百瀬、こっちを向いて。 の商品レビュー
恋愛って尊いぃって心から思えてしまう作品。セリフのひとつひとつが切なくて愛しい。「小梅が通る」がお気に入り。
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とある恋愛アンソロジーで知った著者の初作品集。表題を含む短編4作収録。表題作は、そのアンソロジーに収録されていたもの。学生の、恋愛とはほど遠い生活を送っている子たちが持つ、ささやかで瑞々しい気持ち。少しだけひねりが効いた設定はやり過ぎ感がなく、だからこそ身近に感じられて心に残る。
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“百瀬、こっちを向いて。”で一冊なのかと思ってた。まさかの短編小説集。 個人的に、“なみうちぎわ”が一番すき。“キャベツ畑に彼の声”もいい意味で期待を裏切られる。“小梅が通る”は切なくて、でも温かくなる。 これといってとても面白かったわけではなかったけど、たまにはこういうのを...
“百瀬、こっちを向いて。”で一冊なのかと思ってた。まさかの短編小説集。 個人的に、“なみうちぎわ”が一番すき。“キャベツ畑に彼の声”もいい意味で期待を裏切られる。“小梅が通る”は切なくて、でも温かくなる。 これといってとても面白かったわけではなかったけど、たまにはこういうのを読んでみるのも良いな、と。
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四篇の短編で構成されている小説。 「恋愛未満小説」とでも言えばいいのだろうか。 十代の恋愛がテーマのようで、全編に若さが滲んでいる。 ベタな設定の短編ばかりなのに今時の新しさを感じる。おそらく「会話表現の上手さ」と「ミステリー的な構成」、「登場人物たちの葛藤が現代的」なためだろ...
四篇の短編で構成されている小説。 「恋愛未満小説」とでも言えばいいのだろうか。 十代の恋愛がテーマのようで、全編に若さが滲んでいる。 ベタな設定の短編ばかりなのに今時の新しさを感じる。おそらく「会話表現の上手さ」と「ミステリー的な構成」、「登場人物たちの葛藤が現代的」なためだろう。 逆に言うと設定がベタでも、登場人物の抱える課題が現代的であれば充分に新しい小説になる、ということだ。 淡い恋心が生み出す恋愛未満小説。とても楽しめた。 ●百瀬、こっちを向いて ●なみうちぎわ ●キャベツ畑に彼の声 ●小梅が通る
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
恋愛の短編集。学生が主人公の4つの物語があった。 最初の3つは、全部最後の方に「え!そうなの!?」っていう、なんというか前提が変わるみたいな仕組みがあって、2度読みしちゃう感じだった。 最後の1つの「小梅が通る」は、個人的に1番好きだった。あと、キュンキュンした。 (この話は、他の3つと違って、最初の方で「え!」みたいなびっくりポイントがあった。) イケてるグループなのかどうかとか、周りからどう見られるかがすごく気になる学生時代、自分も「美人に生まれたかった」と思ってたわ。。 大人になると、美人じゃないことで守られていたんだっていう部分や、柚木ちゃんの友達の、自分の世界を持っていることや思いやりがある人の強さに気づいて、もったいないことしたなーと思うんだけど。 きっと学生の時に読んだら、違う感覚の感想を持ったんだろうな。なんか本当に学生時代の気持ちを思い出すような物語だった!
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初めましての中田さん。 4編の恋愛短編集。どれも全然違ってるのに共通するのは、読み終えたとき、もっと続きを読んでみたいと思わせられること。 展開も、感情にも、特別大きな起伏があるわけではないけど、静かに後をひく感じがよかった。 ただ、物足りないと感じる人はいるかもしれない。 特...
初めましての中田さん。 4編の恋愛短編集。どれも全然違ってるのに共通するのは、読み終えたとき、もっと続きを読んでみたいと思わせられること。 展開も、感情にも、特別大きな起伏があるわけではないけど、静かに後をひく感じがよかった。 ただ、物足りないと感じる人はいるかもしれない。 特に好きだったのは「小梅が通る」 プライベートで関わることのあまりない先生と生徒、ちょっとした偶然からの展開、「声」、いろんな要素が好みでした♪ どの作品も、読んだあと思わずその先を想像してしまう楽しみを感じさせてくれました。 軽い読み心地の恋愛短編集もたまには良いもんだなぁと思いました。
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私には合わなかった。解説にも書かれていたように、中田さんの文章はひらがなが多い。それが私には読みづらくて、作風自体があまり合わなかった。心理描写が細かく書かれているのは良かった。だけど、特に「小梅が通る」はあまりにも現実味がないように感じてあまり小説に入り込めなかった。個人的には...
私には合わなかった。解説にも書かれていたように、中田さんの文章はひらがなが多い。それが私には読みづらくて、作風自体があまり合わなかった。心理描写が細かく書かれているのは良かった。だけど、特に「小梅が通る」はあまりにも現実味がないように感じてあまり小説に入り込めなかった。個人的には「なみうちぎわ」が1番好きだった。あまり現実味がないことに変わりはないけど、姫子と小太郎の距離感や空気感が心地良かった。小太郎の罪悪感、姫子が失った5年間。それを全て受け入れて乗り越えた末に、二人でいることを選んだことが、ただただ嬉しかった。
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話の展開や物語の構成についてツッコミどころが多々あるなぁと感じながら読んでいましたが、どこか切なくなるストーリーが心に残る作品でした。
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中田さん、もとい乙一さんの書かれる小説が本当に大好きなんですが、その大きな理由として、主人公の強い劣等感に優しく寄り添って描いている点があると思っています。 青春恋愛小説と甘酸っぱさ全開そうな本作の登場人物たちも一様に、引け目負い目を持っていて”キラキラ!”で終らないところがとて...
中田さん、もとい乙一さんの書かれる小説が本当に大好きなんですが、その大きな理由として、主人公の強い劣等感に優しく寄り添って描いている点があると思っています。 青春恋愛小説と甘酸っぱさ全開そうな本作の登場人物たちも一様に、引け目負い目を持っていて”キラキラ!”で終らないところがとても好き。 表題作「百瀬、こっちを向いて。」は正にその真骨頂で、主人公のどこまで卑下する姿がコミカルながらも哀愁を誘います。というか私は彼そっくりなマインドなので感情移入しまくりです。百瀬、こっちを向いてあげてー そしてもう一つ好きな理由がミステリー要素。本編にもそれはスパイスとして存分に活かされています。「なみうちぎわ」、「キャベツ畑に彼の声」も、さらりと明かされる”真実”が更なるドラマを生んでいて唸らされます。 「小梅が通る」では美人過ぎるが故に悩む女子高生が’ブスメイク”をする、ちょっと反感を買いかねないストーリーですが、読んでいるうちにちゃんと彼女を、そして相手役も応援させてしまうのはさすが。 全体に淡い切なさが漂いながらも、軽やかな文体で読みやすく青春・恋愛小説どちらもあまり読まない私も非常に楽しめました。
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うまい。うまいよねえ。人によってはうますぎて鼻につくとか宣うレベル。迂生はそういうことは言わずに、素直に賛嘆いたします。例えば「小梅が通る」でヒロインが小梅に嫉妬してしまう辺り、ニヤニヤが止まりませんわ。
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