さん。この三人の文章に心底惚れ込んでいるので、いつの間にか戻ってきてしまう。盲目的な絶賛ではなく、贔屓目。好きなお店の料理は苦手な食材を使われても味付けで満足できる。そういう感覚。 14頁目 《これはどこから始まったのだろう。この物語はいったいどこから。》 男女二人の会話劇。静かな物語の始まりに期待が高まる。動きのない場面にスポットを当ててみせるところがどことなく演劇的で、妙な緊張感の漂う舞台となっている。何が、語られるのだろうか。 28頁目 《食料品とは、イコール生き物なのだ。生き物はこんなに重いのだ。》 インスタント食品や惣菜の軽さを思うと、自分の体に何を詰め込んでいるのだろうと不安になる。カレーやシチューを作るために買う食材の重いこと。単純な重みが、多分そのまま自分への気持ち。 184頁目 《本当の僕は、罪悪感も自己嫌悪も感じていない。何も感じていない──そう、何も。たぶん。》 潤滑油としての自己嫌悪。情を誘うために落ち込んでみる。下から見上げる景色の安心感と優越感と言ったら。 読了。 とある部屋。男と女が一人ずつ。二人の視点が交互に変わり、過去と現在が語られていく。ミステリーとも恋愛小説とも取れる小さな会話劇だ。息詰まる閉塞感の中で明かされるそれぞれの思い。欲を言えば小説ではなく舞台上の芝居として観てみたかった。

Posted byブクログ

2012/12/20

再読だけど、けっこう内容忘れてた。 たった一晩の出来事なのに、読みごたえのある物語になっているのがすごい。二人の心理戦、「あの男」を巡る攻防、二人の関係の“真実”。続きが気になって次々とページをめくった。 二人の疲労が自分に映ったかのように、読み終わって疲れた気がする。それで...

再読だけど、けっこう内容忘れてた。 たった一晩の出来事なのに、読みごたえのある物語になっているのがすごい。二人の心理戦、「あの男」を巡る攻防、二人の関係の“真実”。続きが気になって次々とページをめくった。 二人の疲労が自分に映ったかのように、読み終わって疲れた気がする。それでも面白かった。

Posted byブクログ

2012/12/18

一組の男女が迎えた最後の夜。 明らかにされなければならない、ある男の死。 それはすべて、あの旅から始まった…。

Posted byブクログ

2012/12/13

ミステリーの皮を被ったラブストーリーといったところ。 一つの部屋に二人の男女。うだうだ飲みながらも、それに対比するようにスピーディーに展開される心理戦。ぼんやりとした記憶から浮きでてくる残酷な真実を、二人それぞれの視点から描く。 禁断の恋というキーワードが印象的で、特に女性側の恋...

ミステリーの皮を被ったラブストーリーといったところ。 一つの部屋に二人の男女。うだうだ飲みながらも、それに対比するようにスピーディーに展開される心理戦。ぼんやりとした記憶から浮きでてくる残酷な真実を、二人それぞれの視点から描く。 禁断の恋というキーワードが印象的で、特に女性側の恋愛観が非常に強く書かれていたように感じるのは、やはり作者が女性であるがゆえの説得力だろうか。

Posted byブクログ

2012/12/05

恩田陸の好きな、舞台風の、キャラクターが移動しない作品。登場人物も限られているのでサラッと読めます。 話の流れが少し強引かな?というのと、ユーミン世代が平井堅が流行した時代の若者というファンタジーがきになりますが(笑)、 移動の際など軽く読みたいときにいい 本だと思います。 面...

恩田陸の好きな、舞台風の、キャラクターが移動しない作品。登場人物も限られているのでサラッと読めます。 話の流れが少し強引かな?というのと、ユーミン世代が平井堅が流行した時代の若者というファンタジーがきになりますが(笑)、 移動の際など軽く読みたいときにいい 本だと思います。 面白いです。

Posted byブクログ

2012/11/11

お互いを疑いながらも徐々に真実に近づいていく流れが凄く面白かったです。 終わりは意外とサラっとしてちょっと物足りない気もしました。

Posted byブクログ

2012/11/08

読後、もやっとさが残ることが多い恩田さんですが、 今回の作品は、割とすっきりと読み終えられるのではないでしょうか。 読者に状況を説明せずに、いきなりはじめ、 情報は後から、少しずつ小出しにしか提供せず、 随所で、これから何かが起こるかもしれないと予感させ、 ぞくりとするような出...

読後、もやっとさが残ることが多い恩田さんですが、 今回の作品は、割とすっきりと読み終えられるのではないでしょうか。 読者に状況を説明せずに、いきなりはじめ、 情報は後から、少しずつ小出しにしか提供せず、 随所で、これから何かが起こるかもしれないと予感させ、 ぞくりとするような出来事が起こり、 だんだんと、真実が明かされてゆくけれど、 その真実は、はたして真実だったのだろうか…。 の様な、“じわじわさ”が、恩田さんの特徴だと、私は勝手に思っているのですが、 その特徴は、この作品にも健在です。 こういった、予感めいたものをチラつかされる小説は、 先が気になって、読ませる力がありますね。 また、建前ではない、人の“本音”の所を描くのも、この人はとても上手だと思います。 そういった心のやり取り、心理戦が、ある種、核となって進んでゆくこのお話は、とてもスリリングに、面白く読むことができました。 恩田陸の世界を知らない人にも、勧めやすい1冊かもしれません。

Posted byブクログ

2012/09/18

ふとした拍子に、恩田陸の書く文章を読みたくなる。そして彼女の言葉を読んで満足する。 内容は二の次なのだ。 本作は少なくとも狭義のミステリの範疇ではない。でも恩田陸だから何でもいいのだ。 いや、しかしラスト近く、千明の章の何と美しいことか…。 75点(100点満点)。

Posted byブクログ

2023/11/26

ミステリー要素もあるけど、恋愛がメインのお話だと思う。 人を好きになること、について考えさせられました。 夏目漱石の『こころ』の話題が印象に残りました。

Posted byブクログ