1,800円以上の注文で送料無料

人は、なぜ約束の時間に遅れるのか の商品レビュー

3.6

51件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

考え方はおもしろかったし行動分析学を知るという点では意義深かった。しかし、この本を読んだだけで様々な他の案件に応用するのは難しい。 それと2010年出版なので災害等の実例が古くなってしまっている。また、トンデモなことが明らかになっている「江戸しぐさ」が取り上げられていることも今となっては好ましくない。 人は、なぜ約束の時間に遅れるのか? 「だらしない」でもなく「県民性」でもなく、時間を守って良かったという成功体験の欠如だけである。著者はこれを随伴性と呼んでいる。 人は、なぜ血液型で性格を判断しようとするのか? 誤りなのに血液型と性格との間に関係があると信じている日本人が多い。 人は、なぜ傘を置き忘れるのか? 「うっかり」「加齢」のせいでなく、雨が上がって濡れる心配がないときに、傘の存在を示す先行事象が傘を手に取るという行動を引き起こしにくいからかもしれない。 人は、なぜ同じ過ちを繰り返すのか? 《反省》すれば繰り返さないはず、ではなく、喉元過ぎれば熱さを忘れる。 人は、なぜ公衆マナーを守れなくなったのか? 例えば携帯マナーが悪いのは「モラルの低下」「道徳心の破綻」のせいでなく、車内での携帯の正しい使い方について見本を示されて練習する機会がなく、適切な振る舞いを強化する社会的随伴性が弱くなっているからかもしれない。 人は、 なぜ災害から逃げ遅れるのか? 訓練に違いない、誤報に違いない、他の人が逃げない。 実現性は別として提案。訓練と区別化する、誤報をなくす、逃げる人を用意する。 人は、なぜ騙されるのか? 『行動の慣性』高反応率で維持されている行動には《慣性》がつき多少の抵抗があっても維持されるように作用する。 不安を煽る情動操作と真偽を曖昧にする先行事象の操作 行動を引き起こさせるには、随伴性を強化すべき。人の意思の強さを強化するのではない。 例えばトイレ。ポスターによるキレイに使おうというお願いと、小便器にハエの絵が描かれている場合とが比較されている。両者共に後続事象はトイレが汚れないこと。 ところが、後者の方が自分の「意志」に沿って行動していると感じるのだ。 意欲的に取り組ませるには、「自分の意志で動いている」と思わせることが大切。

Posted byブクログ

2023/07/10

行動についての「なぜ」を、行動分析学に基づく「視考術」という手法で考察する、という本。ものすごく勉強になった。

Posted byブクログ

2022/05/02

性格、道徳心といった、一見すると行動の原因と思われるものは、あくまでも状況の言い換えに過ぎない。 ある行動は、先行事象や、後続事象による強化や弱化(随伴性)によって生じる。 筆者の言葉を借りれば「行動は随伴性そのものによって生じる」のである。 性格や道徳心の有無ではなく、行...

性格、道徳心といった、一見すると行動の原因と思われるものは、あくまでも状況の言い換えに過ぎない。 ある行動は、先行事象や、後続事象による強化や弱化(随伴性)によって生じる。 筆者の言葉を借りれば「行動は随伴性そのものによって生じる」のである。 性格や道徳心の有無ではなく、行動の前後の環境が行動を決定すると考えることは、現状を改善するという建設的な思考を促すことになる。

Posted byブクログ

2021/04/09

大学1年生の入門ゼミにいいかなと思ったけど,2010年なので2021年は在庫なし重版予定なしで,泣く泣く断念。 地震の際の防災行動の話がけっこう出てくるのだけど,東日本大震災の話が出てこない(2010年発行だから当たり前)ところにちょっと違和感を覚えるので,テキストにはしないでよ...

大学1年生の入門ゼミにいいかなと思ったけど,2010年なので2021年は在庫なし重版予定なしで,泣く泣く断念。 地震の際の防災行動の話がけっこう出てくるのだけど,東日本大震災の話が出てこない(2010年発行だから当たり前)ところにちょっと違和感を覚えるので,テキストにはしないでよかったのかもしれない。江戸しぐさとか例に出しちゃってるところもあるし,

Posted byブクログ

2021/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・行動分析学の創始者:B・F・スキナー(1904~1990) ・人の「心」の問題を理解したり、解決策を考えたりするためには、  -実は「心」以外の事柄に注目して分析すべきこと  -そのためには視考術という方法で、さまざまな要因を広く、深く考えること ・言い換えれば、「心」の概念(属性、性格)の概念を使わずに人の「行動のなぜ」を読み解く方法を学ぶこと ・人は映画を観て「勇気」や「友情」に感動する。しかし、「勇気」や「友情」はあくまで解釈であり、実際には観客がそのような解釈や感情をもつように、ひとつひとつのシーンやストーリー展開、演技や大道具・小道具を組み立てなくてはならない。プロの仕事は、感動や解釈を生み出す、事実や具体物の仕込みにある。

Posted byブクログ

2021/01/25

心や性格や年齢ではなく、随伴性があるかどうかがポイント。行動のなぜを心に追い求めすぎず、行動と先行事象と後続事象を考えることで、行動を変えることができる。 考えたことのなかったような視点でみるものだったので、おもしろかった。 題名から想像していた内容とは少し違ったが、勉強になった...

