そうか、もう君はいないのか の商品レビュー
もっと泣ける本かと思ってましたが、良い意味でほっこりしたあたたかい夫婦のエッセイでした。城山さんが容子さんを見つめる視点がやさしくとろけるようで、最期の別離よりも何気ない日常のシーンで胸を突かれました。
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僕自身、父の病床では、父を亡くしそうな悲しみにつぶされそうで、夫を亡くしそうな母を息子として心配できていなかったことに今更ながら気付かされた。また、私の父の死後に恩師の一人が送ってくれた手紙に、配偶者を亡くすということが人間の最大のストレスである、だから残されたお前が母を大切にし...
僕自身、父の病床では、父を亡くしそうな悲しみにつぶされそうで、夫を亡くしそうな母を息子として心配できていなかったことに今更ながら気付かされた。また、私の父の死後に恩師の一人が送ってくれた手紙に、配偶者を亡くすということが人間の最大のストレスである、だから残されたお前が母を大切にしろ、と書いてくれたことを思い出した。 ёと暗号を記しながら、亡き愛妻との思い出を綴った夫は、辛く、しかし幸せであっただろう。挙手の礼で別れたという息子さんも、あとがきを書かれた娘さんも。家族の黄金の日日は永遠なのだ。
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■五十億人の中でただ一人「おい」と呼べる妻へ― 彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる──。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは、亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学...
■五十億人の中でただ一人「おい」と呼べる妻へ― 彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる──。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは、亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ……。没後に発見された感動、感涙の手記。
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最愛の妻を亡くした著者が、妻との思い出と絆を記した本。これほど愛されていた妻は幸せだな、素敵な夫婦だな、と思いました。 解説で引用されていた一文が印象的でした 「仕事と伴侶。その二つだけ好きになれば人生は幸福だという・・。」 その通りかもしれません。
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夫婦愛、妻への思いに溢れた一冊。最後のほうは涙が止まりませんでした。娘さんから見た両親、妻を失った父の様子、父への思いもとても感じられました。名前は知っていたけどあまり読んだことのない作家さんでしたが、次は小説を読んでみたいと思います。
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小説家 城山三郎が亡き妻との想い出を綴った内容 一緒に旅行して楽しんで互いを思いやれる夫婦でありたいと思う
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著者のことは存じ上げなかったが、タイトルに惹かれ購入。 短い本だけど、奥様との出会いから別れまで寡黙な夫の心のうちが書かれている。 本当はまだまだ未完成なのだろうけど、経済の本を多く書いている著者の最後の本が嫁への愛ってのはいいですね。
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ご本人にちゃんと公開する意思があったのか気になる。もしかして秘密のラブレターを出版されちゃったのでは・・・、全国の書店に陳列され、全国の図書館に所蔵されちゃったのでは、と気が気でならない。内容が素敵だっただけに!親密だっただけに!
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城山さんのことは存じ上げず、 著作も未読の状態で読了。 普段の文体は知らぬが、 おごらず、ユーモアに富んでいて、 いつしか知らぬ容子さんのことも、 城山さんのことも、 むかしから知っているかのような気になった。 読み始めた動機は、とある人が 「(これを読むと)結婚したくなる」と...
城山さんのことは存じ上げず、 著作も未読の状態で読了。 普段の文体は知らぬが、 おごらず、ユーモアに富んでいて、 いつしか知らぬ容子さんのことも、 城山さんのことも、 むかしから知っているかのような気になった。 読み始めた動機は、とある人が 「(これを読むと)結婚したくなる」と つぶやいていたこと。 たしかに夫婦って素敵だなと思う本でした。 容子さんの唯一の欠点、 遅刻の話をユーモラスに描いたあとのガンへの伏線。 悔やんでも悔やみきれなかっただろうなあ。 とにもかくにもタイトルが秀逸だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
作家の城山三郎さんが、奥様と出会って、そして先立たれるまでの回顧録。 お二人が送られた人生が本当に幸せそうで、幸せな光景で涙したのは初めてだった。 奥様は大らかで強く、優しい女性。そのうえとってもお茶目な性格で、こんな女性になれたらと思った。 特に印象に残ったのは、奥様が城山さんの代わりに作品の為の取材(講義の受講)をした時に、勉強が苦手で、ノートの端に「眠ってしまった」「遅刻してしまった」などを書いていて、城山さんはそれを見るのが交換日記みたいで楽しかった、、と語っている所。 奥様のお茶目さや、それを愛する城山さんの姿が浮かんできて、城山さんは奥様のこういう所に支えてこられたんだろうなと思った。 また、奥様が癌になってしまい、海外から帰国された長男がお見舞いから帰る際も、今生の別れになるであろうにもかかわらず、お茶目な挨拶で周囲を笑顔にするところ、、奥様の強さと優しさを心から感じ、涙が止まらなかった。 城山さんはこの著書の途中に亡くなったため、締めくくりは娘さんが城山さんとの思い出を語る文章となっている。 娘さんの文章からも、お二人が最後まで出会った頃のままの愛を持ち続けていたことが伝わってきた。 母が大陸なら父は風、母が太陽なら父は月。 正反対だけれどぴったり寄り添っていたという旨の記述がとても印象に残った。 身近な人を大切にしたい、1日1日に想いを込めて、噛み締めて生きていきたいなと思った。
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