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百瀬、こっちを向いて。 の商品レビュー

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521件のお客様レビュー

  1. 5つ

    138

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  5. 1つ

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2010/09/18

知らない作家でしたが、書店で平積みになっているポップに「実は○○が書いている?」みたいな事が書いてあり、その○○氏のファンだったので思わず手に取り購入。 とてもリーダビリティの高い本でした。 基本的に「日陰者の恋愛」が各短編の通底にテーマとしてあるのですが、そういう小説に良くあ...

知らない作家でしたが、書店で平積みになっているポップに「実は○○が書いている?」みたいな事が書いてあり、その○○氏のファンだったので思わず手に取り購入。 とてもリーダビリティの高い本でした。 基本的に「日陰者の恋愛」が各短編の通底にテーマとしてあるのですが、そういう小説に良くある陰鬱さとか周囲の人の悪意があまりなく、それなりにドライな語り口でさらっと読むことが出来ました。 ドラマチックな展開や大上段なテーマはなく、日常の延長線上にあるような細かなエピソードの積み重ねで人間関係を描く佳作、といった感じ。 ふと軽めな恋愛小説を読みたい、と思った時に手を伸ばすには良い作品なのではないでしょうか。 しかし、この作家一応覆面作家という位置づけなんですが、なんというかバレバレですね(苦笑)。普通に本来の筆名で書けばいいのに、と思いつつ、本来の筆名に定着してしまった色が付くのが嫌だったんだろうか、とも思ったり。白○○とか、黒○○とか、良くも悪くもイメージが固定化されてるからなあ・・・。 早い所本来の筆名でも作品を出して欲しい所ですが、てっきり作品を全然書いていないと思っていたので、こういう形でも作品を読めるならまあ良いかな、と(苦笑)。

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2010/09/17

恋愛小説家の中田永一氏の短編集です。 4つの話から成っております。 そんな4話の中でも表題である「百瀬、こっちを向いて。」と「小梅が通る」がとても好きです。とても共感できるといいますか。 最高です。ちょっとアホなところも。

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2010/09/15

ぱっとしない高校男子の主人公が、憧れの先輩に頼まれて同じ学年の女子と恋人同士のふりをすることに。ネタばれになるのでこれ以上書きませんが、主人公の純粋で素朴な気持ちが痛いほど伝わってきました。そして、最終的にはやっぱり女性のほうがうわてなのかなぁ。と感じました。読んでいてなんだかな...

ぱっとしない高校男子の主人公が、憧れの先輩に頼まれて同じ学年の女子と恋人同士のふりをすることに。ネタばれになるのでこれ以上書きませんが、主人公の純粋で素朴な気持ちが痛いほど伝わってきました。そして、最終的にはやっぱり女性のほうがうわてなのかなぁ。と感じました。読んでいてなんだかなつかしい気持ちになりました。

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2010/09/13

中田永一さんの短編集。4編。 『百瀬、こっちを向いて。』  (男性作家による恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』収録)  憧れであり、恩人であり、幼なじみである先輩のために  一緒になってついた嘘。  偽装恋愛を続けていくうちに、だんだんと僕は…  ちなみに、舞台は福岡・久...

中田永一さんの短編集。4編。 『百瀬、こっちを向いて。』  (男性作家による恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』収録)  憧れであり、恩人であり、幼なじみである先輩のために  一緒になってついた嘘。  偽装恋愛を続けていくうちに、だんだんと僕は…  ちなみに、舞台は福岡・久留米ですよ! 『なみうちぎわ』  (男性作家による恋愛アンソロジー『LOVE or LIKE』収録)  登校拒否の小学生に家庭教師をすることになった女子高生。  ふたりが出くわす悲劇とその真相。  そして、愛。全然甘ったるくないのに、れっきとした愛の物語。 『キャベツ畑に彼の声』  女子生徒に人気の国語教師。  他の生徒と同じように好意を持つ主人公が、ふとしたことから  彼の秘密を知り、だんだんと近づいていくのだが…  こちらも素敵な恋愛の物語。  中田さんは、あっさりした中にしっかりと色恋を乗せるのが上手い。 『小梅が通る』  表題作の女の子バージョンか!?と思ったら大違いだったな。  冴えない女の子グループに属する主人公が隠している秘密。  軽薄な印象しか与えない同じクラスの男の子との関係。  「友達」の深い友情。  こう言うと誤解されるかもしれないが、やっぱり外見って  大事なんだなって思ったよ。色んな意味で。 どれも恋愛モノなんですが、微妙にミステリの要素もあり あ、そうだったんだ!って気付かされる。 上手いよなー、中田さん。 順番に読んでいくと、「ニヤリッ」と思える部分もあったのが さらに嬉しかった。こういうちょっとした仕掛けも好きだ。