心や性格や年齢ではなく、随伴性があるかどうかがポイント。行動のなぜを心に追い求めすぎず、行動と先行事象と後続事象を考えることで、行動を変えることができる。 考えたことのなかったような視点でみるものだったので、おもしろかった。 題名から想像していた内容とは少し違ったが、勉強になった。

Posted byブクログ

2020/12/11

 本書も「行動分析学」の本です。行動の原因を,心や性格に求めるのではなくて,行動と環境の関係に求めていく。その学問的な捉え方を,具体例を通して解説しています。「視考術」という創作語?が,なんとなくストンと腑に落ちる。  血液型性格判断がまことしやかに語られる日本の社会だが,科学...

 本書も「行動分析学」の本です。行動の原因を,心や性格に求めるのではなくて,行動と環境の関係に求めていく。その学問的な捉え方を,具体例を通して解説しています。「視考術」という創作語?が,なんとなくストンと腑に落ちる。  血液型性格判断がまことしやかに語られる日本の社会だが,科学的ではないはずのそのパターン化が人をして「合っているかも」と思わせるのはなぜなのか。これを視考すると,おもしろいことが発見できる。  また夫婦げんかの元になるあの批難するような言葉遣いと,無視するような態度がどうして起きるのか。視考術を使うと,面白いものが見えてくる。  とにかく,あの人はこんな性格だから,とか,いつもそうなのよ…とか,決めつけることのないように,しっかり行動分析学で学んだ「視考術」を行使していきたいものである。  次回は,スキナーの本取り上げることにする。  次回の本で、一応「行動分析学」については取り上げるのはおしまい。

Posted byブクログ

2020/09/13

タイトルから惹かれてしまった一冊。 ミスにつながらないようにするための心がけを説くだけでなく、その行動や思考の前後に、その原因をとらえ、その行動変容につながる仕組みの必要性を解説する、興味深い内容でした。 そのために、行動分析学に基づく、思考術という手法により、行動を視える化す...

タイトルから惹かれてしまった一冊。 ミスにつながらないようにするための心がけを説くだけでなく、その行動や思考の前後に、その原因をとらえ、その行動変容につながる仕組みの必要性を解説する、興味深い内容でした。 そのために、行動分析学に基づく、思考術という手法により、行動を視える化することで原因を探っていきます。具体的には、約束の時間に遅れる、血液型による性格判断、傘の置き忘れ、ケータイマナーを取り上げ、図解しながら問題点を探っていく内容は非常に面白い。 ▼人や人の行動の問題の原因を、私たちは人の中にある「何か」(心、感情、認知、性格、脳、遺伝子など)に求める傾向がある。行動分析学の面白さは、人や人の行動の問題の原因を、私たちの中にある「何か」ではなく、行動と環境の関係に求めるところにある。 個人攻撃に繋がりがちな現在にあって、それに警鐘を鳴らしつつ、もしかすると発達障害への対応も含め、今後注目される手法なのかもしれません。 <この本から得られた気づきとアクション> ・指摘されているように、個人の特性のみを取り上げるだけでは解決に繋がらない問題は多い。行動の前に気付かせる仕組み、その行動を促すための仕掛けづくりも考慮したうえで、問題解決を図る必要がある。 <目次> まえがき 序 章 県民性・国民性を視考する 第 1 章 性格を視考する 第 2 章 記憶を視考する 第 3 章 道徳観を視考する 第 4 章 思考を視考する 第 5 章 意識を視考する あとがき

Posted byブクログ

2020/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

R:なんでこの本に興味を持った?  kindleで半額対象やって、人の行動の考察本でタイトルが面白そうと感じたため。 A:読んでどうだった?  本書で解説している行動分析学の視考術は自分にとっては全く新しい発想だったので、かなり楽しめて読めた。  人にとっては屁理屈をこねまわしているだけのようにとらえるかもしれないが、自分はかなり納得できる考え方だった。  家庭でも仕事でも活かせる機会はいろいろあると思うので、積極的に使っていきたい。 P:心に留まったフレーズ  ・視考術=行動の理由を「心」「性格」で考えるのではなく、前後の行動(随伴性)をもって考える。  ・個人攻撃の罠=行動の理由を「心」「性格」で考えること。その行動の本当の原因を見失う危険性がある。  ・行動を引き起こすためには、随伴性を強化すべき。人の意思の強さを強化するのではない。  ・視考術は数ある可能性の1つを提示するもので、絶対の正解を導くものではない。

Posted byブクログ

2018/12/22

 行動分析学の課題分析に特に焦点を当てた書物。  「視考しようとする行動の先行事象と後続事象をできるだけたくさん書き出し、それぞれが行動にどのように影響するか考えていく」、というのはふだんでもかなり使えるアイディアのように思う。 視考しようとする行動の先行事象と後続事象をで...

 行動分析学の課題分析に特に焦点を当てた書物。  「視考しようとする行動の先行事象と後続事象をできるだけたくさん書き出し、それぞれが行動にどのように影響するか考えていく」、というのはふだんでもかなり使えるアイディアのように思う。 視考しようとする行動の先行事象と後続事象をできるだけたくさん書き出し、それぞれが行動にどのように影響するか考えていく。 先行事象:テーマが起こるきっかけ 行動を増やしそうな後続事象には↑を、行動を減らしそうな事象には↓を、影響しなさそうなら―をつける。見当がつかない場合は?を。 随伴性、あくまで行動と環境変化との関係である。 行動は随伴性を知っているから生じるのではない。行動は随伴性そのものによって生じるのである。 カウンターコントロールはどうすれば抑えられるのか。もっとも単純な解決策は支持しないでも行動が生起するように随伴性を工夫することである。 (便器の蠅マーク) 他社が介在せず、行動をに後続事象が自動的に続く随伴性を、「行動内在的随伴性」とよぶ。これには他者が介在しないからカウンターコントロールを惹起しない。

Posted byブクログ