木洩れ日に泳ぐ魚 の商品レビュー

恩田陸【著】

2023/10/20

好き。人間の感情、生と死、記憶、真実、どれもすごく好きだ。頭の中に止まることなく広がる思考の波を素敵なことばで浴びられて、幸せだなと思った。個人的には恋愛感情と人間としての本能や役割についての場面がお気に入り。
「いつかは崩れ落ちて、この道も無くなってしまうんですよ」
どんな気持ちだったんだろう

未来の自分の共犯者、免罪符としての罪悪感、自分を好きだから好き、、本筋ではないけどすごく面白い表現とか思考がたくさんあって良かった

2023/09/15

　アパートの一室で最後の一晩を過ごす二人の男女の物語。
　話していく中で、ある男の死の真相と二人の出生の秘密が明かされていった。男性のヒロはどこか臆病で感情に振り回されているが、女性のアキは何でも冷静に分析し真実や自分の感情に向き合っているのが対比になっており、構図が分かりやすかった。
　お互いに疑心暗鬼になり感情をそのままぶつけ傷付け合ったりしたが、最後にはダルい疲れからお互いに達観した心情になったのが印象的だった。また、それが外の様子と連動しており、夜明け前が一番暗かったのに日が昇り簡単な同じ感想を抱くことで雰囲気が一気に和らいだところが好きだった。最終的に、全てを記念写真のように笑って思い出にするヒロと、未練をきっぱりと捨てることができたアキの着地点にも納得感があった。
　「木漏れ日を泳ぐ魚」とは人とは、木漏れ日のように相手のことは穴開きでしか知りえず、全部は見たり知ったりすることができない中、感情という魚が泳いでいるのが微かに見ることしかできないということを現しているのかなと思った。
　ただ、二人の出生の秘密を現す夢の話や最後に登場した写真立ては、それまで特にそういう要素はなかったのに唐突に出てきており、ご都合主義を少し感じてしまったのが残念だった。

2023/09/15

引っ越し前夜となる最後の夜に繰り広げられる男女の心理戦。

同じ出来事であっても男女によって捉え方は異なるし、育ってきたバックグラウンドや今の自分自身の置かれた環境や年齢によっても景色は異なってくる。

2023/09/11

お姉ちゃんのおすすめで読んだ本。先の展開が読めなさすぎて、夢中になって一気に読んだ。
死は生の選択の一つっていう言葉が、前に読んだノルウェーの森に出てくる言葉と似ていた気がする。
登場人物の心情に共感できる部分は少なかったけれど、一つ一つの場面の情景が頭に浮かんできて、すらすら読み進められた。

2023/09/05

じりじり擦り寄っていくような、そんな物語。

ちょっとファンタジー要素の入った小説、
好みじゃないかも。

小説の中に、日常のきらめきを感じたい

2023/08/25

面白さがよく分からなかった。
読み始めから状況が二転三転しているのは分かるが、その展開方向が全然共感できなかった。

途中で読むのをやめた。

2023/08/19

　深夜、あるアパートの一室に男女がいる、二人は朝になればそれぞれ出ていくことが決まっている。しかし二人には別れる前にはっきりとさせなければいけないことがある…それはどうしてあの日「父親」は死んだのか？

　二人の視点から真実へと迫っていく描写は引き込まれた。自分でも真実はこうなのかなと考えながら読み進めていたが、想像よりも複雑な内容で面白かった。
ただ個人的に最後は納得がいかない。

2023/08/17

最初は引っ越しを決めた日の男女のもつれ話かと思いきや、様々なことが思い出され、決して叶わぬ恋だと思いきや‥
ミステリー的な展開になったりと、叶わぬ恋のシュミレーションを感じました。

2023/08/12

あらすじを見てこれ面白そうと思い購入。
序盤と後半夢中になって読み進た箇所はあったが、基本だらだらと男と女のやり取りが続く。
結局なにをテーマにした話しなのかよく分からんまま終了。禁断の恋？

2023/08/11

アパートの一室での男女の会話と記憶のみで展開。兄妹ではなくいとこ、という結末。次が気になり一気に読み切ったが、途中で何となく結末が読めたことと、父親が亡くなった本当の理由があまりに無理があり、残念だった。