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2010/09/12

恋することに抵抗がある人、疲れた人、あるいはまだこれからだという人におすすめの一冊。瑞々しい枝が毎日少しずつ伸びていくように、この本に収録されているお話の恋心はどれも劇的な変化はしないぶん、より私たちの日常で本当に起きているかのような恋愛が綴られている。

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2010/09/13

4編の短編を収めた恋愛小説集。主人公たちはみな思春期特有のナイーブさから、「自分なんか…」と過剰に自己を卑下する傾向にある。本書で特に良かったのは、こうした主人公たちが一歩を踏み出す背景として描かれている同性の友人との関係性。 世界が2人の関係の中に閉じてしまうような恋愛小...

4編の短編を収めた恋愛小説集。主人公たちはみな思春期特有のナイーブさから、「自分なんか…」と過剰に自己を卑下する傾向にある。本書で特に良かったのは、こうした主人公たちが一歩を踏み出す背景として描かれている同性の友人との関係性。 世界が2人の関係の中に閉じてしまうような恋愛小説だと、主人公の自己肯定は恋愛相手に依存してしまう。だけど恋愛はあまりに不安定で不確定なものなので、そこを相手に依存すると、二人の関係性が崩れた時に主人公はまた自己否定の世界に戻ってしまうんじゃないかって思える。それは決して恋愛の健全な姿ではないと思う。 そこが本書では迷っている時に背中を押してくれたり、辛い時にそばにいてくれたりする友人たちとの関係性の中から、主人公が一歩を踏み出すのだ。だから、例えば好きな相手に告白して結果として断られたとしても、その前向きに踏み出せたこと自体で、何かが明るい方向に変わって行けるんだろうなって感じることができる。極甘の恋愛小説でもあるが、自己否定を振り払って恋愛に踏み出せるようになる過程を描く少年・少女の成長物語でもある。その健全さが、誰もが思い当たる節があって恥ずかしくなるような思春期の瑞々しい逡巡の中に鮮やかに描かれる。

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2010/09/09

表紙とタイトルに惹かれて 一作目を読み始めた時にはびっくりした なにせ読んだことがあったから(笑) 他の3作が読めて本当に良かった

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2010/09/05

ちまたで乙一の覆面作家と言われている作家さんで気になってしまいました。ちなみに乙一は『小生日記』で本名ヒロタカ君と書いておりましたが…どうなんでしょうか。 表題作は…いまいちだったなぁ。 他3編はなるほど、微妙にひねっていて乙一っぽいなぁと思いました。脇役の方々がなんともいえない...

ちまたで乙一の覆面作家と言われている作家さんで気になってしまいました。ちなみに乙一は『小生日記』で本名ヒロタカ君と書いておりましたが…どうなんでしょうか。 表題作は…いまいちだったなぁ。 他3編はなるほど、微妙にひねっていて乙一っぽいなぁと思いました。脇役の方々がなんともいえない。 でも仮に乙一でなくても面白い小説ですよ。 首を長くして待つほどではないけれど、文庫化されたら買いたいタイプの作家さんです。

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2010/09/04

何人もの作家さんの短篇が集められた本に 中田さんの作品が載っている、と話題になった頃から、 読みたいな、と思っていたのですが、ようやく読むことができました。 短編集だと、それぞれの作品で山あり谷ありの力加減に なっていたりするかと思うのですが、この本はどれもが 粒だっていて、い...

何人もの作家さんの短篇が集められた本に 中田さんの作品が載っている、と話題になった頃から、 読みたいな、と思っていたのですが、ようやく読むことができました。 短編集だと、それぞれの作品で山あり谷ありの力加減に なっていたりするかと思うのですが、この本はどれもが 粒だっていて、いいバランスで全編が均衡を保っている印象を うけました。 表題作の「百瀬、こっちを向いて。」から書き下ろしの 「小梅が通る」まで。一貫して主人公は決して世界の中心に いるような人物ではないというのが印象的であり、 きっとこの作者もそれを自分の居場所のように思い続けて いるのだろうと思いました。 そして、それを割りと好んでいて、その世界を気に入っているとも 思いました。 もちろん私もどちらかと言えば日常では何も起こらないで欲しい、 自分の力で起こしたこと以外は波風の立たない世界であってくれ というような人間なので、登場人物に感情移入しまくりです。 感情移入のしやすさも、この本ならではというか、 この作者ならではなのようなきがします。

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2010/09/03

p74.「百瀬、こっちを向いて。」 やっぱりこのせりふが好きだ。 書き下ろし『小梅が通る』も面白かった。 山本寛太、鈍すぎる(笑)。 嘘が真実と分かった時、それはまたにぎやかなことになりそうだ。

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