百瀬、こっちを向いて。 の商品レビュー
百瀬:さえない男子が百瀬と偽装恋人に。偽りの恋で胸が痛むのが瑞々しく,野良猫みたいな百瀬がキュート。 波打際:水難事故,植物状態から目覚め キャベツ畑:テープおこしと覆面ライター 小梅:不細工メイク
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少し前にブク友さん達が次々にレビューをあげていて、読みたかった一冊。 著者の本は「くちびるに歌を」「吉祥寺の朝日奈くん」に続き3冊目ですが、これが一番好き!! 4つの短編が収録されていて、どれも自己肯定感の低いタイプの高校生が主人公。 自分のことを“人間レベル2”と自虐したり、...
少し前にブク友さん達が次々にレビューをあげていて、読みたかった一冊。 著者の本は「くちびるに歌を」「吉祥寺の朝日奈くん」に続き3冊目ですが、これが一番好き!! 4つの短編が収録されていて、どれも自己肯定感の低いタイプの高校生が主人公。 自分のことを“人間レベル2”と自虐したり、教室の中で存在を消したり… そんな彼らの甘酸っぱい恋愛体験は、切なくてちょっと苦しいのです。 まず、表題作「百瀬、こっちを向いて。」 の最後の一文に、ズキューンと胸を撃ち抜かれました。 うわぁ~、なにこれ? 最高なんだけど!? そして、4編どれも終わり方が良い。 読者がその先を想像してしまう。 余韻を楽しむ時間がまた胸キュンなのです。 また、主人公の友人達も存在感がある。 特に不可欠なのは「百瀬、こっちを向いて。」の田辺くんでしょう。 あと「小梅か通る」の松代さんと土田さん。 優しさと友情には思わず涙が溢れます。 この4編のテイストを、 「ソーダ水のような、ちょっぴり刺激のある、爽やかな甘味」 と解説の瀧井朝世さんが表現していますが、まさにその通り! またまた青春時代に戻れた読書時間でした❥❥(´ε` )
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読んで、「うっっっ」となって、高校生の頃の彼氏の夢を一晩でたくさん見た。私も彼氏も大変イけてなくクラスでは黒板消しより存在感がなく、とにかく陽キャの皆さんにウザ絡みされないことをひたすら願って過ごする存在だったか、私の中では彼氏は寡黙で優しくて心が広くてかっこよかった、ちょうど主...
読んで、「うっっっ」となって、高校生の頃の彼氏の夢を一晩でたくさん見た。私も彼氏も大変イけてなくクラスでは黒板消しより存在感がなく、とにかく陽キャの皆さんにウザ絡みされないことをひたすら願って過ごする存在だったか、私の中では彼氏は寡黙で優しくて心が広くてかっこよかった、ちょうど主人公の友人たちのように。 だから、それぞれの場所でそれぞれ呼吸をしているから、何も恥じることなく人を大好きになれば良いんだ。
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表紙の美しさに一目惚れして買いました。 全体に表紙に引けの取らないとても爽やかな物語と感じました。 どれも良いのですが、表題ではない話の方が好きでした汗 溢れる気持ちを畑に例えて出荷する とかの表現が、んもおおおおっ!って声にでてしまうくらい可愛くて素敵で感動しました。 小梅の彼...
表紙の美しさに一目惚れして買いました。 全体に表紙に引けの取らないとても爽やかな物語と感じました。 どれも良いのですが、表題ではない話の方が好きでした汗 溢れる気持ちを畑に例えて出荷する とかの表現が、んもおおおおっ!って声にでてしまうくらい可愛くて素敵で感動しました。 小梅の彼との掛け合いも大好きでした。
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主人公とその周りの人達がみんな優しくて温かい。人の温かさを感じた後は、心が穏やかになり、その人のことを好きになる。どれも後味が良かった。読み終わったらなんだか寂しく感じた。
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図書館から本が押し寄せているのに、ここで中田さんを読んでる場合じゃないのに、我慢できずに読んでしまいました。 本当は「朝比奈〜」を読みたかったけど売ってなかったから、「百瀬〜」を10年振りに。 本当だっ、全四話とも嘘をついたりつかれたり。 中田さんて“甘酸っぱい青春物語”ってだ...
図書館から本が押し寄せているのに、ここで中田さんを読んでる場合じゃないのに、我慢できずに読んでしまいました。 本当は「朝比奈〜」を読みたかったけど売ってなかったから、「百瀬〜」を10年振りに。 本当だっ、全四話とも嘘をついたりつかれたり。 中田さんて“甘酸っぱい青春物語”ってだけじゃないんですよね。 自虐的な登場人物たちが面白く愛しい。 会話のやりとりの面白さや、心の声がリアルなんだけど重たすぎない、そういうところが好きです。 みずみずしさをとても感じるのに、淡々と時間が進みシュールな雰囲気が堪らない。 「ウソカノ」をまた読みたくなってしまった。 漢字とひらがなの使い分けがとても気になるけど、発声の強弱?重軽?漢字だと堅過ぎる? ??? 百瀬、こっちを向いて。 さり気なくてとっても良い〜ここで言うのね〜 「なみうちぎわ」の取り戻せないものの大きさがすごい、小太郎よ 日の当たる道を歩くんだぞ… 作中に出てくるテープ起こしをやってみたいと思ったけど、聴くのは好きな声や話し方とは限らないし、考えれば考えるほどイライラする自分しか浮かんでこなかったので却下。
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高校生たちが主人公の、とてもみずみずしい恋愛小説集でした。 登場人物たちそれぞれの立場を、こんなに生き生きと鮮やかに描けるなんて。 これは傑作だと思う。胸キュンしちゃいます。 文章の構成が素晴らしくて、面白くて、一気読み間違いなしです。 読み終わって印象に残ったのは、「百瀬、こ...
