灰色の虹 の商品レビュー

貫井徳郎【著】

2011/11/21

冤罪に陥れられた男性がすべてを失って復讐する話。ただ陥れた側は、正しいことをしたと思っているので、罪の意識はない。そのため復讐が遂げられてもすっきりするという感じではないが、いろいろとかんがえさせられる。個人的に最後まで気になったのは、きっかけとなった事件の本当の犯人が不明のままで、登場人物の誰もが、冤罪ではと感じる刑事さえもが真犯人を追求しようなどとこれっぽっちも思わないことだった。

2011/10/30

うーん、なんかとってもバラバラ感のある出来な気が。。。
伊佐山の自白への持っていき方も、
江木の復讐の仕方も。。。
無駄に長くて、重くて、救いがない。。。
なんか読んで、とても気分が落ち込んだ。。。

2011/10/21

最後まで一気に読ませるところは、さすが貫井徳郎だと感じました。
全体にスピード感があり、ぐいぐい引き込まれました。
「信じること」について、考えさせられる１冊でした。

2011/10/18

心が震えた。それぐらい、衝撃的な作品。

「足利事件」のような冤罪事件がどういった類のものなのか、
正直なところ、いまいちピンとこなかったところがあったけど、
フィクションとはいえ、この作品を読むと申し訳なくなってくる。

人物描写も極端ではあるが、刑事、検事、弁護士、裁判官といった、
職業的な特性から、「いかにもいそう」な感じの人たちばかり。

心理描写は「告白」や「ふがいない僕は空を見た」に似ている。
いわゆる、「藪の中」方式に近いものがある。

読者はある刑事と一緒になって事件を追ってゆくが・・・
久しぶりに目頭が熱くなってしまった。

2011/10/16

えん罪から展開される重たい話だったけれど、
読み切ってよかったと感じています。
ラストの数ページの話が、そこに置かれることで
ストーリーがより鮮明に感じられました。

2011/09/20

冤罪、という重いテーマの本。このように冤罪は作られていくのか・・というリアリティある描写は説得力があった。そして一人の人生のみならず、その家族をも取り返しのつかない破滅へと導いてしまうこの冤罪は、本書にあったように「複数の人達に少しずつしか責任がない」という事実が恐ろしい。殺人事件の場合、真実は被告本人しか分からないので、冤罪がなくなる事はないと思うと救いもない。

但し、本書について具体的に言えば「乱反射」と根本のテーマは似ているのと、これが貫井の書き方でそれはそれで飽きさせない効果は抜群なのだが、話の視点が何度も切り替わる手法も似ているので、この2冊を短期間のうちに読むと既視感を覚えるというか、「また？」という印象を抱いてしまった。

そして、冤罪に関わった警察と司法関係者を批難する内容ばかりだが、やってもいないのに「やりました」と嘘の自白をすると当人はやはり自分の言葉に責任を持つべきなのではないか、と相当な反感を覚えてしまった。いくら警察の追及が怖くても、気が弱くても。

ちなみに冤罪はごく一部の話であり、警察の強引な取調べによって明るみになった事件も多くあるはず。そこも忘れてはならないと思うので、すぐに警察の取調べ手法を批判するとか、前面可視化については私は賛成できない。悪いやつは悪いやつだから、相当な覚悟と態度で持って警察だって対峙しなくてはならない。

多少ミステリーっぽい部分についてはあってもなくても、本書の内容に大きな影響は与えない気がした。

2011/09/05

身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。
七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。ひとりの刑事が被害者たちを繋ぐ、そのリンクを見出した。しかし江木の行方は杳として知れなかった…。彼が求めたものは何か。次に狙われるのは誰か。あまりに悲しく予想外の結末が待つ長編ミステリー。

2011/08/30

冤罪で人生の全てを失った男は復讐を決意した。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。7年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。次に狙われるのは…。

途中からオチが読めるのが残念。冤罪の出来上がる恐怖をこれでもかと描き、私にとっては久しぶりに読み応えのある貫井作品だったけど、どうせならもっと「驚愕のどんでん返し！」を織り込んでくれればよかった。
（C）

2011/08/26

冤罪により投獄され、結局は復習のため殺人を犯す。
気持ちは分かるような。。。

裁判って人の人生を大きく変えるものだということを痛感した。
殺人の目撃者にはなりたくないな。

最後のエピソード、すごくよかったと思う。
幸せの絶頂期を最後に持ってくることによって、一段と不幸さが際立った。

2011/08/23

冤罪で殺人者になった男が自分を殺人者に至らしめた刑事、弁護士、検察官、裁判官、証言者などを次々に殺していく。