灰色の虹 の商品レビュー
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冤罪で捕まった男性がいて、その冤罪にかかわった人が次々に亡くなっていくという話。誰も悪くないのに、不幸な人が生み出される過程と結末までが、面白かったです。
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怖いです。怖かったです。 身に覚えのない殺人の罪。 市民の味方であると思っていた警察官による 自白偏重主義による強引な自白強要。 「いいか!このままおとなしく帰れるなんて、そんな甘いことを考えるんじゃねえぞ!お前が正直に何もかも話すまで、何日でも何十時間でも付き合ってやるよ」の脅...
怖いです。怖かったです。 身に覚えのない殺人の罪。 市民の味方であると思っていた警察官による 自白偏重主義による強引な自白強要。 「いいか!このままおとなしく帰れるなんて、そんな甘いことを考えるんじゃねえぞ!お前が正直に何もかも話すまで、何日でも何十時間でも付き合ってやるよ」の脅し。 やっていないことをやりましたと認めさせらてしまった・・・ 報酬の少ない(意外だった)当番弁護士のやる気の無さ。 (もっと誠実に弁護していただけないものなのか?!) 膨大すぎる仕事の量と自分をクレバーだと上から目線の 冷徹検察官。 (クレバーすぎると心情は欠けてしまうものなのか!?) 堅物マシーンの裁判官。 (なんだこいつのマシーンなような生活は!?) ちょっと刺激を求めた興味本位の安易な目撃者。 (なんなんだよ~自分の言葉に責任をもって欲しいよ) なんで冤罪になってしまったんだよ~ なにか俺がしたっていうのかよ~ 普通に日常を送っている人が!! 殺人の罪に仕事も家族も日常も奪い去られた 理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。 怖いです。怖すぎます。
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面白かった。『乱反射』より洗練されている。 作者は、人の醜さを描かせたら天下一品。 ただし、女性の美醜にこだわる表記が多いのはいただけない。「美人ではないが」という但し書きそのものが、美人でないことをマイナスランクに位置づけていることに気づいてほしい。
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冤罪の恐ろしさを描いた作品。昨日まで普通の生活をしていた人間が突然犯罪者に、そのプロセスの描写がそれほど現実離れしていないのは残念ながら昨今証明された。自白を強要する恫喝としか思えない取調べの末に犯人に仕立て上げられ、さらに姉にも婚約者にも去られる。その部分のストーリーは読み飛ば...
冤罪の恐ろしさを描いた作品。昨日まで普通の生活をしていた人間が突然犯罪者に、そのプロセスの描写がそれほど現実離れしていないのは残念ながら昨今証明された。自白を強要する恫喝としか思えない取調べの末に犯人に仕立て上げられ、さらに姉にも婚約者にも去られる。その部分のストーリーは読み飛ばしたくなるほど悲惨。法治国家において復讐は許されないのは承知の上で、どうしても復讐者に肩入れしたくなってしまう。ここまで読者を感情移入させるのは明日自分にも振りかかるやもしれぬ恐怖を語っているからだろう。
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冤罪にまつわるお話。 関わった刑事や検事、裁判官が次々に亡くなっていく。 なかなか上質なサスペンス。 誰にでも起こりうる冤罪…。
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身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。ひとりの刑事が被害...
身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。ひとりの刑事が被害者たちを繋ぐ、そのリンクを見出した。しかし江木の行方は杳として知れなかった...。彼が求めたものは何か。次に狙われるのは誰か。あまりに悲しく予想外の結末が待つ長編ミステリー。
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あまりにも重くて理不尽。「冤罪が引き起こす復讐劇」と言葉にすればそれだけだが、冤罪によって引き裂かれた幸せへの思い、冤罪に加担した側の生きざま、子を守る母の想い、すべてがリアル。「復讐は悪いこと」と私たちは教え込まれているが、それしか道が残されていない人は無念をどう癒せというのか...
あまりにも重くて理不尽。「冤罪が引き起こす復讐劇」と言葉にすればそれだけだが、冤罪によって引き裂かれた幸せへの思い、冤罪に加担した側の生きざま、子を守る母の想い、すべてがリアル。「復讐は悪いこと」と私たちは教え込まれているが、それしか道が残されていない人は無念をどう癒せというのか。
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所謂、冤罪をテーマにした社会派作品。過去 貫井作品の社会性の強い作品にはあてられっぱなしで 読後には必ずドンよりとした楔を打ち付けられるのですが 今作は更にその楔は深く重たく響いてしまった。 これは読まなければこんな思いをせずに済んだのに...。 今作は一つの冤罪を生むにあたり関わった人間達を 個々に描いていますが、この流れで読むと確かに 憎むべき存在として書かれているんですが、反面、 その人物達の目線や立場を考えると、実はそこには悪意はなく 於かれた立場での慢性した惰性、エゴが蔓延ってるだけであり、 その事自体が日常となっている。これは自分に置き換えてみても 分かり過ぎるくらいに理解出来る。そこに明確な悪意や 作為なんてないのだ。ただ、日常に麻痺したエゴがあり、 誠実さが欠けているだけ。 誰かが押し出したエゴは必ず誰かに皺寄せが行っている。 今作はそれが冤罪だった。 そして今、自分のやっている仕事に置き換えると 皺寄せが行ってるのは制作者である人達なんだな。 正直、読まなきゃ良かった...。今の自分が給料を得ている 会社はまさに一方的な企業の立場にのみたった企業概念と そのルーティーンに徹している。 うー。 なんだか足元がグラグラする。
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久しぶりに読み応えのある1冊でした。 冤罪と復讐の話。 本当にいそうな警察官、検事、弁護士、裁判官、目撃者。 この中の誰か一人でも、江木の言葉を信じてくれたら、もう一度調べてくれたらと思って仕方ない。 冤罪ってこうして作られていくのかと、空恐ろしくもなる。 世間の目、身近な人た...
久しぶりに読み応えのある1冊でした。 冤罪と復讐の話。 本当にいそうな警察官、検事、弁護士、裁判官、目撃者。 この中の誰か一人でも、江木の言葉を信じてくれたら、もう一度調べてくれたらと思って仕方ない。 冤罪ってこうして作られていくのかと、空恐ろしくもなる。 世間の目、身近な人たちさえも疑いの目で見る。そんな状況で孤独を感じないわけがない。 復讐を行動に移した江木は実は精神の強い人なんだろうと思う。勿論、冤罪だから復讐してもいいという事にはならないけど。 江木の裁判に関係した人たちが次々に殺されていく場面の、検事の部分。別の裁判の被告人の兄と、犯人が家の中に侵入していた経緯をもうすこし掘り下げて欲しかったな。 それにしても、母親って凄いな。強い生き物だと思わされました。 【身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。ひとりの刑事が被害者たちを繋ぐ、そのリンクを見出した。しかし江木の行方は杳として知れなかった…。彼が求めたものは何か。次に狙われるのは誰か。あまりに悲しく予想外の結末が待つ長編ミステリー。 】
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身に覚えのない殺人罪で何もかも失ってしまう江木雅史。 冤罪として成立するまでにそれぞれの立場でかかわっていく 関係者たち。。。 冤罪ってこんな風におきるのだろうか・・・なんかコワい。 母の愛は無条件なんだね。 雅史にとって母がいてくれたのはすくいだったろうな。 最後のカット あの幸せなカットが、なぜ!?という気持ちを大きくさせる。
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