高校生たちが主人公の、とてもみずみずしい恋愛小説集でした。 登場人物たちそれぞれの立場を、こんなに生き生きと鮮やかに描けるなんて。 これは傑作だと思う。胸キュンしちゃいます。 文章の構成が素晴らしくて、面白くて、一気読み間違いなしです。 読み終わって印象に残ったのは、「百瀬、こっちを向いて。」のノボルの友人の田辺と、「小梅が通る」の柚木の友だちの土田さんと松代さん。 ほんとにいい子たちだよねぇ。友人にかけられた言葉は一生心に刻まれるのだから。 宝物掘り当てたみたいに感動しちゃいました。 私、純粋無垢な感じのこの子たちのこと、絶対忘れないと思う。
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なんも、密かに流行している乙一まつりに参加しようなんて、気持ちはサラサラなくて、単に古本屋の本棚に白い背表紙が目立っていた、だけ。 文庫本では、中田永一紹介に、本書がデビュー作とある(発行当時は未だ覆面作家中)。初中田永一、初(小説としては)乙一。そうか、中田永一って、こういう...
なんも、密かに流行している乙一まつりに参加しようなんて、気持ちはサラサラなくて、単に古本屋の本棚に白い背表紙が目立っていた、だけ。 文庫本では、中田永一紹介に、本書がデビュー作とある(発行当時は未だ覆面作家中)。初中田永一、初(小説としては)乙一。そうか、中田永一って、こういう作風なんだ。デビュー作には、作家の資質のほとんどが出てくる。 ⚫︎そうか、「百瀬、こっちを向いて。」の台詞をそのタイミングで出すか。テクニシャンだよね。 ⚫︎「なみうちぎわ」、そうか、一応恋愛小説っぽい話だけど、ミステリなんだ。 ⚫︎「キャベツ畑に彼の声」、そうか、これはまるまる和山やま「女の園の星」のパクリだ。じゃない、「女の園の星」がか! ⚫︎「小梅が通る」そうか、キュンキュンさせるという恋愛小説。確実に確信犯だ。 だとすると、 ぼくはまだ誰も気がついてないことに気がついてしまった。 百瀬たちは「刑事ジョン・ブック 目撃者」を、いつ観たのか?公開は1985年である。という事は8年後の現代パートでも1993年という事になってしまう。携帯出てこないから、多分確定だ。 その次の話は、1997年と2002年が交互に描かれる。初出は2006年である。 次の話では、PHSへの買い替えや、テープのダビングが描かれる。おそらく90年代終わりだ。初出は2007年である。 その次の話は、サティが主な舞台になる。しめしめ、時代がわかるぞ、と思ったら、2006年イオンに統合されるまで細々と続いていたらしい。「ナルト」も99年から14年まで連載しているので同定できない。でも多分2000年代前半である。初出は2008年である。 つまり、長くて10数年、短くて4年前のお話を作っているのである。「花束みたいな恋をした」が最初から過去譚として描かれたように、キュンキュン譚は過去譚として描かれないと、リアルにならない。何故ならば、今現在、隣の若者がキュンキュンされたら、とても見ようという気にならないからである。それを見越して中田永一は確信犯として恋愛小説を作った。計算づくのテクニシャンと彼を呼ぼう。
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表題作を含む四篇からなる甘酸っぱい恋愛短編集。 特に「小梅が通る」が良かった。 全体的に優しい雰囲気で、文体も柔らかく読みやすかった。
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本作は2008年刊行、中田永一さんのデビュー作(乙一さんデビュー12年後?)とのこと。同一人物の名義違いデビュー作、ホラーと恋愛の違いや如何に! と勝手な興味・関心で手にしました。 本作には4つの短編が収められており、全部独立した作品として楽しめます。共通点として、主人公が...
本作は2008年刊行、中田永一さんのデビュー作(乙一さんデビュー12年後?)とのこと。同一人物の名義違いデビュー作、ホラーと恋愛の違いや如何に! と勝手な興味・関心で手にしました。 本作には4つの短編が収められており、全部独立した作品として楽しめます。共通点として、主人公が高校生であること。それも目立たず自己肯定感の低い人物だということが挙げられます。なので、若い読者からみると自己投影しやすく共感度も高いのではないでしょうか? 青春が遠い過去の読者(おい、差別だろ!)でも瑞々しく〝映える〟気がします。 また、ひらがな表記が多いのも特徴で、若者対象の読みやすさへの功を奏しているとは思いますが、それ以上に文章表現のやわらかさと繊細さが伺えます。 さらに、ミステリー的な要素や斬新な設定、驚きの展開もあり、乙一さんっぽさを感じさせてくれる場面もあります。これらと、高校生の淡い恋愛感情の揺らぎ表現の巧みさが相まって、いわゆる、単なる恋愛ものとは一線を画していると感じました。 そうです。安心してください! この恋愛小説、甘過ぎないんです! というわけで、中田永一さんのデビュー作は、乙一さんのデビュー作に負けず劣らずの素晴らしい作品でした。と言うか、名義違いによる作品を、変に勘ぐったり詮索したりするべきものではなく、ミステリーやホラー小説も恋愛小説も、2人の書き手として名手であることに間違いなし! ですね。
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