人は、なぜ約束の時間に遅れるのか の商品レビュー
表題の問いに対して「ずばら」だから、とか「B型だから」という答えを返す人、必見の一冊。 行動分析学の入門書というのではなく、「行動分析学」を行う人がどのようなアプローチで物事を考えるのかを示した内容になっている。 基本的に分析というアプローチなので、人の行動の原理つまりブラッ...
表題の問いに対して「ずばら」だから、とか「B型だから」という答えを返す人、必見の一冊。 行動分析学の入門書というのではなく、「行動分析学」を行う人がどのようなアプローチで物事を考えるのかを示した内容になっている。 基本的に分析というアプローチなので、人の行動の原理つまりブラックボックスの中身を解明するような方法論は採らない。単純にインプットとアウトプットを観察することによって、どのようなインプットでどんなアウトプットが出やすいのか、を注意深く観察し、仮説を立てる。 この手法であれば、問題に対する具体的な行動を考えやすくなるというメリットがある。「性格」を変えよう、という曖昧なものではなく、出かける前に忘れ物がないように限界にお出かけセットを準備しておく、とか、優先座席だと一目で分かるように車内ではなく席のカバーそのものに「一目で分かる」区別を付けておく、というアプローチだ。 こういう実際的なアプローチによって解決できることは多い。人類が抱える問題全てを解決することはできないかもしれないが、日常的に応用できることは多いと思う。 まず、「行動の原因」を考える。そういうやり方を憶えるために適している本だと思う。
Posted by
知恵袋的な生活テクニックを予想させるようなタイトルに見えるが、そんなレベルにとどまらない深い考察であった。
Posted by
行動分析学的「視考術」の利点を日常的な豊富な具体例から説く。 心のコントロールがうまくいかずに悩んでいるときには、心をわきに置いて、行動や環境を「見える化」して考える、こういった理性的なやり方が効果的だと思う。 心のもやもやを晴らす効果がありました。(^^)
Posted by
行動分析学。確かに、待ち合わせ場所までの所要時間を調べるタイミングが遅いかも。前日には調べようと反省した。
Posted by
少し甘めの採点だけど、「行動分析学」は初めて読んで、割とわかりやすかったので。 途中で「江戸しぐさ」が”あったもの”として、現代のマナー(行動)と比べてるところは、随伴性の正否に関係はないけど、妙に説得力に欠けた。 原因を≪心≫に求めて「個人攻撃の罠」に陥らないために、「視考...
少し甘めの採点だけど、「行動分析学」は初めて読んで、割とわかりやすかったので。 途中で「江戸しぐさ」が”あったもの”として、現代のマナー(行動)と比べてるところは、随伴性の正否に関係はないけど、妙に説得力に欠けた。 原因を≪心≫に求めて「個人攻撃の罠」に陥らないために、「視考法」を使って随伴性を探っていく。 確かに、安易な思考停止に陥らずに、原因を想像し、具体的な対応策を取るために有用な分析手法だと思った。ただ、どうしても恣意的な分析になりがちなので、しっかりとした検証も必要なのだろう。
Posted by
私たちは、行動をするときに何かに影響を受けており、そしてその影響を回避しようとしたり、受け入れたりと、無意識の上で判断しながら生きています。そういった行動にのみ焦点を置いた、行動至上主義とも言われる行動分析学が本書のベースとなる学問体系。 ある問題を解決するには、どうしてお...
私たちは、行動をするときに何かに影響を受けており、そしてその影響を回避しようとしたり、受け入れたりと、無意識の上で判断しながら生きています。そういった行動にのみ焦点を置いた、行動至上主義とも言われる行動分析学が本書のベースとなる学問体系。 ある問題を解決するには、どうしておきているのかを具体的に見ていく必要がある。そしてそれが出来ると、対策も具体的にいくつか挙げることが出来る。本書は、それを「視考術」という方法論で解決することをお薦めてしている。問題が起きるのは、一つの理由ではなく、複数の理由がある。そしてそれに対する具体的解決策も複数存在する。そういったものを、漏れなく洗い出そうとする試みが「視考術」。一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。 ただし、本書は行動分析学の説明が不足しており、一読しただけでは内容がつかみきれません。また、行動分析学の説明も不十分だし、肝心の「視考術」に関しても、もう少し誌面を割いてもいいかなと思ったりします。そういう意味では、これだけ読んでも分らないことだらけですから、他の行動分析学の本を読んでおくことをお薦めします。 【書評ブログ『本でもって』内のレビューはこちら】 http://booklife.hatenablog.com/entry/2015/02/01/001844
Posted by
なぜについて随伴性を分析▶問題解決 どうしてをしっかりと考える方法の練習。どうしてを明確な行動の理由を見つけて解決に向かわせる方法論を述べる。
Posted by
読みやすく、身近な事例に落とし込んである 行動の理由を性格や血液型のようなものとはせずに、明確な理由を見つけ出す行動分析学の入門書で教科書のような本だと思う
Posted by
行動分析学の類書(新書の入門書)と比較すると、題材や応用例を教育(特に発達障害)に絞っていないため取っ付きやすい。タイトルにもある「人は、なぜ約束の時間に遅れるのか」もその一つ。サラリーマンが仕事に応用しやすいのも本書。読みながら「トヨタ流のなぜなぜ分析に行動分析学、心理学の側面...
行動分析学の類書(新書の入門書)と比較すると、題材や応用例を教育(特に発達障害)に絞っていないため取っ付きやすい。タイトルにもある「人は、なぜ約束の時間に遅れるのか」もその一つ。サラリーマンが仕事に応用しやすいのも本書。読みながら「トヨタ流のなぜなぜ分析に行動分析学、心理学の側面から妥当性裏付けを与えている」と感じた。 一方で、独自の概念化が必ずしも分かりやすさにつながっていない。特に「視考術」は、思考ツールとして分かりにくい上に、メソッドとして固まっていないためにダメな分析のまま考察を進めても本人が気づいて直す手がかりがない。 著者による分析事例はなるほど見事だが、いざ自分でやろうとすると手が止まる。何から手をつければいいのか。何を切り口にすればいいのか。何を基準にすればいいのか。逆にべからず集は。 発想、心構えとして行動分析学を知るにはいい本だと思うが、ツールとして使うには甘い。
Posted by
行動分析学入門。ABCをより自由に描くことにより人間の行動と随伴する環境との環境を可視化し(本書では視考術と読んでいる),行動の原因を内的で測定が難しいもの以外にもあるという考え方を紹介する。個人攻撃の罠から脱する批判的思考につながる。 成績がいいのはあの人が優秀だから 部屋...
行動分析学入門。ABCをより自由に描くことにより人間の行動と随伴する環境との環境を可視化し(本書では視考術と読んでいる),行動の原因を内的で測定が難しいもの以外にもあるという考え方を紹介する。個人攻撃の罠から脱する批判的思考につながる。 成績がいいのはあの人が優秀だから 部屋がきれいなのはあの人が几帳面な性格だから 人の名前を覚えるのが苦手なのはもともと記憶力が低いから よく使うもっともらしい原因が本当に原因なのかを考察する。 P.219自分とは行動を決める主体ではない。なぜなら,行動を決めるのは,遺伝的要因も含んだ過去と現在の随伴性だからだ。 P.221行動が消去されると攻撃行動が自発されることが分かっている p.238プロの仕事は,感動や解釈を生み出す,事実や具体物の仕込みにある。これと同じように,行動のなぜを性格や能力や記憶や道徳心や意志のような見えない心の概念で説明してしまっては楽屋落ちと同じになる。 著者の主張はあとがきで簡潔に記述されている。
Posted by